2009年05月12日

落下したコーヒーの赤い実の外皮を食べるヤンバルトサカヤスデから学ぶ

好天気の日曜日、
テスト圃場にコーヒーの収穫に行くと
地面に落下していたコーヒーの赤い実の外皮を
「ヤンバルトサカヤスデ」
というヤスデが食べているのを見つけました。

ヤスデ1.JPG
 テスト圃場で落下したコーヒーの赤い実の
 外皮を美味しそうに食べている
 「ヤンバルトサカヤスデ」です。


ムカデやヤスデ、ゲジゲジというと、
およそ好きな人は、よほどの昆虫オタク系だと思いますが
ムカデやゲジゲジには、
運動会のムカデ競争やゲジゲジまゆ毛という
「〜的」、「〜のような」、「〜風」の表現があるのに
ヤスデには「〜ヤスデ」とか「ヤスデ〜」というのは
なかなか思い浮かびませんよね。

バナナロードの奥090509.JPG
 バナナロードの奥の方に置いてある
 ケンガイ鉢栽培のコーヒー苗木です。
 次回の移植作業では、
 少なくともこの半分以上は移植してあげたいところです。


「ヤンバルトサカヤスデ」
は、
“ヤンバル”という地域が付くものの
沖縄の固有種でも固有亜種でもなく、
「台湾から植木などの移動で北上してきた」
という説と
ルーツはベトナムで、
「ベトナム戦争で米軍が投入した戦車や
 装甲車などに介在して沖縄の米軍基地にやってきた」

という説があるのですが、
この米軍基地は様々な植物や生物を沖縄に持ってきてしまい、
単に軍事的な弊害だけでなく
生態系でも弊害があるところが問題なのです。

ベトナム戦争では米軍は
戦車850輌、装甲車を含めた車両を
約1万6千台も投入したといわれていますが
沖縄の米軍基地からは
海兵隊の戦車
 ・ M48パットン
 ・ M41ウォーカー・ブルドッグ
 ・ M67火炎放射戦車

などが出撃していますから、
そのキャタピラなどにヤスデの卵などを付着させて
沖縄の基地に戻り、
そこから生息域を広げていった、
という説に
私はスーパーひとし君を賭けたいところです。

バナナの仮茎の中に入り込む、やっかいな
「バナナツヤオサゾウムシ」
を沖縄に導入させたのだって
ベトナム戦争のお土産なのですから。

バナナロードから林床地への近道090509.JPG
 重機の道の一段下に、先週苗木を移植しましたが
 ここをずっと下りてくると
 バナナロードに出てくるのです。
 コーヒー山のオーナーが30年前に
 最初に堅固なバナナロードを造り
 その後バナナロードのあちこちから
 重機を山にジグザグで上がったり
 平坦な外周道路(=重機の道)を造ったりした
 名残りがあちこちにあって、
 そのためにコーヒー山は
 自然な環境の中に平坦地があるので
 コーヒー栽培としては
 最適で最強の環境になっているのです。


冒頭のムカデやヤスデ、ゲジゲジや
ダニ、トビムシ、ダンゴムシ、甲虫、ハサミムシ、ゴミムシ、
ハエ、クモ、ミミズ、線虫などの小動物や
その他菌類、細菌、放射線などが介在することで
有機物を分解して植物が吸収しやすくしてくれるのですが、
「私は和食しか食べません」
とか
「いや、私は洋食派だ」
などというように
地表や地中の生物でも
 ・ 死体
 ・ 糞
 ・ 羽毛
 ・ 皮膚片

などの動物遺体食を食べる
クモ、ムカデ、甲虫、ダニなどのおくりびと的肉食派や
 ・ 枯葉
 ・ 落下果実
 ・ 枯死材
 ・ 枯死根
 ・ 細菌、菌類

などの植物遺体食を食べる
ヤスデ、ダンゴムシ、トビムシなどの
ベジタリアン系植食派に分かれますが、
共に自然界の物質循環の中で
有機物の分解に貢献してくれて、
また彼らの子孫をさかのぼると、
5億年前の三葉虫までたどれるようですから
大変な歴史があって、
まさに大勲位菊花章を授与されてもいいくらいの
地道な長期にわたる活動をしているのに、
彼らはの多くは
害虫(=不快害虫)的な扱いをされているのです。

