2013年02月28日

新たな試み

旧暦1月16日に当たる3日前の月曜日は、
沖縄では
「ジュ―ルクニチ(十六日祭)」
という、
亡くなった人たちのグソー(あの世)のお正月の日でした。
沖縄は祭事・慶事がとても多く、
また娘の産後の肥立が良くないので、
うっかり見過ごしてしまいました。

沖縄におけるコーヒー栽培の問題点というと、
台風による被災や沖縄の気候や土壌環境に最適な品種選択ももちろんそうですが、
これらについてはまた後日記述するとして、
今日は
「コーヒーは桃栗三年柿八年の世界で、とにかく時間がかかる」
という問題について考え、
またある新しい試みを始めましたので
今日はそれについて記述します。

2012年5月上旬のコーヒー双葉20130228.JPG
 コーヒーをタネ植えすると、まず土中で根を出し、
 その根と幹がタネをモヤシのように持ち上げて、
 子葉を出す、つまり最初に出す2枚ペアの双葉を開きます。
 この段階では、コーヒーの生長としては
 「まだ根が出ただけ」
 という段階です。
 生まれたばかりの魚の稚魚は、おなかに大きな卵黄を抱えていますが、
 それと同様に、双葉にはタネが持っていた栄養分がそのまま入っています。
 双葉の役割は、その次に出す本葉を発芽させることで、
 本葉を出すと双葉の役割を終えて、双葉はほどなく黄色くなって葉を落とすのです。
 本葉が栄養を溜めて、主幹や枝葉、つぼみを作り花を咲かせ実をつけるという
 その後の生長を見届けることなく枯れてしまう姿には
 「ものの哀れ」の哀愁を感じてしまいます。
 この画像は昨年5月上旬に撮影したものです。


一般に、コーヒーノキは
「タネ植えから初めて開花させ、初めて収穫出来るまで約5年必要」
といわれ、
沖縄でもおおむねその通りなのですが(品種によって微妙に違う、ハワイ種はやや早い)、
「そんなに長く待てない」
という対策として、
「タネ植えから発芽などをカットして、てっとり早く苗木を調達し、そこから始めればいい」
といった安直な考えがふつう頭に浮かぶものです。
実際に私もそうした時期がありました。

最近、沖縄ではなぜかコーヒー栽培ブームになり、
セミナーや講演が行われるようになって、
コーヒー苗木は、奪い合いの様相を呈しています。

たしかに苗木が入手できれば、
苗木を定植して元気に生育させられれば
「収穫期が早まる」
のですが、
ここでも問題なのは、
「その苗木の品種はなに?」
「その苗木は、そもそも元気なの?」
「そのポットの土の種類は?」
「何年苗木なの?」
「タネは状態がよく元気だった?」
「苗木の根はどうなっていると考えられる?」
「その苗木は日なたに置かれていたの?日陰に置かれていたの?」

といった、
栽培環境や品種などを熟慮せず、
ただ苗木の入手だけが目当てであれば、
その結果は、都はるみの「好きになった人」の
歌詞のフレーズのようになってしまうのも必然といえるのです。

また、運よく元気な苗木を入手したとしても、
それを定植する適期や移植方法、植える場所の適否、防風対策の有無など
いろいろな課題があるのですが、
どうもコーヒー栽培を簡単に考えている方が多いように見受けられます。

「桃栗三年柿八年」
原田知世主演映画『時をかける少女』に出てくるセリフでは、
この後、
「ゆずは9年で成り下がり、ナシの馬鹿めは18年」
と言うのですが、
コーヒーも10年くらいのところに混ぜて欲しいくらいの辛抱さが不可欠なのに、
「早く、しかも楽に」
という楽観的で、価値観より損得を第一に考えた参入者の方々は、
過去、例外なく挫折して去っていきました。
こういう人たちの共通点は、
「石の上にも三年」
何事にもとにかく時間がかかる、という考えが欠如していることです。

数えきれないくらい失敗を繰り返しても、
私がバカだからだとあきらめず、
しぶとさだけが取り柄の私ですが、
ひと頃熱中していた、
「こぼれタネから自然に発芽した自生苗」
も、
その後の生育に難があることが判り、この方法も断念し、
「時間がかかっても、苗木はタネ植えからつくるのが確実」
という初心に立ち返るに至りました。

その後、
香川県のブルーベリーの有機栽培の西園寺さんや
岐阜県の中山さんの助言もあり
「苗木は3年目までに、いかに元気よく生育させられるか」
という考え方に、私もようやく目覚め、
豚糞堆肥を一部で使い、堆肥を使わないものと比較テストを始めました。
最初の投入はまだ先週のことです。

私の現在の環境では、
鶏糞の入手は困難というより、鶏糞は使わない主義なので、
牛糞か豚糞堆肥が対象になりますが、
豚糞の方は、地主の好意で、タダで無制限で入手可能なので、
豚糞堆肥を使うことにしました。

すでに約2年を経過させた、完熟豚糞堆肥で、
すでに雑草が生えだしているので、使用に問題はありません。

この完熟豚糞堆肥に国頭マージと腐葉土を混ぜ、
定植した苗木と、苗木ポットの一部に
ひと握りずつ主幹の周囲に撒きました。

コーヒー苗木20130227-2.JPG
 豚糞堆肥と土、腐葉土を混ぜて、
 1つかみをポリポットに投入しました。
 この上にさらに落ち葉をかけたら完成です。
 この苗木は、発芽後約1年2カ月目を経過しました。
 コーヒーの生育は時間がかかります。


