2007年01月09日

農薬の大気汚染の被害は、人だけではない

微量の農薬吸入による健康影響を指摘する研究報告が
海外で相次ぎ、住民の不安が高まっていることで、
環境省は、散布された農薬を吸い込むことで
人の健康に悪影響が出るのを防ぐための
対策を講じることを決め、
空気中の農薬濃度の基準値づくりなどの
検討を始めたことが報道されました。

国は農薬による健康、環境被害を防ぐため、
個々の農薬について、
農作物や河川水中などの残留基準を定めていますが、
空気中に飛散した農薬については対策が取られていないので、
初の本格的な農薬大気汚染対策になるのだそうです。

「今まで、そんなこともやってなかったのexclamation&question
と、今までの無策ぶりに落胆してしまうような
不手際で、ガッカリしてしまいますね。


空気中に飛散した農薬の影響は、
単にヒトだけでなく、ペットについても同様です。

特に、犬への影響は多大です。

沖縄では犬を放し飼いにする、
モラルに欠ける飼主が多いのですが、
犬が畑に入って、農薬に冒されて死ぬことが度々あります。

また、私の住んでいる地域は農村では、
99%以上の農家が農薬を使用していますが、
汚染された土壌が雨で道路に流れ出ますので、
犬をふつうにロープでつないで飼っていても、
散歩では足の裏に農薬が付着したり、
あるいは、街路樹の下の雑草や道路沿いの雑草に
除草剤散布をしたことを知らせる条例がないことで、
飼主が知らないうちに、犬が雑草に入り込んだりして
いつのまにか犬の身体に除草剤が付着し、
帰宅後犬が身体を舐めて除草剤に犯されたりするケースも
多いはずです。

近辺では、細菌兵器の映画に出てくるような、
大げさな防護服や防毒マスクを着用して
農薬を散布している光景も見かけます。

それほどの猛毒・劇薬なので、
虫や病原菌にも効くのでしょうが、
そこで生産された農作物は、はたして安全なのでしょうかexclamation&question

このあたりは、消費者の“価値観”の問題ですよね。

「国が大丈夫だと認めている農薬なんだから、食べても大丈夫だ」
という人もいるでしょうし、
「口に入れるものなのだから、
 “安全”を重視した栽培法で生産した農作物でないと
 “安心”できない」

という人もいて、
それは、もう個人の“価値観”の問題なわけですね。


沖縄では、7月〜8月上旬にかけて、
ハウスでのマンゴー栽培が盛んですが、
そこでの農薬(殺虫剤)の凄まじさは、
1度見ると、マンゴーを食べれなくなるはずです。

トイレや物置ほどの狭い室内にリンゴを置いてバルサンを焚き、
数時間後にそのリンゴを食べられるでしょうかexclamation&question

私は、それまでマンゴーが好きでしたが、
そういう理由で昨年から食べるのを止めました。


農薬は、ヒトやペットだけでなく、
農薬を使わないで栽培する非農薬栽培農家にとっては、
飛散した農薬による圃場の汚染も
深刻な問題になっています。


平成13年4月にJAS法が改正されましたが、
「有機農産物検査認証制度ハンドブック(改訂版)」
という、104ページに及ぶガイドブック
の、
ほんの一部分を抜粋してご紹介しましょう。

3.生産の方法
 3.1  圃場の条件
 3.1.1 転換期間(2頁目)
 有機農産物を生産するには、
 基準を満たした圃場で栽培されなければならない。

 有機栽培をする圃場には転換期間が必要で、
 例えば果樹のような多年生の作物であれば、
 収穫前3年以上有機栽培を実施して初めて
 収穫物に「有機○○」と表示することが出来る。

 有機JAS規格に定められた圃場の条件は次の通りである。
 ・ 多年生作物(果樹、お茶、アスパラガスなど)
   転換開始から、最初の収穫までに、3年以上経過していること


