2008年08月26日

バナナロードから森林が始まるコーヒー山の素晴らしい環境

バナナロード0823.JPG
 バナナロードには毎週のように数十回も
 車を乗り入れているのでケモノ道化したのか、
 最近では2駆の乗用車でも
 問題なく入れるようになりました。
 もちろん左側がコーヒー山で、
 苗木はずっと上の方に植えていますから
 毎回苗木の持ち運びが最初の重労働になります。


コーヒー山は、今から30年以上前に
山のオーナーが農産物の栽培のための農地作りとして
数千万円のコストと膨大な時間をかけて
山の木を伐採して重機を入れながら、
その後転業されたために山が長い間放置されたことで、
森林が自然に再生してしまったのですが、
林道からコーヒー山へ入る導入部の
バナナロードと名付けた道も
当時は山の上の方から雨水が流れ落ちてくると
道がぬかるむことで、
道に石を敷き詰めてブルドーザーで踏み固めたようで
今でも下草程度が生えているだけで、
軽乗用車でも充分乗り入れが可能なくらい
完成度の高い道になっていて、
山のオーナーが昔、大変な思い入れで開拓した偉大さに、
いつも敬意を表しているのです。

ヒカゲヘゴ1.JPG
 一見ヤシのように見えますが、
 ヒカゲヘゴという木生シダで、
 種子ではなく胞子を散布して繁殖します。
 枝を出さずに成長するごとに葉を落としてしまうので、
 樹皮に葉柄の脱落痕が残り
 幹が個性的な模様になるのだそうです。


ヒカゲヘゴ2.JPG
 ヒカゲヘゴの幹の先端部分です。
 シダ植物は恐竜時代の生き残りですから、
 ジュラシックパークに出てくるような
 恐竜たちが栄えていた白亜紀を連想してしまいます。
 シダ植物は気候が温暖で雨が多い場所を好みますから
 山深いやんばるはシダ植物の宝庫でもあります。


コーヒーの苗木は、バナナロードから山の上の方の
かつて重機が通った平らな道に植えていて、
そのために木漏れ日が入るくらいに
伐採や間伐をしているのですが、
今回は
「森林の端ってどうなってるのexclamation&question
という観点で考えてみましょう。

バナナロードと森林の始まり1.JPG
 バナナロードからの登り斜面のシダ系植物から
 森林が始まっています。


森林でもジャングルでも
樹木がウジャウジャ生えているのですが、
コーヒー山でも、植生はおおむね
 ・ 高木層
 ・ 亜高木層
 ・ 低木層
 ・ 草本層

というように
森林内は樹木だけで成り立っているわけではなくて
やんばる特有の4層に分化して、
多種多様な種が混成して共生しながら
生態系を作り上げています。

バナナロードと森林の始まり2.JPG
 シダ系を中心とした植物群が、
 森林の空間をふさぐように茂っていて、
 これがコーヒー山の森林の始まり部分なのです。


森林内がひんやりと涼しいのも、
「木陰だから涼しい」
とか
「高度が100m高くなると、温度は0.6度低下する」
というだけでなくて、
森林内に生い茂る植物群の
葉からの蒸散作用による気温の低下や
落ち葉が堆積した保水力の高い土壌など、
いろいろな要素があって
森林内の温度や湿度が外部の環境と違うという
自然の偉大さがそこにあるのですが、
さらに、森林の周辺を覆って
外部の風や直射日光が森林内に入り込むことを
防いでいる要素もあるのです。

バナナロードと森林の始まり3.JPG
 人間の視覚的には、森林内が見える方が良いので
 シダ系植物群を伐採したいところですが、
 植物群の根が斜面の土を押さえている働きもあるのです。


森林の始まりの部分は、ツル植物や有刺植物、
低木性の樹種や草本が繁茂していて、
見栄えは良くないジャマ的な存在に思えがちですが、
森林内への風の吹き込みを防いだり、
強い日ざしが入ったりして森林内部が乾燥するのを防いだり、
大雨で森林内の栄養分豊かな表面の土壌が流れ出すのを
防いだりしながら
森林内の環境を安定させたいという意図はないにしても
結果としてそういう役割を果たしているわけです。

バナナロードと森林の始まり4.JPG
 山の上の方から栄養成分が流れてくるので、
 この斜地の土壌はじゅうたんのように
 フカフカで肥えています。


コーヒー山では、
30年以上かかって森林が再生したことで、
バナナロードを境にして
その上から森林が始まるように植物群が構成されていることが
より素晴らしい環境となっているのです。

コーヒー山のソデ群落部分.JPG
 バナナロードから斜面を見上げたところです。
 この森林の始まる部分は「ソデ群落」といわれ、
 湿潤でありながら強い日差しも受けるエリアでもあります。


森林が破壊されると、
強い風が入り込むことで木が倒壊したり林内が乾燥しますし、
さらに強すぎる光は中の植物を枯死させたりしながら
裸地化からやがては砂漠化させてしまいますから、
コーヒー山では迷路のように張り巡らされている
平らな重機の道の木を
伐採したり間伐したりして森林に人工的な手を入れたり、
もともと山に自生していないコーヒーの木を
植樹したりしているのですが、
木漏れ日が当たるくらいの伐採にとどめておきたいのです。

大回廊・重機の道0823.JPG
 コーヒーが健全に成育出来ればいいだけの
 伐採より間伐作業に心がけています。


バナナロードは、森林内から栄養分が供給されるために
栄養分的には良好な立地条件になっていることで、
単なる自動車の通行道路としてだけではなく、
水分が必要なバナナを植えることが
栽培条件的にも視覚的にも
マッチしているのではないかと考えているのです。

banana0820-1.JPG
 バナナロードの沿線には、
 8品種のバナナを1列に植えたいのですが、
 今のところはコーヒー苗木の搬入が最優先なので、
 島バナナとボリビアバナナの2品種だけ植えてあります。


banana0820-3.JPG
 来年以降にはバナナロードには
 バナナ並木が出来ていることでしょう。


コサフランモドキ.JPG
 バナナロードで見つけた南米原産の
 コサフランモドキという花です。
 サフランモドキという花をひと回り小さくしたような
 見落としてしまうような感じなので
 「コ(=小)サフランモドキ」という名前なのでしょう。
 1972年の復帰前に琉球政府が観賞用として導入したようですが、
 あまり見かけませんから
 イマイチ普及していないようですが、
 シダ群落を中心とした中でけなげに咲く姿は
 応援したくなるような気持ちで思わず足を止めて
 見入ってしまいます。


posted by COFFEE CHERRY at 15:17| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 移転準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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