コーヒー苗木20130227-1.JPG
 節間も短く、元気なコーヒー苗木です。
 まだ双葉が最下部に残っていますが、
 本葉を出して役割を終えているので、じきお別れですね。
 安倍政権がTPP参加に焦っています。
 日本を米国の51番目の州にしようとするなら
 そればもう売国奴のすることだから個人で亡命したらいいと思います。
 畜産業は、すでに穀物価格の高騰と円安で配合飼料も高騰しています。
 養豚では豚価格の半分以上がエサ代なので、
 我が家近郊のやんばるの養豚や牧場ではリストラはもちろん、
 頭数制限までしている状況です。
 これではTPPに参加する前でも廃業が続出するかもしれません。
 昔は「年寄りや弱者はいたわれ」と教えられたものですが、
 小泉政権以降は「弱者はヒトにあらず」というように変わりました。
 食糧は戦略物資ですから、余っている時は買えますが、
 天災や紛争などがあったら日本を最優先に輸出してくれる国なんかないはずです。
 富国強兵を目指したいなら自給率向上も目指すべきなのに…、
 大手新聞やマスコミは新政権を褒め称えるばかりで、
 またそれにだまされる一般庶民も大勢いて内閣支持率も上がり、
 前政権もよど号事件の犯人たちが政権をジャックしたようで最悪でしたが、
 新政権も最悪です。



後日、経過が良好であれば、
完熟豚糞堆肥はすべての苗木ポットに投入していこうと考えています。

堆肥を施す理由は、
 @ 保水力が高まり、水分を吸収しやすくなる
 A 土中に適度なすき間が出来て排水性が高まり、通気性もよくなる
 B 微生物が活性化してミミズも増えて、堆肥自体が分解され、
   窒素やリン酸、カリウムといった植物に不可欠な成分が生まれ、
   毛根から吸収しやすいように分解される
 C 細かく密集していた土の粒子が、微生物の働きで団粒という塊りにまとまる
 D 団粒も適度な保水力を持ち、排水性と通気性を良くし、根が伸びやすくなる

といったところです。

畜産堆肥には、
「牛糞堆肥、豚糞、鶏糞」
の3種類があります。

養鶏ではワクチンや抗生物質などの薬を投入していますが、
鶏はエサの6割を未消化で排泄してしまうので、
私はその堆肥は土壌汚染化を危惧して使いたくないのですが、
鶏糞堆肥の長所は、窒素リン酸カリともバランス良く含まれ、
肥料成分が豊富なため完全な肥料であり、
また施しすぎると窒素過多などの障害が出るので
土壌改良資材としては考えてはいけない、というのが特長で、
沖縄では長く効果がある肥料として使う農家は多いです。

牛の飼料はほとんどが植物由来のために
窒素が主な成分でリン酸やカリは少なく肥料成分もあまり多くないので
土をフカフカにした土壌改良として葉野菜栽培向き、
というのが牛糞堆肥の特長です。

雑食性の豚の豚糞堆肥には
牛糞堆肥に比べてNPK(窒素、リン酸、カリ)を多く含むし、
Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)なども含み、
C/N比(炭素と窒素の比率)も小さくて、
有機肥料としては効果が高く、野菜や果菜に向くので
豚糞完熟堆肥はコーヒー栽培の、特に苗木の生育には適していると思うので、
今回の比較テストでの使用には問題がないはずです。

それでも厳密に考えると、養豚の配合飼料には
遺伝子組み換え農産物が入っているでしょうし、
抗生物質だって投与されているかもしれないし…、
そう考えると、畜産堆肥は苗木生育過程での一時的なもの、と考えたいところです。
であるなら、苗木の3年目程度までの使用であれば、
硝酸性窒素などの問題もそれほどでは無いように思いたいところです。

沈黙の春20130228.JPG
 1962年、アメリカの海洋生物学者レイチェル・カーソンが、
 DDTなどの毒性と残留性の強い農薬による危険性を訴えた本です。
 AMAZONの中古本で1円で買えました(本代は1円でも送料は250円かかりましたけど)。
 有吉佐和子の「複合汚染」も毒性の強い農薬の危険を警鐘しましたね。
 硝酸性窒素(発がん性物質)はWHOやEUでは基準値が設けられているのに、
 日本では基準値が無く野放し状態なのです。
 硝酸性窒素の増加の理由は肥料にあります。
 「緑色の濃い葉野菜」を要望する消費者が悪いのか、
 窒素成分が多い肥料を使う農家が悪いのか、売り先が悪いのか、
 よく判りませんが、葉野菜は緑色が濃いから安全ではなく、
 有機栽培だから安全では無いのです。


コーヒー山の中高木20130227.JPG
 冬期ということもありますが、
 やんばるの照葉樹林の、覆うような樹勢にはほど遠い
 空も見えて寒々とした光景です。
 昨年、一昨年と大型台風が直撃したことで、特に照葉樹林が弱り、
 シイ系のダメージはドングリ不足を招き、
 イノシシがエサ不足で農地に出没したり、
 野鳥も果樹の実が不足して困っている、
 ということにも影響しているのです。


どうも娘の産後の肥立ちが良くないので、
当分はお手伝いなどが必要かもしれません。
posted by COFFEE CHERRY at 16:52| 沖縄 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも、拝見させて頂いています。

 僕も出来るだけ、コーヒー栽培の事を勉強して育成を頑張ります。
Posted by ピュアキャッスル at 2013年03月02日 09:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/334754570
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。