テスト圃場GW.JPG
 テスト圃場のコーヒーの木です。
 日照り状態で水やりもしないのに
 根付いたことで元気いっぱいのようです。


「ヤスデの大発生」
がしばしば問題になることがありますが、
ヤスデ類は
 ・ 腐った植物
 ・ 新芽
 ・ 新根

などの柔らかい部分を
(ときには動物質のものも食べるようです)
食べる、
つまりエサになる
「落ち葉や廃材のある
  日当たりの悪い湿度の高い場所を好む」

わけですから、
「ヤスデが大量発生して大変だexclamation
と騒ぐより
 ・ヤスデ発生エリアから公園緑地化や基盤整備、
  土地造成、ガーデニングの土壌・堆肥等の持ち出し注意
 ・ホームセンターなどで売られている
  腐葉土を買うときは異常に安いのは
  なるべく買わない(ヤスデなどの卵が入っているかも)
 ・ヤスデ発生エリアからの植木、鉢植え等の持ち出し注意
 ・ヤスデ発生エリアで使われた重機などの
  工事用車両の移動に注意

など、
どちらかというと人為的な介在が
異常発生に起因していることが多いはずですから、
ヤスデ類が嫌いな方々には、
「ヤスデ類が住みにくい清潔な環境を
    整備するようにすればいいのに」

と思うのです。

カエルの泡卵090509.JPG
 コーヒー山の林床地で見つけた泡卵です。
 カエルのでしょうかexclamation&question
 カエルならどうやって産みつけたのでしょうかexclamation&question
 「泡卵」なのは間違いないと思いますが
 誰の産卵なのかは不明です。


住宅地に大発生するヤスデは、ほんの一部の種だけで、
ヤスデ類のほとんどは森林で静かに生活していますから
むしろ農薬や殺虫剤を
「これでもかっexclamation
と撒く、あちこちの農地には
ヤスデはとても棲息できないことを考えると
「ヤスデやムカデが棲息できる安全な土壌」
を、むしろ喜んで
共生しないといけないと思うのですがどうでしょうかexclamation&question

自生するクチナシ090509.JPG
 コーヒー山に自生するクチナシです。
 たまたま白い花が咲いていたので発見出来ました。
 クチナシは陰樹というより半陰樹ですから
 コーヒー山のように時々木漏れ日が入る環境は
 大好きなはずです。
 黄色い花もありますが時間的に古い花です。
 クチナシはコーヒーと同じアカネ科で親戚なので
 何となく白い花は大きさこそ違いますが
 似ているといわれれば似ているような…


スウェーデンの博物学者カール・リンネによる
界・門・綱・目・科・属・種というような分類法では
ヤスデ、ムカデ、ゲジゲジは
 ・ 動物界
 ・ 節足動物門
 ・ 多足亜門

までは共通なのですが、
ムカデとゲジゲジはここから
 ・ ムカデ上網
になり、
その先で
 ・ ムカデ網
 ・ ゲジ亜網

に分かれるので、
ムカデとゲジゲジは見た目は違うものの
親戚関係にあるのですが、
むしろゲジゲジよりムカデっぽいヤスデは
 ・ ヤスデ網
と遠縁になってしまうのです。

ヤスデは外見ではムカデに似ているものの
ヤスデは腐食食性なのにムカデは肉食ですし、
ヤスデはひとつの体節ごとに
二対の細く短い歩脚を持っていたり
ヤスデはムカデと違って
毒のある顎を持っていないとかなどで
ヤスデとムカデは遠縁ではあるものの
明らかな違いがあるのです。

ヤスデ2.JPG
 落下しているコーヒーの実は、
 種だけの丸裸になっているのはよく見つけられますが
 ヤスデに食べられているのを見たのは初めてでした。


ということで、
落下したコーヒーの実の外皮を食べている
ヤンバルトサカヤスデは
単に
「有機物を分解している」
というより、
「種を発芽しやすくするような何か」
にも貢献しているようにも思えてくるのです。
posted by COFFEE CHERRY at 16:36| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの栽培日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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