2009年04月16日

コーヒー山の「オキナワクロジョウカイ」

コーヒー山は
東洋のガラパゴス」といわれる
神聖な山原(やんばる)の亜熱帯樹林の中にあり
出来る限り自然を残すように配慮しているので
多種多様な動植物が生息していますが、
新しい命が芽生える春になって
いろいろな生物と出会えるようになりましたので
次々に紹介してゆきたいと思います。

林床地の苗木0411−1.JPG
 コーヒー山の最も低地部分の
 林床地に植えたコーヒー苗木です。


先週の土曜日のコーヒー山で
昼食後に1本1本移植したコーヒー苗木の様子を見回って
生育状況を点検いるときに
コーヒーの葉の上で
「オキナワクロジョウカイ」
という小さな昆虫に出会いました。

林床地の苗木0411−2.JPG
 この林床地ではうり坊や
 ノグチゲラにも出会っています。


コーヒー山で出会った珍しい生物の名前や生態は、
当初専門家に聞いていたのですが
最近は図書館の沖縄に棲息する生物の図鑑で
丹念に調べることにしていて、
同時に
「もっと学校で勉強をしていれば良かった」
と反省もしています。

漫湖公園1.JPG
 那覇市の干潟・漫湖はマングローブ林や
 数十種類の野鳥が見られることで有名ですが、
 ヘドロ臭がしますから水質は悪化しているようです。
 この干潟の横の公園の中に「ちょうちょガーデン」があり、
 「オオゴマダラ」を無料で見学出来るのです。


漫湖公園2.JPG
 「ちょうちょガーデン」の中は、
 オオゴマダラの幼虫から蛹(さなぎ)から成虫から全部、
 しかもすごい数を1年中見ることが出来るのです。
 特別宣伝もしてないので観光客はもちろん
 那覇市民だってほとんど知らないと思いますが、
 一見の価値はありますよ。


「オキナワクロジョウカイ」
というのは
甲虫目(こうちゅうもく)という
カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、
ホタル、テントウムシ、ゾウムシなど、
116科、37万種という昆虫の3割が所属している
巨大なグループに属しているのですが、
図鑑に出てくる生物分類は
18世紀のスウェーデンの植物学者リンネが考案した
階層分類法で書かれていて
例えば、昆虫は
 ・ 界(かい=動物界)
 ・ 門(もん=節足動物門)
 ・ 綱(こう=昆虫綱)
 ・ 目(もく=甲虫目)
 ・ 科(か)
 ・ 属(ぞく)
 ・ 種(しゅ)

という7階級を基本として
さらに、それぞれを細分化した階級があるのですが、
「オキナワクロジョウカイ」
は、
「甲虫目(こうちゅうもく)」の中で
 ・ カブトムシ亜目(多食亜目)
 ・ ホタル上科(じょうか)

という分類ですから、
「カブトムシ」の親戚で
「蛍(ホタル)」の仲間なのです。

オキナワクロジョウカイ.JPG
 捕食した小昆虫を食べるのに必死な
 「オキナワクロジョウカイ」という
 蛍(ほたる)の仲間の体長約10mmの小さな昆虫です。
 カミキリムシを小さくしたような姿ですね。
 ガツガツ獲物を食べるだけで動かないので
 「オキナワクロジョウカイ」の画像はこれだけです。


「ホタル上科(じょうか)」
には
 ・ ベニボタル科
 ・ ホタル科
 ・ ホタルモドキ科
 ・ ジョウカイボン科
 ・ ヒョウホンムシ科

が所属していて、
「ジョウカイボン科」
の中に、
「オキナワクロジョウカイ」
がようやく出てくるのです。

オオゴマダラ1.JPG
 オオゴマダラの幼虫です。
 「ちょうちょガーデン」の奥の孵化室では
 多くの幼虫が見られますが、ここに行く途中に
 ヒラヒラ優雅に飛ぶ美しい成虫を
 たくさん見られることで
 不思議に気持ち悪くはないです。


オオゴマダラ2.JPG
 幼虫は次々に葉にぶらさがって
 蛹(さなぎ)になっていますから
 運の良い方は孵化する時に遭遇出来るはずです。
 「ちょうちょガーデン」の入室者は
 ほとんどが小学生以下の子供とその母親です。
 オオゴマダラの幼虫は
 キョウチクトウ科のホウライカガミか
 ガガイモ科のホウライイケマの葉を食べるのですが、
 それらはいずれもアルカロイドという毒性植物で、
 オオゴマダラの幼虫はその葉を食べることで
 毒を体内にため込んで、
 他の動物から捕食されることを防いでいるようです。
 画像では蛹(さなぎ)が黄色っぽいですが、
 見た目は金色のようです。