コーヒーは多年生作物になります。


 3.1.2 隣接地からの飛散等の防止(3頁目)
 栽培する圃場が3.1.1の基準を満たしたとしても、
 隣の圃場からの農薬や化学肥料の飛散・混入があったのでは、
 有機農産物の栽培が可能な圃場とはいえない。

 そのために次のような基準を満たさなければならない。

 ・ 周辺からの使用禁止資材
   (規格で認められていない肥料、土壌改良資材や農薬)
   が飛散しないように明確に区分されていること



さらに、26頁目からは、

第2節 生産の方法
1. 圃場の条件
 1.1 圃場などの基準
 有機農産物を生産するには、「使用する圃場」に基準がある。

 単にその年だけが無農薬・無化学肥料による
 生産であってもその農産物は有機とは認められず、
 使用する圃場の過去の履歴が問われるからである。

 また、自らの圃場で有機栽培を実施していても、
 周囲から農薬等が飛散・混入したのでは
 有機農産物とはいえず、これについての基準も定められている。

 1.1.1 隣接地からの飛散等の防止
 (1)一般的な方策
 使用する圃場の1つめの基準は、圃場の「物理的条件」で、
 隣接地からの飛散等がないことが必要とされている。

 有機JAS規格には圃場等の条件について以下のように定めてある。
 @ 周辺から使用禁止資材(規格で認められていない肥料、
   土壌改良資材や農薬)が飛散しないように
   明確に区分されていること
 A 「水田」のことなので省略

 「明確な区分」の仕方は、
  それぞれの圃場環境によりまちまちである。

 まず、有機栽培の圃場と、有機栽培でない圃場が、
 畦(あぜ)などで明確に仕切られていることが前提となる。

 仕切りのない1枚の圃場を半々にして有機と非有機の栽培をする
 ということはできない。

 これに加えて、隣接する圃場で農薬など
 有機農産物の生産で禁止されている物質を
 使用している場合には、
 それらの飛散により有機圃場が影響を受けないような
 対策をとらなければならない。

 これを検討するうえで確認すべき項目としては、
 次のような事項があげられる。
 ・ 隣接の圃場では、どのような作物が
   どのような栽培方法により作られているのかexclamation&question
 ・ 隣接の圃場で何か禁止資材を使っているのか、
   またその資材は飛散しやすい資材かexclamation&question
 ・ 隣接の圃場との高低差はどのくらいか、
   また風の強さや向きはどのくらいかexclamation&question
 ・ 隣接耕作者とのコミュニケーションは良好かexclamation&question
   (有機の圃場に農薬等がかからないような
    協力をしてくれそうかexclamation&question

 よく行われている方法として次のような例があげられる。

 (隣接地からの飛散等の防止対策の例)
 ・ 隣接地との間に充分な広さの道をつくる。
 ・ 充分な緩衝地帯の確保
   (隣との距離を○○メートル以上離して作付けするなど)
 ・ 緩衝地帯に別の作物を栽培する
   (その作物は有機として販売しない)
 ・ 防風ネットや生垣を作るなどの植栽の設置
 ・ 境界部の土手や畦畔の管理の請負
   (畦畔の草取りを共同管理にせず、
     自分で除草剤を使わずに実施するなどの方法)


 認定機関によっては、緩衝地帯の設置
 (隣の圃場と一定の間隔をおく、
  物理的障壁をおき隣接地からの飛散等を防ぐなど)
 を一定のメートル数で義務付けているところがあるので、
 認定を受ける認定機関の方針も併せて参考にする必要がある。



と書かれていて、
私の知人が属している認証機関の方針では、
「農薬を使用する圃場とは、最低6m以上離れていること」
となっていますが、
それでも、風向きによっては飛散の影響があるそうです。


世界各国でも「農薬基準」や「有機」認証があるのですが、
これが各国バラバラの基準なのです。

「有機」認証が世界共通というなら、まだ安心なのですが、
「有機」認証されている、あるコーヒー農場で、
除草剤が使われている国も、実際にあるのです。


posted by COFFEE CHERRY at 14:35| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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