2006年05月12日

沖縄でのコーヒー栽培の5つの問題点

ポットで成育中の若い苗木.jpg
沖縄でのコーヒー栽培は、
「国産」としてくん蒸処理をされる心配がなく、
除草剤や農薬を使用せずに、
“安全+品質”にこだわった栽培をすることで、
それを理解して戴ける方がいるはずですが、
沖縄でのコーヒー栽培には、
以下のような5つの問題があり、
それをクリアしなければなりません。

1.気候や標高、土壌の質が風味や品質に微妙に影響する。
・ 夜露が出る地域

・ 弱酸性土壌が望まれる

・ 海岸沿いは“塩害”の可能性がある

・ 斜地はOK
  中南米でも、斜地をそのまま利用したり、
階段状で栽培している農場があります。
  斜地での問題は「日照・排水・収穫」などで、
栽培上の可否には特別な問題はないと思われます。

・ 沖縄の気候風土や土壌に合った品種
ここでは明らかに出来ませんが、
試行錯誤の末に具体的な品種が分かっています。

・ 「土壌作りと追肥、剪定」が重要なのは、
なにもコーヒーだけに限りませんね。

2.風に弱く、防風対策が必要。
・ コーヒーの最大の弱点は“風”です。

・ 台風の通り道である沖縄で、
「防風対策」をしない“コーヒー栽培”は自殺行為です。

・ 「鉄骨ガラスハウス」、「ビニールハウス」、
「防風ネット」など人工的な防風対策ももちろん可能ですが、
“防風林”で対応することが可能です。

3.コーヒーの実が成るまで、
5年の長期スパンで考えなければならない。

・ 沖縄農業は、本土の裏作にあたる
10月〜5月までの“半年の戦い”を強いられています。

・ 「半年後に確実に日銭が入る農作物」で
生計を立てている沖縄農業では、
すぐにカネにならないコーヒー栽培に
着手することはなかなか困難なのです。

・ 時間のかかるコーヒー栽培と連動して、
短期換金作物の同時進行も必要となるでしょう。

4.収穫時期は手摘みによるので、人手が必要になる。
・ 収穫は、「赤く熟した実を摘み取る」という単純作業です。

・ ブラジルのような巨大なコーヒー農園では、
赤く熟した実だけを摘み取るのではなく、
赤も緑も混じっている状態で、
枝ごと実をもぎ取ってしまうのです。
  この方法だと、もちろん品質は安定しません。

・ コーヒー栽培で、最も人手が必要な作業は、
「植え付け+収穫」でしょう。

5.管理できる本数は300〜500本/人が基本となる。
 ・ コーヒーの先端部分の方に、
まれにカイガラムシが付いたりして、
私は気になるので取れる範囲で小枝で掻き落とすのですが、
成育状態や剪定作業、雑草刈りなどを加味すると、
1人で500本の管理は限界だと思われます。


以上の5項目を、まず最低限クリアしないと、
「世界最高のコーヒー」を
沖縄で栽培することなんて出来ないのです。

植え替えを待つコーヒーの苗木.jpg

ハワイではハワイ島で、
小規模の農園で高齢者がコナ・コーヒーを栽培し、
少量で希少価値があり、
世界的にも認められている生産地となっています。

“ホンモノ”は米国の富豪が独占的に飲み、
日本に入ってくる「コナ・コーヒー」は、
ほとんどが混ぜものかニセモノとも言われています。

私は、上記の問題点を解消・改良することで、
沖縄でのコーヒー栽培は
ハワイのコナコーヒーのように,
沖縄の代表的な特産品になり得る事業性が
見込めると信じているのです。

実際に、本島北部東村のヒロ・コーヒーでは、
「沖縄コーヒーの品質は、
  世界の3大マウンテンと呼ばれるコーヒーに匹敵する」
と言ってはばかりません。

 3〜4年目に入るコーヒーの木.jpg
posted by COFFEE CHERRY at 11:15| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄のコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月11日

コーヒーの木の白い花

真っ白いコーヒーの花は、わずか3日間で散ってしまいます。

コーヒーの花.jpg
その間、雨に打たれても散ってしまうくらい
デリケートな花ですが、
花が咲いたところからは確実に実が付き、
約6ヵ月後に赤く熟して収穫になります。

画像のコーヒーの木は3年木ですが、
この頃から花が咲き始め、
以降木の成長と共に収穫量が増え、
10年木くらいでは収量は10s前後になります。

開花の時期は4月〜7月あたりです。

コーヒーの木の寿命は、
文献上では40年とも70年とも書かれていますが、
沖縄県内には100年を超えるコーヒーの木が
あちこちにあります。

posted by COFFEE CHERRY at 23:13| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの栽培日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

“コーヒーベルト”とは?

