2006年06月24日

フィリピンのコーヒー事情〜その3

フィリピンのコーヒー生産が
リベリカ種に変わりつつあるのは、
ロブスタ種の買い取り価格の低下にあります。

コーヒーのアラビカ種はニューヨーク市場、
ロブスタ種はロンドン市場で価格が決められるのですが、
世界のコーヒー消費量が減少傾向にあって、
コーヒー相場はここ数年、値下がりしています。

コーヒー農家には1kg当たり1ドル必要ですが、
現在のコーヒー価格では、
コーヒー農家の手取りはその半値くらいなのです。

そのために、コーヒー農家の暮らしは成り立ちません。

“安全・安心”がキャッチフレーズ化して、
宣伝コピーとしても使われるようになりましたが、
“フェアトレード”も実は同様で、
一部の善良な業者以外は、
チラシコピー感覚で使っているのです。

「世界のコーヒー市場を攪乱しているのは、
 ベトナムコーヒーにある」

という考え方もあるのですが、
そのお話はまた後日にさせて戴きましょう。

コーヒーの値下がりの結果、
生産農家は肥料や苗木を買うことができず、
農民の生産意欲はなくなり、
品質の低下と共にコーヒーの味が落ちている、
とも言われています。

特に安いベトナム産コーヒーを使うインスタントコーヒーなど、
「安いコーヒーほど味が落ちた」
と言われています。

フィリピンは、
沖縄以上に経済的な自立基盤が出来ていない、
貧困な国です。

フィリピンのバナナは、
米国資本の
・ ドール
・ チキータ
・ デルモンテ
・ 日本(住友)資本のバナンボ
の4社がバナナプランテーションを支配していて、
主として日本向けに生産・輸出しているのは
ご存知の通りですが、
フィリピン人は農薬まみれになって、
低賃金で奴隷状態で現場で雇用されています。

「品質を良くしてコーヒー価格を上げよう」
という試みも、
コーヒー生産国の一部でありましたが、
結果的には徒労に終わっています。

こういう背景の中でのコーヒーの価格破壊ですから、
フィリピンが、その歴史に着目して、
フィリピンらしい独自のコーヒー(リベリカ)を生産する、
という考え方は、
私は的を得ていると思っています。


「バラコ」コーヒー復活の取り組み
・ ルソン島南部のカビテ州にあるタガイタイで
  布教活動を行っているカトリックの神父が
  「バラコは、かつて中東にも輸出されていた伝統的な製品で
   もっと売れるはず。
   バラコを育てることは農家の収入増にもつながるはずだ」
  
  と、バラコの復活を唱えていました。

・ タガイタイは標高400mほどの高地にあって、
  コーヒー農家が集まっている地域です。

・ 神父は布教活動のかたわらに、
  コーヒー農家への農業教育や支援を続けていて、
  バラコの復活をコーヒー農家にも働きかけていました。

・ 神父の活動を知ったマニラの有名コーヒー・チェーン店
  「フィガロ」の経営者や
  フィリピンのコーヒー財団、行政が、
  バラコ復活の後押しに乗り出ししました。

・ 自国の味に誇りを持ち、
  国内航空会社(フィリピン航空)やマニラのホテルなどで、
  フィリピン産コーヒーを出し、
  世界にバラコの味を広げたい、と意気込んでいるのです。


「バラコ」コーヒーの課題
今後、「バラコ」コーヒーを
輸出の柱にしたい意向はあるようですが、
・ リベリカ種自体が、
  世界的に認知されていないという状況下で、
  どこまで商品価値を高めていけるのか
・ “個性的な味”が好まれるのかどうか
・ ターゲットをどこに絞っているのか
・ 高いレベルでの栽培管理や品質管理が出来るのかどうか
・ 販売ルートを巨大資本を外して、独自に出来るのかどうか
など、課題も山積みですが、
これを克服してゆくことで、面白い展開も見えてきそうで、
私はとても楽しみにしています。

明日は、フィリピンの“幻のコーヒー”について
書きたいと思います。

posted by COFFEE CHERRY at 21:00| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピンのコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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