2012年10月30日

沖縄でのコーヒー栽培者をタイプ別に考える

沖縄諸島は大小160の島々があり、
そのうち人が住んでいる離島は48あるといわれています。

本島から石垣島までは約411km、
東京を那覇として考えれば、石垣島は神戸の先くらいに相当し
広範囲にあちこちに島が点在しています。
もちろん尖閣諸島も沖縄諸島に属する離島です。

沖縄諸島はハワイと同じ海洋性亜熱帯という、
気候的にはコーヒー栽培が充分出来るのですが、
気象的には“台風”が最大のネックになり、
「沖縄諸島であれば、どこでも自由にコーヒー栽培が出来る」
わけではありません。

また、本島だけを考えても、
一部で島尻(しまじり)マージという中性土壌がありますが、
金武町以北と南部では、大まかに分けると
北部が国頭(くにがみ)マージという酸性土壌、
南部がジャーカルというアルカリ土壌で、
土壌の性質も大きく異なります。
(「マージ」とは“真土”、つまり赤土のことです)

コーヒーは果樹の部類に入りますから、
当然酸性や弱酸性土壌に適しますが、
酸性土壌の国頭マージにしても、
大きく分類しても13種類もあるのです。

また海岸沿いでは台風での塩害がありますから、
こうなってくると、気候的にはコーヒー栽培は可能であっても、
土壌や地形、方位なども含めた
「適地適木」
という考え方が必要になるのですが、
これについては、後日書きたいと思います。

今日は、沖縄でコーヒー栽培をしている生産者を
タイプ別に考えてみることにしましょう。

アサギマダラ20121029-1.JPG
 日本本土と南西諸島、台湾といった長距離を往復するアサギマダラです。
 リュウキュウアサギマダラとはまた違うのですが、
 翅の模様が綺麗で、思わず見とれてしまいます。


アサギマダラ20121029-2.JPG
 渡りの調査研究者が翅に日付や研究者の略名、採集場所などを
 英数字で書いたアサギマダラも見かけますが、
 昨日コーヒー山で撮影した蝶には
 何も書かれていないようでした。


JAは一種のフランチャイズのようで、
本部が儲かる仕組みになっていますから、
農家がどんなに頑張っても
「豪邸を建てた」という組合員は
私は聞いたことがありません。

生産者主体の組織には思えないので、
「10年も20年かかっても沖縄ブランドのコーヒーやカカオを作ろう」
という考え方は出てこないようです。

沖縄産バナナは、施肥しなくても、危険な農薬なんか散布しなくても
県内ではどこでも栽培可能ですが、
ちょうどバナナが美味しい時期に台風が来るので、収量が不安定になり、
JAでは県産バナナも敬遠がちです。

バナナは風速20mで倒壊してしまうので、
今年は8月下旬以降の大型台風3連発で、
私のバナナ園もそうですが、県内の大多数のバナナが倒壊してしまいました。

ところが、台風後の市場には、
バナナを持ち込む生産者がいるのです。
落下バナナではなく傷みがない房を出されている方が数人いたのです。

そこでは防風対策がなされているから
大型台風でもバナナが収穫できているのです。
もちろん路地栽培の方もいるはずで、
私はこういう方の防風対策を直接見聞して、
コーヒー栽培にあてはめて考えたいのです。

沖縄では、こういう素晴らしいノウハウを伝えたり
継続したりするのがヘタです。
県産バナナはフィリピンバナナなど海外産に比べて
確実に安全で美味しいのですから、
やり方によっては、本当はもっと拡販されるべきなのに、
その良さが伝わらないのは、とても残念なことです。

沖縄でのコーヒー栽培は、
JAでも無関心、JAに従順な県も当然のごとく無関心です。

県の農水部におけるコーヒー栽培の管轄部署は、
野菜や果樹を管理する園芸振興課ではなく、
「さとうきびとその他」を管理する糖業農産課であることからも
コーヒーに無関心なのは明らかです。

もう10年以上前のことですが、
私が県の、その時は糖業課だったかな、そこで
「沖縄でのコーヒー栽培に関する資料がほしい」
というと
「県内では小規模すぎて統計にまとめていない」
という返答なので、
「コーヒー栽培について知っている方は?」
というと、
「詳しい人はいないし、ここはさとうきびが主体の課なので、
 種々雑多の農産物の調査まではとてもやっている時間は無い」

という、お決まりの言い訳の返答、
民間語に和訳すると
「コーヒーなんか関心ない」
という意味なのです。

そういうわけで、
県も農業試験場もJAも無関心のコーヒー栽培を、
発芽するまででも1〜2カ月、初収穫まででも5年以上かかり、
それを脅威の台風が襲来する土地で作るということは
良い意味でも悪い意味でも、
一風変わった人しかやらないのは至極当然かもしれません。

三途の川の賽の河原では、小石を積み上げて塔を作ろうとすると
絶えず鬼に崩されるのですが、
やがてそこへ地蔵菩薩が現れて子供は救われます。
失敗を積み重ねながら、3歩進んで2歩以上下がるような
微々力前進をしているコーヒー栽培者は、私以外にもいます。
いつか地蔵菩薩が現れなくても、
次の世代に託せるような土台を創り上げられる日が必ず来ると
私は確信しています。

