2011年07月04日

フィトンチッドとアレロパシ−を考える@

沖縄が返還される3年前の1969年(昭和44年)に
アポロ11号の3人の搭乗員が
「人類史上初めて月面に到達した」
ことの真偽はともかくとして、
今から50年前の1961年(昭和36年)には、
旧・ソ連のガガーリンが人類初の宇宙飛行を成功させ、
帰還後に
「地球は青かった」
という、あまりにも有名な言葉を残しています。

また「東山ブルー」といわれる群青色の作品を中心に
“青の世界”を描いた現代を代表する
日本画家・東山魁夷(かいい)の山の絵を象徴するように、
私たちが遠くの木々の生い茂った山々を眺めても
緑ではなく青く見えますよね。

コーヒー山からの展望2.JPG
 コーヒー山から東側を見た山々は
 確かに木々の緑よりも山が青っぽく見えます。


これは科学的には、可視光線の中で
波長が長い赤は大気中の水分によって吸収されたり、
途中で散乱したりして、
橙、黄色、緑色、青と次第に波長が短くなり、
波長の短いものはより遠くまで届くために
「遠くの山は緑が少なく、青や紺色しか伝わってこない」
という、ヒトの生理現象によることは
昔、理科で習ったことがありました。

また、北宋代(日本では平安時代)の著名な詩人・蘇軾(そしょく)は
晩年、政敵の策謀によって弾劾(だんがい)を受け
その心境を弟に長い遺詩を残すのですが、
その中の「其(その)一」では、
以下のように書かれています。

聖主如天万物春   聖主、天の如く万物、春なるに
小臣愚暗自亡身   小臣、愚暗にして自ら身を亡ぼす
百年未満先償債   百年、未だ満たざるに先ず債を償(つぐない)い
十口無帰更累人   十口、帰するところ無く更に人を累せん
是処青山可埋骨   是(いた)る処の青山 骨を埋む可し
他年夜雨独傷神   他年の夜雨 独り神を傷(いた)ましめん
与君世世為兄弟   君と 世世 兄弟と為りて
又結来生未了因   又 来生 未了の因を結ばん

(現代訳)
清明なる天子の徳は天のようにあまねく、
万物に春のように施されるのに、
私は愚かにもみずから身を亡ぼすことになった。
天に与えられた寿命を全うすることもなく、
前世の罪業を償わねばならない。
私の十人の家族はよりどころを失い君を煩わすこととなるだろう。
何処の青山(墓所)であれ、私の骨を埋めることは出来るが、
この後君は独り夜の雨を聞きながら心を痛めなければならないだろう。
君とは何度生まれ変わっても兄弟となって、
この世で尽くせなかったえにしを来世で結ぼうではないか。


という、
獄中から傷心を、遠い青山を望み見ることで
それを少しでも和らげたい、と期待しながら
無常観に打ちひがれて、
自らの獄中での死を予期し、
仲の良い弟への兄弟愛を詠った詩ですが、
遠くの山々を眺めたときに青みがかって見えることが
もともと人間が自然と共生して生きてきたDNAが
懐かしさや安心さ、悠然さを感じさせるようです。
人類が800万年前に登場したとしたら、
人間が森林から離れて都市に住みだしたのが
180年頃前の産業革命当時とすると、
「人類は99.9%は森林と共生して生きてきた」
「近代人が都市に住みだしたのは人類学上ではまだ最近のこと」
ともいえるはずです。

コーヒー山からの展望.JPG
 コーヒー山の中から、西側を見た風景です。
 近い山はあまり青っぽく見えませんね。
 はるか遠くに東シナ海をはさんで、本部半島の
 今帰仁村側が見えます。
 良い天気の日は伊江島まで見えますよ。


フィトンチッドとは、
「高等植物が傷つくと、その周囲の環境にある他の生物を殺す何かの物質を出す」
という現象で、
それがどうやら“青い粒子”のようなのです。
これは次回から掘り下げていく予定ですが
1930年頃にソ連の研究者が発見したのです。
古来から、中国の漢詩には“青山”が多く出てきますし、
ジャマイカ原産のブルーマウンテンだって
和訳すると「青い山」ですよね。

ジャマイカは1509年にスペインが占領し、
植民地政策で原住民を激減させましたが
その原住民が
「Xaymaca(ザイマカ、“木と水の国”)」
と名付けた島で
コロンブスが1492年の第2次航海のときに
この島をカリブ海の中で発見したときには
「今まで見た中で最も美しい島」
と絶賛した、といわれています。

日本の地名でも、
 ・青山
 ・青島
 ・青森
 ・青野
 ・青田
 ・青井
 ・青木
 ・青樹
 ・青葉
 ・青谷

など、
“青”を冠する、
土地と結びついた地名も多く、
「遠くの山々を見たら青く見えるのは可視光線のせいさ」
と、何でもかんでも単純に片づけられないようで、
樹木が発散する有機微粒子が、
タバコの煙の粒子と同様な光の現象として
可視光線をさらに強めるような作用があり
その青っぽく見せる粒子が
「Blue haze(ブルーヘイズ)」
と、呼ばれています。

この地球全体の樹木から発散されている多量の青いもやを
ガガーリンが
「地球は青かった」
と見たのではないかと思うのです。

(次回に続く)
posted by COFFEE CHERRY at 19:55| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | フィトンチッドとアレロパシ− | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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