甲虫目(こうちゅうもく)の特長は、
「甲羅」の“甲”の字を使っているように
成虫は甲羅のように頑丈な前翅(ぜんし=まえ羽)が
その中に折りたたんであるデリケートな
後翅(こうし)を覆って保護していて
飛ぶ時は、中の柔らかい後翅を羽ばたいて、
“ゴキブリ”の飛行をイメージして戴けると
判ると思います。

オオゴマダラ3.JPG
 オオゴマダラは、
 南西諸島から東南アジアにかけて棲息する
 開長約13cmになる日本で最大級のチョウで、
 沖縄では時々ふつうに跳んでいるのが見られます。


オオゴマダラ4.JPG
 オオゴマダラは羽化してから数ヶ月から半年も
 生き続ける長寿のチョウでもあります。


オオゴマダラ5.JPG
 幼虫のときに溜め込んだ毒は成虫も持っていて
 目立つ白黒のZebra体色は毒を持っていることを
 アピールしている警戒色なのかもしれません。
 シマウマは違うのでしょうが。


また、甲虫の仲間は
幼虫ではイモムシ型(またはウジムシ型)をしていて
その後「蛹(さなぎ)」になって
羽化して成虫するという
「完全変態」
をすることも特長的です。

オオゴマダラ6.JPG
 オオゴマダラは見れば見るほど立派なチョウです。

オオゴマダラ7.JPG
 「ちょうちょガーデン」の出入り口から
 外に逃げ出してしまうオオゴマダラもいるのです。



「オキナワクロジョウカイ」
はカミキリムシに似ていますが、
大きさが10mm程度と小さいので
カミキリムシではないのですが、
ジョウカイボン科の仲間やカミキリムシモドキの外見は
カミキリムシにそっくりで図鑑を見るときも
何度も見直しています。

アメリカデイゴ090409.JPG
 漫湖公園では先週デイゴの仲間の
 「アメリカデイゴ」も咲き始めていました。
 蕾(つぼみ)は唐辛子の鷹の爪のような形で
 熱帯の鳥の口ばしのようです。


カミキリムシも
「オキナワクロジョウカイ」
と同様に
カブトムシ亜目ですが
「オキナワクロジョウカイ」
がホタル上科(じょうか)なのに対して
カミキリムシは「ハムシ上科」ですし、
やはりカミキリムシにそっくりな
カミキリムシモドキは
カブトムシ亜目ゴミムシダマシ上科
で、
それぞれはカブトムシの広義の親戚ではあっても
近い仲間ではないのに
姿かたちが似ているということは
「オキナワクロジョウカイ」
やカミキリムシモドキが
カミキリムシに似ていることによって
襲われにくいような外敵からの保護環境が
あるのかもしれませんね。

ジョウカイボン科の仲間は
飛翔力が弱いことで棲息環境からほとんど
離れることがないといわれていますから、
どうやって昨年植えたコーヒーの苗木の葉に
棲息できたのかも不思議ですね。

山原(やんばる)の森林では
クニガミジョウカイもいるのですが、
それは別名「オキナワウスイロジョウカイ」なので
色が違いますし、
また、青みがかった黒色で外見が似ている
「クロジョウカイ(セボシホソナガジョウカイ)」
もいるのですが、
こちらは体長が約7mm程度ですから
「オキナワクロジョウカイ」
と断定したのですが、
良好な自然環境で3〜4月にだけ発生する
“春を知らせる虫”
でもあって
出会えたことを感謝しないといけません。

琉球新報090408.jpg
 4月8日の琉球新聞に
 「南部農業高校でバニラが咲いた」という記事が
 載っていました。


コーヒー山のバニラ090411.JPG
 コーヒー山のバニラがどうなっているのか気になって
 蕾(つぼみ)や開花あとがないかよく見たのですが、
 やはりまだ変化はないようでした…
 画像中央の大きな木に巻きついている
 ツル性植物がバニラです。
 コーヒー山にバニラは4箇所植えましたが
 この画像は北山山麓の北側のものです。


posted by COFFEE CHERRY at 19:26| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒー山の動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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