2008年12月14日

江戸時代を見直して沖縄コーヒーのブランド化を考えるB

264年間も続いた
Pax Tokugawana(徳川の平和)の時代の初期には
田中角栄の列島改造論ばりの大開発が行われて
農地や人口も増えて元禄時代には
バブル的な隆盛を極めるのですが
ついに経済が失速し、
過剰投資のツケと、
勘定奉行の萩原重秀の金銀改鋳政策
(金銀の含有量を減らした粗悪通貨に造り変える)
によるインフレ、
領主経済の崩壊による大名貸しの不良債権化によって
大商家がどんどん倒産するなどで
元禄バブルが崩壊してしまうのは、
前回
・江戸時代を見直して沖縄コーヒーのブランド化を考える@
・江戸時代を見直して沖縄コーヒーのブランド化を考えるA
でも触れましたが、
「その後、どういう工夫をしていったのかexclamation&question
を検証しているところで、
今日初めてこのブログをご覧になられた方は
コーヒーの話が出てこないので
チンプンカンプンだと思いますが
そのうち出てきますので
それまでしばらく我慢して下さい。もうやだ〜(悲しい顔)

北山山麓から見下ろした重機の道.JPG
北山山麓から見下ろした重機の道です。
ここは重機の道と北山山麓の近道でもあり
木にツルを横に張って近道ルートのガイドとしています。
重機の道の入口部分にあたり、
風向きによっては風が入ることで
このあたりにはコーヒー苗木は植えていないのです。


元禄が始まる20年前には
もう新田開発ブームの終わりが近い時期で
第4代将軍・家綱時代の寛文6年(1666年)に幕府は
「諸国山川掟(やまかわおきて)」
という法令を出して
行過ぎた開発を反省して
それまでの重厚増大型の“広く浅く雑に”より、
軽薄短小型の既存の田畑を見直す
“長期展望に立った質的向上型”
の農業への転換を図り、さらに、
テレビで暴れん坊将軍とされている
第8代将軍・吉宗の時代には
国内資源の総点検に基づく適地適産振興を行うのです。

重機の道1213.JPG
最初の画像を降りて重機の道の奥を見た画面です。
左の斜面を上がると北山山麓で、
右の斜面を下るとバナナロードがあります。
画面の奥の方向は“北”で、
先をやや左に曲がったあたりから
コーヒー苗木が植えてあります。


話は変わりますが、
中国の道教の思想で出てくる“仙人(せんにん)”は、
主に高い山や仙郷などで暮らしていて
気をあやつる仙術・方術の達人で、
不老不死を得た老人を指すようですが、
中国では紀元前の秦の時代から、
三国志の時代あたりに
こういう神仙(しんせん)思想が発達したようです。

それまで神仙家の薬と医師の薬とが
混同されていたのを区別することで、
方術の薬を指すものとして
「本草(ほんそう)」という用語が生まれ、
「草石の性に本づくもの」
という意味らしいのですが、
「薬草」を生理的な意味も含めて
広義に解釈した思想だと思いますが、
こういう考え方が中国から日本にも入ってきていて、
江戸時代中期を代表する
本草学者・丹羽正伯(にわしょうはく)は
暴れん坊将軍とされている第8代将軍・吉宗の時代に
財政悪化のために中国から輸入されている薬草を
国内生産で補う必要が出てきたことで
正伯(しょうはく)は「採薬使」として幕府に登用され、
江戸の駒場野や小石川の薬園では手狭になったことで
下総の国(=千葉県)滝台野(=現・船橋市薬円台)の
広大な下総薬園の管理や薬草の栽培を命じられるのですが
享保19年(1734年)、将軍・吉宗が丹羽正伯に
「諸国の産物取調べの権限」
を与え、
正伯(しょうはく)は翌年の春に、
諸藩の江戸留守居(るすい)役
(情報収集を主とする藩の外交官役)を江戸城に集めて、
動植物から鉱物等のあらゆる産物を調べた産物帳を
幕府に提出することや
これの記載要領や様式も示して、こと細かく指示を与え、
これにより各藩は数年がかりで資源や産物を詳細に調べ上げ
各藩から提出された産物帳の記載について不明の点は、
ふたたび藩に問い合わせを行ってCHECKする念の入り様で
これを正伯(しょうはく)が取りまとめて編さんしたものが
『享保・元文(げんぶん)諸国産物帳』
で、
江戸時代以前の全国的な動植物や
鉱物などの産物分布の情報源として
信頼性の高い中心的な資料なのですが、
幕府によって編さんされた原本は
幕末の混乱で行方不明にでもなったのか、
残念ながら現存せず、
藩などに残された「控」が保存されているだけのようです。

雨水システム1213.JPG
 この種の雨水貯蔵システムは
 コーヒー山のあちこちにありますが、
 画像は北山山麓にあるものです。
 この結び方は割りあい堅固な方です。