横倒しのコーヒー20121029.JPG
 コーヒー山では、まれにこういった倒木が
 コーヒーを横倒しにしまっていることがありますが、
 こういう場合は、倒木を持ち上げれば、
 コーヒーは元に戻ろうとしますので、直すのは簡単なのです。
 幹が折れてはいません、というより、
 細いから簡単に折れるようで、なかなか折れません。
 直し方は、根元を踏み固めるのではなく、
 幹を垂直に戻して、あちこちに落ちている枝などで
 幹を支えてあげるのです。
 場合によっては根元に土を補充しますが、
 靴裏でパンパンと踏み固めると根切れを起こす可能性があり、
 また根の呼吸を阻害させる要因になりますから、
 根元を踏み固めることはしないのです。


県内のコーヒー栽培者は
それぞれで理念や方針、栽培方法が違いますが、
大まかに分類すると、下記のようになります。

1あくまで純粋な沖縄産にこだわる
「海外産と混ぜると意味が無い」という、徹底して沖縄産にこだわるタイプ。
ここでは下記のようにさらに2つに分かれます。
 @ 良いモノ作りを目指す
  同じ作るなら最高の、究極の豆を作り上げようという考え方で、
  私以外にもいますが、かなりの少数派です。
 A 実が出来さえすればいい
  沖縄産にこだわるほとんどの生産者はここに該当します。
  「とにかく実さえ出来ればいいんだ」という考え方です。
  自分では作らず、人任せにするブローカー的なのもここに入りますが、
  生産者が複数いて、その実を混ぜこぜにしてしまうなら、
  品質的には安定しないはずですが、
  こういう人に限って「こだわり」や「限定」などを誇張して
  うまく使い分けするようです。

2海外産とブレンドOK
 焙煎機を持っていたりカフェなどの店舗を経営していて、
 コーヒーは栽培するけど、海外産とブレンドすることを
 前提にしているというタイプです。
 ここでも下記のように二分します。
 B ブレンドであることを正直に公表する
   沖縄産は少量生産のためということもあるでしょうが、
  「味を良くするため」にブレンドする、という考え方で、間違ってはいません。
 C 海外産とのブレンドは伏せ、自称「沖縄産100%」と偽装する
   農園があちこちに分散しているような見せ方をしたり、
   その場しのぎの適当な数字で説明しながら、
   本当は大量の海外産で水増しした豆を「沖縄産100%」と言って売る人が
   ほんのひと握りですが実際にいるのです。
   これはもう詐欺で、いつか自業自得の結果に陥ることになると思いますが、
   沖縄産コーヒーの信頼を損ねる行為なので、とても迷惑な存在なのです。
   いつか塀の中に入るか、閻魔様に舌を抜かれることでしょう。
   また、こういう人に限ってイニシアチブを取りたがるんですよね。
   山城先生や和宇慶先生、足立浩志さんは探究心旺盛で謙虚でしたけど、
   真反対な人です。

また、栽培者ではないのですが、
3沖縄ではコーヒー栽培はムリ派
という方々もいます。
 D「コーヒーは熱帯地域で生産」というコーヒーベルト論を盲信し、
  「コーヒー豆は既存の熱帯産が一番」と思い込んでいる

   仏教徒にキリスト教やイスラム教の信仰を勧めてもムダなように、
   沖縄産がいかに安全に作れるとか鮮度の違いを説いても、
   議論、討論で解かり合うことはなく永久に平行線なので
   お互いに距離を置いて、お互いに相手にせず、
   お互いに「Going my way」が一番なのです。
 E 過去コーヒー栽培にチャレンジしたものの失敗した人たち
   一度や二度の失敗で退散し「沖縄ではコーヒー栽培はムリ」というのは、
   私から言えば「負け犬の遠吠え」にしか聞こえません。
   ムリだと思ったらそれまでなのです。
   即席ラーメンをつくるようにはいきません。
   簡単に早期に出来るなら誰でも栽培しているはずです。
   難関だからこそ挑戦する価値があるのです。

県内でのコーヒー栽培者のタイプ別分類は上記の通りです。
@〜Bまでの栽培者には、どうか温かく見守っていただければ嬉しいです。

オスプレイ20121029-1.JPG
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイです。
 米軍普天間飛行場に配備され、
 県内25市町村の上空を日常的に飛行していて、
 昨夕は国頭村上空も、何度も円を描くように大きく旋回していました。
 とにかく速いので、なかなか撮影出来ません。
 ものすごい飛行音です。


オスプレイ20121029-2.JPG
 オスプレイの下側です。説明しないと何だかわかりませんよね。
 画像下は十字架ではなく、コンクリの柱から出た錆びた鉄骨です。
 もし墜落するなら海上で落ちてほしい。
 政府専用機にお奨めです。
 政府や官僚の家族もいつでも自由に乗れるパスを発行したらいいです。

posted by COFFEE CHERRY at 15:14| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内のコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/299624781
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。