2006年09月20日

「らでぃっしゅぼーや」のリンゴ回収に、シェイクスピアを想う

「らでぃっしゅぼーや」は、1988年から、
有機・低農薬野菜と無添加食品や
環境に配慮した日用品などの
会員制宅配サービスを行っています。

独自の環境保全型生産基準「RADIX」を制定していて、
全国約2,600軒の契約生産者に
厳格な遵守を呼びかけているはずですし、
契約生産者が使用した肥料や畜産飼料、生産過程など
トレーサビリティに徹底し、すべて情報公開して、
安全性と信頼性の向上に努めているはずなのですが、
そんな立派な理念をお持ちの「らでぃっしゅぼーや」が、
農薬の使用基準に違反したリンゴを販売し、
回収していたことが分かりました。

回収したのは「未希(みき)ライフ」というリンゴで、
有機リン系殺虫剤「サイアノックス(住友化学)」を
使用して栽培していました。

農薬取締法では、
健康への影響がない残留量になるよう
使用から30日以内の収穫を禁じているのですが、
「らでぃっしゅぼーや」の青森県内の契約生産農家は
殺虫剤使用から23日後に収穫していました。

「らでぃっしゅぼーや」は、
生協の2倍以上の高値で有機農産物などを
通販で販売していますし、
立派な理念からすると、相当ナーバスに
安全性やトレーサビリティに徹底しているはずだと
信じてしまうだけに、
今回のズサンな取り扱いには驚かされました。

「らでぃっしゅぼーや」は、このリンゴを、
関東地方などの会員189世帯に
計203sを発送した直後に気づき、
162kg分を回収したそうですが、
一部の会員は、すでに食べた後だったそうです。

「らでぃっしゅぼーや」側は、
 「回収したリンゴから農薬は検出されず
  健康に害はないと考えるが、再発防止に努めたい」

としているようですが、
何だかおかしな話だと思います。

有機リン系殺虫剤は、
かつて使用されていた有機塩素系殺虫剤に比べて、
残留性が低く生態系への影響が少ないことなどから、
より安全性が高いとして、現在広く使われている殺虫剤です。

神経伝達の正常な働きを妨げることで
昆虫を死に至らしめる効果があるのですが、
このメカニズムは動物や人間にも共通なので、
体に取り込む量が多いとき、
あるいは少量でも頻度が高いときには、
免疫低下や自律神経症状などの
様々な中毒症状が現れる可能性がある、
と言われていて、
「BSEの原因」とする論文も出ています。

この殺虫剤を使用するときは、
・ 約1,000倍希釈
・ マスク・手袋・不浸透性防除衣を着用
・ 作業後に手足・顔などを石けんでよく洗い
・ うがいを励行

とありますし、
有機リン系殺虫剤は、
畳やシロアリ駆除剤などにも使われていて、
「化学物質がシックハウスの原因」
といわれている物質にも登場しますから、
毒性は充分にあるのです。

「らでぃっしゅぼーや」は、
今や会員数が約8万人もいる会員制宅配の大手ですから、
発足当時の理念を今一度想い出してほしいものです。


シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』は、
1599年、関が原の戦いの前年に書かれた戯曲です。

紀元前46年にシーザーがローマ帝国を統一した後、
独裁に走ったシーザーを暗殺する前夜に始まり、
シーザーの後継争いの戦争、
その戦いに敗れたブルータスの最後までを描いた悲劇ですが、
暗殺されたときに言い残した、
「ブルータス、お前もか」
というセリフを思い出してしまいました。

理念やビジョンは、実行してこそ意味や意義があるのです。

posted by COFFEE CHERRY at 17:28| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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