2007年01月15日

米国のスターバックスが、世相のため「トランス脂肪酸を使用しない」方針に

消費期限切れの牛乳や卵を使った洋菓子を
製造・販売しながら、公表を控え、
消費者をないがしろにした大手洋菓子メーカーの不二家は、
食品メーカーにとって“生命線”ともいえる“信用”を失い、
今や“存亡の危機”を迎えています。

7年前の平成12年には雪印乳業(当時)で、
乳製品による食中毒事件が発生し、
さらにその翌年から、
雪印グループ企業による牛肉偽装事件も発覚し、
完全に信用を失った雪印は、
解体・再編を余儀なくされたのは、
記憶に新しいところです。

「食品を扱う企業にとって、安全性の欠如は致命的な問題」
ですが、
立派な企業理念やビジョンは、社長室に掲げられるだけで、
いつしかマンネリ化して建て前だけに陥り、
経営者は理念や伝統を継承することなく目先の利益に走り、
数字を動かし利益を捻出する様な人間ばかりを
重宝したことによる当然の結果で、
問題が発覚した雪印や不二家だけでなく、
まだまだ大手でも同様な企業があるはずです。


米コーヒーチェーン大手スターバックスは、
1月3日から米国の約半数の店舗で、
心臓疾患や肥満との関連が指摘される
「トランス型脂肪酸(TFA)を含む食用油の使用をやめる方針」
を発表しました。

年内には全米の店舗で、
トランス型脂肪酸を使用しないメニューに切り替えるといいます。

ニューヨークやロサンゼルスなど大都市の店舗を中心に、
「マフィンやサンドイッチなど全てのメニューで、
トランス型脂肪酸を含まない食品を提供する」

というのです。

ここまでの段階だと、
「消費者のために、スタバはそこまで考えてくれているのか…」
と好意的になるのですが、
スターバックスがトランス型脂肪酸を使用しなくなった理由は、
『消費者のため』なんかではなく、
米国では、加工食品中のトランス脂肪酸含有量の表示を
昨年2006年1月から義務付けられ
(食品一回使用量あたり0.5g以上含まれる場合)、
さらに昨年12月5日にニューヨーク市の健康問題委員会が、
同市内の飲食店2万4000軒に対し、
トランス脂肪酸を含む食用油の使用を全面的に禁止する決定を行い、
今後、全米各地でも同様な規制が予測されることで、
スタバは、
渋々トランス型脂肪酸の使用を控えることを宣言しただけのことで、
消費者の立場に立った考え方ではないのです。

ニューヨーク市での規制は、
以下のように2段階で行われるそうです。
・2007年7月までに、フライ物、マーガリン、
 ショートニング、食用油が1人あたり0.5グラムまでに制限

・2008年7月までにはイースト菌などのパン生地、
 ケーキ用のバターオイルにも適用


カナダでは米国より早く対応し、2年前の2005年12月12日から
トランス脂肪酸を表示対象としていますし、
デンマークでは、3年前の2004年1月1日から
国内のすべての食品について、
「油脂中のトランス脂肪酸の含有率を2%まで」
という制限が設けられていますし、
ドイツやフィンランドに至っては、
トランス型脂肪酸を含む一切の食品・加工食品は
発売禁止となっています。

オランダではさらに厳しく、
トランス脂肪酸を含む油脂類も発売が禁止されているのです。


そうした先進国での傾向を踏まえて、米ファストフード大手
ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)では昨年10月30日に、
「トランス型脂肪酸を含む調理油の使用は、
 来年4月までに全店舗で止め、
 以後は同脂肪酸を含まない大豆油を使用する」

と発表しています。

マクドナルドは2002年9月に、
「2003年2月までに調理油の全てを、
 トランス脂肪酸を含まない油に切り替える」

と発表しましたが、
そのスケジュール通りに作業は進まず手間取っているうちに、
健康問題活動家からマクドナルドが訴訟を起こされています。
(この件は、マクドナルド側による
 850万ドル(約10億円)の和解金で終了)


また、ケンタッキー・フライド・チキンでも、
昨年6月に、消費者団体から訴訟を起こされています。

この訴訟内容は、
KFCがトランス型脂肪酸を含む油の使用を止めるか、
あるいは消費者に健康上のリスクを知らせる一文を
挿入するべきだという内容のものでした。

ハンバーガーチェーンのウェンディーズでも、
昨年6月にトランス脂肪酸の使用量を
大幅に削減すると発表していますし、
バーガーキングでも、
一部店舗でトランス型脂肪酸を含まない油を
試験的に使用することを、昨年10月に発表していました。

ですから、スターバックスは、
ファーストフード店の中では、
かなり遅い対応をしたわけです。


そうした、
トランス型脂肪酸に対する世界的な危機感が高まる中で、
日本の行政や業界団体、消費者団体は
楽観的に、得意の“傍観戦術”を貫いています。

日本で生産されるクッキー、クラッカー、パン、ケーキ、
コーヒーに入れるフレッシュ、アイスクリーム、
レトルトカレーなどの加工食品には、
安価なマーガリンやショートニングが
必ずといってよいほど使われていますが、
マーガリンやショートニングは、
トランス型脂肪酸を代表する油脂で、
「トランス型脂肪酸を含むプラスチック製品のようなもの」
という研究者もいます。

また、フライドポテトなどは
「外側をプラスチックコーティングされ
 内側をアクリルアミドでコーティングされた芋」

と称する研究者もいるのです。

ある研究では、
フライドポテト1人前に8gのトランス型脂肪酸が
含まれているのだそうです。

20世紀始めには、
人間の体内には存在していなかったトランス型脂肪酸ですが、
今では日本人のほとんどが、
毎日いくらかはトランス型脂肪酸を取り入れて
蓄積しているのが現状で、
「日本人の皮下脂肪中の約4%に達している」
という研究者もいるのです。

日本国内のスターバックス各店舗は、
日本でトランス型脂肪酸の規制がないために、
今まで通り、トランス型脂肪酸を使用した食材を出しますし、
他のファーストフード店でも同様なのです。

そうした大手企業の社長室に飾ってある
「立派だけど守られない建て前の“理念”」
ではなく、
「実際の理念」とは、
はたしてどういうものなのでしょうかexclamation&question

きっと、怖ろしいものに違いありません。


posted by COFFEE CHERRY at 15:25| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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