コーヒーの本というと、
・ 美味しく飲む入れ方
・ コーヒー豆の種類と選び方
・ 焙煎のやり方
などは多いのですが、
栽培上の文献となると、
探すのに大変な努力が必要となりますし、
見つかったとしても、中南米のデータに基づく記述になっています。

そのため、同じような記述や言い回しになっていますし、
沖縄にそぐわない内容になっています。

文献が少ない理由の1つは、
コーヒーの生産地が開発途上国であることが上げられます。

コーヒーのタ2.jpg
コーヒーが露地栽培可能な熱帯・亜熱帯地域では、
当然バナナも露地栽培が可能なわけですが、
バナナに関する文献もとても少ないのです。


 コーヒーベルト.gif
 (地図はSUNTORYの飲物図鑑より引用しました)

コーヒーはアカネ科に属する常緑樹で、
赤道を中心に南北の両回帰線(南北23.4度)の内側の
熱帯と亜熱帯の一部を、コーヒー栽培に適した
“コーヒーベルト”とか“コーヒーゾーン”と呼ばれていて、
世界の約70カ国で栽培されている、といわれています。


文献上では、
・ 年平均気温23℃
・ 降雨量1,600mm
・ 土壌pH4.5〜6.0の弱酸性土壌(7.0が中性)
・ 水はけの良い土壌
が栽培の必要条件とされています。

日本では沖縄本島、小笠原諸島が
ホノルルやマイアミとほぼ同緯度の海洋性亜熱帯気候で、
露地栽培におけるコーヒー栽培の北限地でもあるのです。


沖縄県の参考数字
・ 降雨量:年間2,300mm
・ 緯度:26度
     (国頭村奥・26度50分、那覇・26度14分)
・ 平均気温:22.4度(那覇市)

沖縄は珊瑚礁の隆起による島で、
(例;マージは海底100m、ジャーカルは海底300mの土壌)
沖縄本島は、南部はアルカリ土壌、
中北部はアルカリ土壌と弱酸性土壌が入り組んでいます。

一般に、果樹栽培には弱酸性土壌が適しますが、
コーヒーの場合は、弱アルカリ土壌でも
充分に開花し実を付けることが実証されています。

また宮古島平良市(アルカリ土壌)でも
ハワイのコナコーヒーの種子から発芽・栽培して
実を付けていることが確認されており、
本土の土壌と比較してカルシウム、マグネシウムなどの
ミネラル成分が多い沖縄の土壌では
コーヒーの露地栽培は適していると言えます。

コーヒー圃場.jpg
コーヒーは、
「高地の方で高級品が収穫されている」
と誤解されていますが、
必ずしもそうとは限らず、
標高が低くても地形的に上記の環境が揃い、
栽培地域に適した品種で栽培すれば
上質のコーヒーが収穫できることも既に確認しています。

コーヒーノキは約40種あるそうですが、
大きく分けると
・ アラビカ種(主に中南米) 70〜80%
  酸味、香り、コクの3点のバランスがとれている
・ ロブスタ種(主に東南アジア) 20〜30%
  主に、インスタントコーヒーの主原料
・ リベリカ種(アフリカの一部) 微量
       (欧州向けで日本には輸入されていない)
の3種類になり、
沖縄ではアラビカ種だけが栽培されています。

このアラビカ種には、さらに数十の品種があるのです。

時々果樹園などで売られているコーヒーノキ(アラビカ種)は、
・ アラビカ種らしいが品種は不明
・ 開花し、実が付くかどうかの保証は出来ない
と、ある通販業者で言われましたので、
あくまで「観賞用」のようです。

コーヒーのタ1.jpg
ミネラル成分が豊富な沖縄では
堆肥や有機ぼかし肥料等を使った土壌作りや
追肥の適正な時期と量、防風対策などによって、
収穫量を上げることは充分に可能と思われます。
posted by COFFEE CHERRY at 11:17| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

“幻の沖縄コーヒー”へのこだわり

今や、日本は世界第3位のコーヒー輸入大国ですから、
「これがコーヒーという飲み物だよ」
と説明しなくても、誰にでも分かる嗜好品になりました。

緑茶より、ずっと大きな市場になっています。

コーヒーの“こだわり”というと、
・ 生産国
・ 品種
・ 品質
・ 鮮度
・ 買入れ先
・ 味
・ 価格
などが考えられますよね。

コーヒーは、
ご存知のように熱帯・亜熱帯地域で栽培・生産されています。

赤道をはさんで南北回帰線の内側を
「コーヒー・ベルト」
と呼び、
約70カ国がコーヒーを生産しています。

日本では、
北回帰線に近い沖縄と小笠原が亜熱帯に属していて、
ここではバナナやコーヒーが
露地植えで栽培出来る北限地でもあるのです。

ブログは今日から始めるのですが、
沖縄コーヒーの着手は8年目になります。
収穫した「沖縄コーヒー」のタ.jpg
沖縄では、コーヒーを専業にされている諸先輩が居られて、
いろいろなことを学ばせて戴けたことで、
コーヒーの発芽から栽培過程、剪定、収穫などや
沖縄でのコーヒー生産者の現状、沖縄コーヒーの可能性、
輸入コーヒーの問題点などいろいろな資料を作り上げ、
2年前には「どっちの料理ショー」からの
取材にも協力出来たのです。

コーヒーの栽培技術的な文献はとても少ないので、
「どうやってコーヒーが出来るのか?」
出来る限り分かりやすくご紹介し、
同時に沖縄コーヒーを少しでも多くの人たちに
知って戴きたいと願っています。

現在の圃場は、
投資をされた方と契約栽培された方で余裕がないため、
北部に拠点を移す計画を立てようと考えています。

posted by COFFEE CHERRY at 15:02| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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