高木の間の日陰でコーヒーを栽培する農園があります。
これは文献にも書かれています。
熱帯の強い直射日光から
コーヒーの木を守るために行われている
“日陰”栽培の手法です。
コーヒー生産国への視察で実際にこの手法を見たり、
文献で見た方が、杓子定規的に
「コーヒーの木=シェード・ツリー」
と捉えてしまい、
沖縄や本土でコーヒー栽培をするときにも、
“日陰”栽培の手法で栽培している人が見受けられるのですが、
ここで岐路になるのは、
「沖縄や本土でもコーヒーは“シェード・ツリー”なのか

という問題です。
前にも書いたと思いますが、
コーヒーの文献は、
中南米の生産地のことを基に書かれているのであって、
沖縄や小笠原の立場で書かれたものではありません。
そのため、文献はあくまで参考資料であって、
その栽培地域の気候風土や土壌に
大きく影響してくるはずだと思うのです。
“日照”を考えたときに、
沖縄を基準とすると、
本土や赤道付近の熱帯地域との日照には違いがないのでしょうか

植物の生態だけではなく、
情熱や理念・信念にも関係しそうですが、
私はコーヒーやバナナの“北限”である沖縄では、
コーヒーは日陰栽培せずに、
“てぃーだ・かんかん(太陽・じりじり)”のもとで、
サンサンと降り注ぐ直射日光のもとで
栽培すべきだという信念を持っています。
沖縄の直射日光と、ミネラル成分の多い土壌と、
ミネラル成分の多い潮風が、
沖縄のコーヒー栽培に最適であり、
高品質のコーヒーを栽培するための必要条件だと考えています。
熱帯地域で行われている
「コーヒーの木=シェード・ツリー」
という“日陰”栽培手法は、
熱帯地域に適合しているのであって、
北限地域では北限地域なりの手法で栽培するべきだと思うのです。

実は、私も当初は
コーヒーを“シェード・ツリー”として
栽培をしていたことがあるのです。
結果は、「過保護」に似た感じで、見事に病弱になりました。
日陰に長いこと置いた苗木は、
沖縄の直射日光のもとに出すと、葉が焼けてしまうのです。
苗木のうちから、
しっかりと環境に即しながら健康に生育させることで、
病害虫や根腐れなどを防いでゆく過程は、
人間と同じだと理解できたのです。
栃木県はイチゴですが、イチゴの摘み取りは平凡、毎秒数百リットルの熱源を利用して@パパイヤの間にコーヒーを植えつける。春に摘み取り、
高冷地なので夏はイチゴの路地栽培、秋はキノコの短木栽培と考えています。無理せず、ゆっくりと試作しながらの仕事になりそうです。