そもそも日本の国土は南北に長く,
狭い国土に3,000m級の山を持ち,
地形が複雑のうえに本州中央部の山脈によって
日本海側と太平洋側に分けられて、
また海洋でも
黒潮、親潮、対馬暖流などの海流があり、
複雑な列島地形から多様な環境が形成されていて
狭い国土内でも気候に大きな違いがあり、
多くの山や川で地域が区切られています。

多様な地形や気候は
「異なる地域性」
を生み、
また各地域ごとに多様な
「地域資源」
があり、
地域ごとに、季節、食べ方が限定される
「各地域にあった伝統野菜」
があったのに、
それを無視した大開発を行って
「広く浅い」農政を進めた弊害が出始めたことで
将軍・吉宗が既存の田畑を見直す質的転換を図ったのは
的を得ていたと言えましょう。

林床地1213.JPG
 12月に入っても苗木植え付けをしている林床地です。
 画面左側がバナナロードで、
 画面は北側に向いています。


季節毎に得られる地域伝統野菜が、
暑さや寒さなど気候の変化に耐える
体力づくりにも貢献していて
日常茶飯の地域食材を食することで
世代を重ねることが出来るとともに、
これら食とその地域の気候、風土において、
人々はその地域の生態系に組み入れられてきたのであり、
それが
「身土不二」
たるゆえんだと思うのです。

苗木1213.JPG
 今夏に発芽した若い黒ポット苗木も
 コーヒー山の腐葉土などを表土に載せるだけで
 とても元気に成育しています。


また、第11代将軍・家斉(いえなり)の時代、
文政9年(1826年)に出版された
「日本往来(おうらい)」
という書物では、
5畿内・7道・66ケ国の地理と特産物が説明されていて、
例えば大和国については
「偖、大和国は十五郡、添上、添下、平群、廣瀬、葛上、
 葛下、忍海、宇智、吉野、宇多、城下、城上、高市、
 十市、山辺也、高四十四万四千百三拾石と承候、
 風土殊に忽也、山平均ニテ柴薪聊ニ候、
 往古宮古ニテ御座候得ハ名所旧跡多き中ニ茂、
 吉野、初瀬花盛ハ他ニ勝テ見事ニテ候、
 三輪之杉、春日社、三笠山、猿沢之池、
 其外旧都之名勝見所数多ニテ候、
 名物に於ハ奈良晒、三輪素麺、
 吉野葛等御求可く然る存奉候」

とあり、
「大和国は15郡あって石高は44万4,130石、
 山は平均でかつては都でした。
 また名所・旧跡が多い中でも、
 特に吉野と初瀬(はつせ)の桜は見事であり…
 名物では奈良晒(さらし)、三輪素麺(そうめん)、
 吉野葛(くず)がある」

というように書かれています。

北山から南側を見下ろす1213.JPG
 北山の南側斜面です。
 画面の右下には重機の道が通っています。
 正面下は「竹の広場」といって
 ここにもコーヒー苗木やバナナが植えてあるのですが
 昼食をとる場所でもあります。


諸国に適地適産の振興が行われたことで
 ・ 地域資源の見直しと開発
 ・ 新しい作物の導入

の両方が活発化し、
中国や朝鮮から輸入していた綿布を
関東以西で木綿栽培を始めて自給化したり、
将軍・吉宗が製糖奨励策をとって
四国の阿波、土佐や静岡の駿河、遠江(とおとうみ)、
大阪の和泉などの
主に太平洋沿岸・瀬戸内沿岸地方でも
サトウキビ栽培が始まったり、
保存性の高いジャガイモ、かぼちゃ、薩摩芋や
スイカ、たばこ、生糸などの栽培も
江戸時代から国内生産が始まったり
普及したりしているのです。

最も南の苗木.JPG
 南山の最も南側に植えてあるコーヒー苗木は
 上空で少し高木の枝葉がかかっていることで
 すこぶる元気です。


古き良きEarly time in Tokugawaの時代は
現代にも通用する政策が多くて興味深いのですが
中高生の新語「チェンソー」が
「頻繁に替わる総理大臣の、CHANGE総理」
という意味で
「みんなでつくろう国語辞典」の
最優秀作品賞10作の中に入ったり
今ごろ勉強会を始める与党議員先生たちや
その場しのぎの政策しか出来ず
将来の展望がまるでない農衰省では
農政改革より、
まず脳性改革をしてほしいところです。

次回に続きます。

GAS価格1213.JPG
 先週の水曜日から、那覇近郊は
 この表示が出るようになりましたが、
 会員価格や現金割引、2千円以上は2円引き、
 コープやTカードの提携2円割引、
 洗車割引など多様な割引があって、
 このスタンドでは現金2千円以上の
 レギュラー給油だけでも1リッター108円になりました。
 円高原油安でさらに下がり基調ですね。

posted by COFFEE CHERRY at 18:59| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸時代の農政から学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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