2014年01月08日

マルハニチロ系のマラチオン混入事件は「木を見て森を見ず」〜3-1

食品大手マルハニチロホールディングスの子会社
アクリフーズ群馬工場で製造された冷凍食品に、
農薬マラチオンが意図的に混入され、
被害者地域が広範囲に及び、
年末から世間を騒がせています。
沖縄でも被害者が出始めています。

マラチオンは、
ダニ、アブラムシ、アザミウマ、ウンカなどに即効性があるとされている殺虫剤として、
「マラソン」と呼ばれることもあり、
ホームセンターや園芸店では「マラバッサ乳剤」という名称で売られていて、
誰でも自由に買えることが出来るのです。

食品製造ラインでは有機リン酸系農薬なんか使うはずがないので、
誰かが悪意を持って故意に混入させたことは間違いなさそうですし、
犯行現場は包装工程らしいので、
そこに出入りしている関係者の中に犯人がいるとするなら、
事件自体の解決は近そうです。

この工場での生産は市販用と業務用の商品を合わせて
年間8000万パックに上り、
回収対象は640万パックになっているそうです。

 8000万個÷365日=日産21.9万個
 640万個÷21.9万個=29.22日
約1カ月前の製造出荷分を回収対象にしているようですね。

回収といっても卸や販売店舗だけではなく
いつ頃買い置きしたのか不明の消費者宅の冷凍庫も対象になるし、
その後の信頼回復までを考えると
企業としては今後極めて深刻な問題になりそうです。

似たようなことは6年前の2008年にもありましたね。
JTグループの食品会社・JTフーズが、
中国の天洋食品が製造した餃子を輸入し、
日本生活協同組合連合会(生協、CO−OP)が販売し、
この冷凍餃子を食べた方が下痢や嘔吐など激しい中毒症状を訴えて
日本中を震撼させた、あの中国製ギョーザ中毒事件です。
事件後、JTブランドの冷凍食品は販売不振になり、
冷凍食品部門を加ト吉に譲渡するに至りました。
名前を変えて信頼回復を急ぐのではなくて、
「JTグループがどう変わったのか?」
が、信頼回復につながるはずですが。

この時の混入農薬も、メタミドホスなどの有機リン系殺虫剤でした。
マラチオン殺虫剤は誰でも買えますが、
メタミドホスは、日本では毒性が強いと判断されて農薬登録に至らず、
使用禁止、というより入手は困難です。
海外では農業用殺虫剤として(効能はマラチオンと同等)、
中国、米国、南米、オーストラリアなどで、かつて広範に使用され、
中国でも毒性が強いとして2003年に使用制限、
2007年に中国全域で農業での使用と販売を禁止、
2008年に前述の「ギョウザ中毒事件」があり、
2009年以降は輸出品も含めてメタミドホスの生産が禁止されたものの、
まだまだ中国では既製品はあちこちに無造作に置いてあるようですから、
また知ってか知らずか使われて、いつか問題になることでしょう。

今から19年前の1995年(平成7年)3月20日に、
国家転覆を目論んだ麻原彰晃(被告)率いるオウム真理教軍団が
東京の営団地下鉄で使ったことで有名になった「サリン」もこの有機リン系です。
毒ガス兵器で有名なVXガスも同様です。
言ってみれば、マラチオンやメタミドホスという物質は、
サリンやVXガスの親戚なわけです。

ちなみに致死量では、LD50が
・サリン  0.1〜0.01(mg/kg)
 (ガスとしての致死濃度は1㎥あたり100mg)
・VXガス  0.015(mg/kg)
 (ガスとしての致死量は1㎥あたり0.15mg)
・メタミドホス  10〜30(mg/kg)
・マラチオン  250〜600(mg/kg)


この聞きなれない「LD50」というのは
「急性毒性半数致死量」(単位「mg/kg」)
といって
いくらなんでも致死量の人体実験は出来ないので、
ラットやマウスなどの動物実験を行うのですが、「LD50」は
「実験動物に毒物を投与したときに、半数が死亡する体重1kgあたりの用量(mg)」
をいうようで、
LD50値は、毒性を示す用量による表示ですから、
値が小さいほど毒性が高いことになります。

「1kg中に○mg配合されている」
というのを○mg/kgと表示します。
1mg/kg=重量での含有率100万分の1(=1ppm)、1kg=100万mg、
昨日7日のNewsでは
「昨年10月5日製造の「チーズがのび〜る!グラタンコロ!」の衣部分で
 2万6千ppmのマラチオンを検出」
と書いてありましたから、
この衣部分のマラチオンは38.5mg/kg、
マラチオンの致死量は250〜600 mg/kg、
つまり「死にはしないけど、かなり危険」といえるでしょう。

