2008年09月15日

移植したコーヒー苗木の生育チェックポイントC「葉−3」

せっせと山に移植しているコーヒーの木は、熱帯果樹といっても
もともとやんばるに自生している木ではない持込の移入種ですし、
今まで本島南部の平地で成育させていた環境と
本島北部の、しかも標高は約350mといっても
沖縄島では山岳地帯で
しかも土壌も違うという、
それまでとは違う環境下で、
・ 上手く根付いているかどうかexclamation&question
・ 健全に成育しているかどうかexclamation&question

という健康診断を、
毎回コーヒー山に行くたびに
必ず全部をチェックすることにしています。

北山山頂0910.JPG
 9月10日に移植作業をした北山山頂付近。
 スダジイを中心とした常緑高木が防風林になってくれて
 通風も良く、木漏れ日も適度に当たり、
 酸性土壌のうえに腐葉土も豊富ですから
 コーヒーの苗木にとっても理想的な栽培環境なのです。


キノボリトカゲ0809−1.JPG
「小さな恐竜・キノボリトカゲ」が
 どこにいるか判りますかexclamation&question


キノボリトカゲ0809−2.JPG
 「小さな恐竜・キノボリトカゲ」はコーヒー山や自宅の庭、
 テスト圃場にたくさん棲息していて、
 私の頭の上に乗ったり、作業着のポケットの中に
 入り込むこともあるのです。


最初に目に入る「樹勢(外観」」の中で
特に“葉”については、
 ・ 色
 ・ 大きさ
 ・ 質量
 ・ 新芽や新葉の出具合
 ・ 病害虫の影響

などをチェックするのですが、
前回の
 @「葉がしおれている」
 A「葉が枯れた」

の続編を書くことにしましょう。

落葉する葉1.JPG
 他の緑みどりしている葉の中で、
 1枚が黄色く枯れるのは問題ありません。


落葉する葉2.JPG
 葉は枯れると自然にポロリと落ちます。

B「葉が落ちた」
 ・単純に「水不足」で葉が枯れて落葉することがありますが、
  コーヒーノキの場合は水不足になると
  全体の葉がダラリと垂れるので
  誰にでも判りやすいのですが、
  コーヒーは他の樹木に比べて、特に若い苗木の場合や
  移植後根付くまでは水がたくさん必要な樹木ですから、
  水不足にならないようにしないといけません。
  日照り続きの場合の水やりでも、
  コーヒー山では簡易雨水貯水システムという
  ブルーシートを張ってペールなどに雨水を溜めておいて
  水やりをするように心がけていますので、
  水不足による落葉については、
  コーヒー山ではポットや鉢で置いてある苗木以外の
  移植した苗木については心配していません。


 ・逆に「水のあげ過ぎ」でも、
  葉が枯れて落葉することがあります。
  自然の雨を充分に活用し、晴天続きの場合に
  人工的な水やりで補充するのが私の方針なので
  異常気象で長雨になったとしても、
  山は水はけの良い赤土ですから大丈夫でしょう。


落葉する葉4.JPG
 この苗木でも他の枝葉がしっかりしているので、
 1枚が黄色く枯れても問題ありません。


 ・「日当たりが悪い」と葉が枯れて落葉する樹木もありますが、
  コーヒーの場合は日陰でも成育する“陰樹”ですから、
  木陰で生育していた苗木を段階を経ずに
  カンカンの日当たりにでも移動しない限り、
  特別な心配は要りません。
  沖縄はコーヒーベルトの北限ということから
  「沖縄では最終的には日当たりの良い場所で
   成育させる方が良い」という考え方が私の持論です。


 ・「根詰まり」で葉が枯れて落葉することもありますが、
  コーヒー山の国頭(くにがみ)マージは赤土酸性土壌で
  地力はありませんが水はけが良いのが特長ですから、
  植えた場所が多少のくぼみがあったとしても
  特に心配はしていません。


落葉する葉3.JPG
 新芽が出ているのに1枚が黄色く枯れるのは、
 「その葉の寿命」ととらえています。


 ・「新旧交代で葉が落ちる」という、
  新芽や新葉が次々に出てきて古い葉が落ちるのは
  健全な証拠ですから、
  この場合は問題はまったくありません。


 ・「枝葉がこすれて葉が落ちる」ことがあります。
  台風の接近や襲来によって枝葉がこすれる
  自然災害的現象とか、
  苗木を荷台に載せて搬送している時に枝葉がこすれる
  人災的な現象がありますが、
  緑みどりしてまだまだ元気な葉が
  アクシデントで落葉してしまうのは、
  苗木にとってストレスが溜まるものです。
  山に搬送した苗木であれば、通風が良く、
  木漏れ日が当たるような場所に早めに移植して
  水やりを充分にあげれば新芽を出して回復してゆきますが、
  強風で必要以上に葉が落とされると、
  回復に時間がかかるのもやむを得ないところです。


落葉する葉5.JPG
  「新陳代謝による葉の交換」は木が健全に生育している
  証拠でもあり問題はありません。
  強風で枝葉が重なってこすれたり、
  山までの苗木の搬送時に枝葉が重なって
  健康な葉が落ちることがあり、
  その場合は苗木にとってアクシデントですから、
  苗木にストレスがかかるようになります。


