2006年08月27日

「コーヒー“生産”マイスター」を、「いつか自分自身で授与できるか」という心の中の戦い〜その2

日本では、
なにもドイツのマイスター制度のうわべだけを真似しなくても、
昔から職人の世界には、「親方」が存在していました。

日本国内の各種マイスターの資格をみていると、
・ 名人
・ 伝承
・ 名誉、権威

などの言葉が氾濫(はんらん)しているのですが、
そのほとんどが
「ボランティアではなく、カネ儲けのための資格」
であって、
年功序列式の実際には何一つ機能しない名誉職や
自己満足の世界だったり、
ビジネスに利用するための“肩書き”だったり、
そのための資格商法だったりしているように思えるのです。


キャノンのように、
会社内の生産スタッフの職能としての位置づけとして
・ S級(1級、2級)マイスター
・ レンズ研磨の「名匠」制度

は、社内資格ですから、これは問題ありません。

群馬県では、農村の地域活性化の専門家派遣アドバイザーを
「群馬県地域興しマイスター」
として認証していますが、
“活性化”という単語が出る地域に限って、
その指導的立場にある方々は
“活性化”とは程遠いのが実情ですから、
この資格も、有効に活用されているのでしょうかexclamation&question


(財)日本特産農産物協会は、平成12年度から、
「地域特産物の栽培・加工の分野で豊富な経験や技術を持ち、
 地域特産物の伝承や産地育成を支援する役割を担える人」

ということで、
全国の市町村長、農業改良普及センター等からの
推薦で書類審査し、年間20名程度を、
「地域特産物マイスター制度」
に認証していますが、
地方のJA要職者の年功序列式認証が中心では、
実際に機能しているのか疑問に思えます。

日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が、
「野菜と果実の美味しさや楽しさを伝えるスペシャリスト」
として、
「ベジタブル&フルーツマイスター」
を認証していますが、
これを得ることで、どんな徳があるのでしょうかexclamation&question

同協会は、財団法人でも社団法人でもありません。


沖縄の泡盛でも、
社団法人泡盛マイスター協会による
・ 泡盛マイスター
・ 泡盛アドバイザー

という認証がありますが、
一度取得したら、おそらく年会費か何かを収めれば、
半永久的に更新がないはずです。

こういう職人芸や専門職は、
日々厳しい研究心や向上心がないと、
年々能力や技術が低下するはずだと思うのです。

この資格も、自己満足や
泡盛ソムリエのような飲食店の“商売”としての利用しか
ないように思えるのです。


実は、コーヒーにも
「コーヒーマイスター」
という資格があります。

日本スペシャルティーコーヒー協会が認証する
「コーヒーマイスター」
という資格です。

カリキュラム概要は、
1.コーヒーの生豆
・ コーヒーマイスターの重要性
・ 生豆とは何か
・ 生産地域
・ 生産処理
・ 生豆の見分け方

2.コーヒーの歴史
・ コーヒーの発見伝説
・ コーヒーの伝播
・ コーヒーハウスの広がり
・ 日本のコーヒー

3.コーヒーの産業・経済
・ 栽培と生産過程
・ 取引のしくみ
・ 生産量と消費
・ スペシャルティコーヒーの登場とそれを取り巻く世界の動き

4.コーヒーの産地
・ 気候・地理
・ 栽培地情報
・ 外国でのコーヒーの飲まれ方

5.コーヒーの抽出技術
・ おいしいコーヒーをたてる基本技術
・ 保存法
・ 食器の知識

6.コーヒーの科学と健康
・ 成分
・ 焙煎による成分変化
・ 香気成分
・ コーヒーと健康

という、
一見すると立派な項目が並んでいますが、
一つ一つの項目は、奥行きが相当深いはずですが、
どの程度で妥協しているのでしょうかexclamation&question

また、教授するテキスト内容が、
UCCやKEY、ネスレなど大手が手がけているのだとしたら、
偏った“コーヒー学”が「正しいコーヒー学」ということにも
誤解されそうです。

「コーヒーマイスター」とは、
「コーヒーに関するより深い認識と
 基本技術の習得をベースとして
 お客様へ豊かなコーヒー生活が提案できる
 販売員(サービスマン)を認定する資格」

だそうで、
受講いただける対象は、
日本スペシャルティコーヒー協会の会員に限定され、
同協会が会員企業に対し、
資格取得の為のコーヒーマイスター養成講座を有償で開講し、
受講希望者は、その講座を終了した上で、
認定試験合格者が
「コーヒーマイスター」になるのだそうです。

どうやら、本当にコーヒーに詳しい人が
「コーヒー名人」
になる、
というのと少し違うようですね。

「コーヒーマイスター」資格がないと
独立開業できないわけでもないようです。

この資格は、
「コーヒー生豆を輸入してきて、
 そこからどうお客様に美味しいコーヒーを提供するか」

という考えですから、
私が目指している、
「焙煎以前の安全と品質を極めるコーヒーの生産」
とは、ビジョンが違うんですよね。


この「コーヒーマイスター」資格者がいる店に行くと、
「マイスターが薦めたスペシャリティコーヒーはこちらです」
とか言われて、
店の収益性が高いコーヒーを
押し付けられそうなイメージが湧いてきます。


表題は、
「コーヒー“生産”マイスター」を、
 「いつか自分自身で授与できるか」という心の中の戦い

という、長いタイトルです。

「コーヒーマイスター」の資格には、
生産者専用の資格はもちろんありませんが、
仮にその資格があったとしても、
私はそんな資格には興味がありません。

私は、
「安全と品質を極める国産コーヒー栽培」
で、
妥協せずに、こだわりにこだわり、
極めに極めたいと考えていますし、
「ついに極めた」
なんていうゴールはないはずです。

自分なりの、
遥か高い次元の「生産マイスター」という
漠然とした“努力賞”が、
いつの日か、自分自身で「ご苦労様」と渡せるかどうか、
ということであって、
必要悪のペーパー資格は、私には不要なのです。

例え、お客様をダマすことが出来たとしても、
自分自身はダマすことは出来ないのですから、
コーヒー栽培もバナナ栽培も、
自分自身との戦いで、
敵はなかなか手ごわいのです。

posted by COFFEE CHERRY at 17:06| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-11-23 02:06
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