 ・コーヒーノキは常緑樹で落葉樹ではありませんが
  「寒さに弱い」とい弱点があって、
  寒風に吹きさらしにあたることで落葉することがあります。
  コーヒー山の場合、本島北部の山岳地帯で、
  しかも標高が約350mもあることで、
  旧暦12月8日の「ムーチーの日」の時期には
  「ムーチービーサ」と呼ばれる沖縄で一番の寒さに
  見舞われる頃には、やんばるの山は
  気温が4〜5℃程度にまで下がりますから、
  移植した苗木たちは今年は特に
  寒さを乗越えてもらわないといけないのです。
  コーヒー山は森林ですから
  吹きさらしの心配はそれほどなく、
  ただ単純に低温で障害が出ないことを
  願いたいところですが、
  沖縄島より北の奄美大島の徳之島でも
  コーヒーの露地栽培が出来ていますから、
  コーヒー山でも克服してくれるものと信じています。


 ・コーヒー山に移植されたコーヒーの苗木は
  新しい環境に根付くことに尽力するのですが、
  地下部分の根と地上部分の幹や枝葉のバランスが悪いと
  葉が黄色く変色してハラハラと紅葉のように
  落葉することがあります。
  極端な場合は全部の葉が落葉することもありますが、
  根付くことを最優先してのやむを得ない処置として、
  しばらく静観すると、ほとんどのコーヒーの木は、
  少しずつ新しい枝葉を出してきて再生してしまいます。
  コーヒーノキは寒さや強風に弱いのですが、
  根付いてしまうと、意外な強さに驚かされます。


キノボリトカゲ0809−3.JPG
 「小さな恐竜・キノボリトカゲ」は、
  木や葉の色に合わせて「擬態」していることが多いです。


キノボリトカゲ0809−4.JPG
 コーヒーの葉から幹に降りてきたところなので、
 擬態色があいまいになっています。
 キノボリトカゲはコーヒーの木にとって、
 害虫・益虫・タダの虫に関係なく
 小さな昆虫などを捕食しています。


キノボリトカゲ0809−5.JPG
 簡易雨水貯水システムの青いペールの中に入り込んでしまい、
 出られなくて困っている
 「小さな恐竜・キノボリトカゲ」です。
 こういう場合の救済策として切り倒した細長い木を入れて、
 出入りが自由に出来るようにしてあるのです。


C「下の葉が大きくなる」
 ・根に異常があるとき、
  例えば移植時に毛根や直根を傷つけてしまったとか、
  根が弱って新しい土壌に馴染めず
  ほとんど根が伸びていないとか、
  土壌の水はけが悪いとか
  アリが住みついたなどで根の調子が思わしくないときに、
  下の葉が大きくなり、葉が薄くなって、
  上の葉が小さくなることがあります。
  これは下の葉を大きくすることで光合成を取ろうとする、
  木の具合の悪いサインで、この場合は木酢液や竹酢液、
  液肥、HB101などを500倍程度で希釈して
  水やりをして様子を見るか、
  思い切って掘り出してみて根の様子を見るのも
  やむを得ないような、
  手を差し伸べないといけない場面なのです。


下葉がやや大きい苗木.JPG
 下葉がやや大きいコーヒーの苗木です。
 新しい環境に馴染むために、根を伸ばそうと
 頑張っているところです。



葉についてのチェックポイントはまだあるのですが、
これはまた次回にしておきましょう。

大回廊・重機の道0910.JPG
 コーヒー山の大回廊・重機の道への苗木移植もほとんど終わり、
 北山山頂からの北側スロープと
 バナナロードに隣接する平坦の林床への
 苗木移植の準備を進めているところです。



今週末に「風の向き」を調べに山に行くつもりが、
やんばるは雨雨続きのために連休明けになりそうです。

Yahoo!のアメダスによると、
与那覇岳のふもとの「比地(ひじ)」の降水量は
12日(金曜)には21mm、
13日(土曜)は27mm、
14日(日曜)は54mm
今日15日(月曜)は午前11時までに1.5mm
となっていますから、
ここから直線距離で5〜6kmのコーヒー山でも
「比地(ひじ)」と同等の充分な降雨量があったはずで、
雨水雨を蓄える森林に生きる動植物は
さらに成長することでしょう。

台風台風は今後東シナ海を北東方向に進むとすると、
コーヒー山での風の向きは「東から西」になりますが、
南山山頂から中山山頂あたりの尾根の防風林が
やや少ないために、
このあたりに植えた苗木への影響が心配されるところですが、
今後はハイビスカスを防風林として補強移植する計画でいます。

コーヒー栽培にとって台風台風は脅威ですが、
「自然には自然なもので対抗する」
というのが私の理念でもありますから、
「ハイビスカスの防風林は1回の台風台風
 葉がほとんど吹き飛ばされるので
 次の葉が出揃うまでの1ヶ月程度は
 無防備状態になるので決して完璧ではない」

としても、
防風ネットなど人工的な対応策は
私の頭には最初から無いのです。

クワズイモ1.JPG
 沖縄ではどこでも自生しているサトイモに似た
 「クワズイモ」で、
 コーヒー山のバナナロードでも自生しています。
 北海道のアイヌの伝説に登場するコロボックルが
 傘にしていたのはサトイモの葉だったか
 フキの葉なのか忘れましたが、
 たしかに臨時の傘になりそうなくらい大きな葉になります。


クワズイモ2.JPG
 食べられないので「不喰芋(食わず芋)」と呼ばれていますが、
 切り口から出る汁に手で触れるとかぶれることもありますから、
 にわか雨でも臨時の傘にはしない方が良さそうです。


クワズイモ3.JPG
 食べられないクワズイモでも薬草になるそうで、
 「出血、切り傷、リュウマチ」などに効くようです。
 根を薄切りにして患部を押えて包帯で巻いたり、
 根の薄切りとうるち米を長時間煮て服用したりという
 効用があるそうです。


posted by COFFEE CHERRY at 12:38| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 移転準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。