LD50には、
皮下注射・筋肉注射・静脈注射・腹腔内注射・経口投与などがあり、
それぞれで数値が異なり、また動物によっても数値が違うようですから、
あくまで目安のアバウトな数値です。
ちなみに、ヘビ毒の毒性比較をする場合には、
咬まれたことを想定して、皮下注射で動物実験をするようです。

さて、その皮下LD50で比較する「日本三大毒蛇」の毒性は次のようです。
当然ながらLD50の数値が小さいほど毒性は強いことになります。

日本三大毒ヘビ
・ヤマカガシ  5.3 (mg/kg)
・マムシ  16 (mg/kg)
・ハブ  54 (mg/kg)
(毒性はヤマカガシが一番強く、マムシの約3倍、ハブの約10倍の強い毒性がありました。
 ハブ毒が最強と思っていましたから意外でした。
 ちなみにコブラ毒は0.5 mg/kgでヤマカガシの10倍、ハブの108倍と、さらに強烈です。)

天然毒素
・ボツリヌス毒素  0.00000032(mg/kg)
・テトロドトキシン(フグ毒)  0.0085(mg/kg)
・ニコチン(タバコ)  24(mg/kg)

医薬品
・ジギタリス  0.4(mg/kg)
(ホームセンターや園芸店で草花として売られていますがいいのかな?
 スズランも0.30mg/kgで猛毒ですよ。)
・モルヒネ  120-250(mg/kg)
・アスピリン  400(mg/kg)

食品
・カプサイシン(唐辛子の辛み成分) 60-75(mg/kg)
(唐辛子には1gあたりに3mgのカプサイシンが含まれているので、
 体重50kgの人が3000mg以上摂取すると命の危険がある、
 つまり1kgの唐辛子を食べると危険ということになりますから、
 キムチはそこまで食べないでしょうけど、
 カプサイシンダイエットは、サプリメントでは
 早期効果を期待して大量に飲むと危険が伴うということはいえそうです。)
・カフェイン  174-192(mg/kg)
・食塩  3,000-3,500(mg/kg)

さて、ここでカフェインが登場しました。
カフェインも多量に摂取すると死に至るのですが、
コーヒー=カフェイン
ではなく、
純粋なカフェインという物質としての話なので心配はいりません。

カフェインはアルカロイドという、植物の毒ですが、
人間には覚醒作用や解熱鎮痛作用があり、
眠気、倦怠感、頭痛に対する効果があることは間違いないので。
何にでも言えることですが
「百薬の長も、摂り過ぎは百毒になる」
ということなのです。

「LD50=174mg/kg」
は、
「体重1kgあたり174mgのカフェインを摂取すると、
 50%の確率で成人が亡くなる」

という意味ですから、
体重50kgの成人では、
174mg×50kg = 8700mg = 8.7g

料理やお菓子作りの時に、
大さじ、小さじとか出てきますが、
この量の目安は、
・小さじ 5g(すりきり一杯)
・大さじ 15g
といわれているので、
「体重50kgの成人は、カフェイン8.7g、小さじ大盛りで、50%の確率で亡くなる」
というのです。

コーヒーのカフェイン含有量は、
全日本コーヒー協会のHP資料によると
「コーヒー100mlには約60mg。紅茶、煎茶などにも含まれています。」
と書かれています。
(玉露は100mlあたり約120mgとコーヒーの2倍!)

「コーヒーカップ1杯は何グラムか?」
というと、
・エスプレッソカップ 20〜30cc
・デミタスカップ   60〜80cc
・レギュラー  100〜120cc
・マグカップ  180〜220cc
・カフェオレボウル 220〜250cc
などと、カップによって容量は違いますが、
私はマグカップで飲むので
ここでは
「マグカップ1杯200ml」
としておきましょう。

全日本コーヒー協会によるカフェイン含有量で換算すると、
「マグカップ1杯200mlのコーヒーのカフェイン量は120mg」
となり、
マグカップでコーヒーを何杯飲んだら
致死量「8.7g」に達するのかというと、
8.7g=8700mg
8700mg÷120mg=72.5杯

「1杯200mlのマグカップでコーヒーを72.5杯飲むと、
 成人の50%が死に至る」

というのですが、
カフェインは、
「摂取してから血中濃度が最高に達するまでの時間は30分〜2時間」
「血中消失半減期は4時間半〜7時間」
といわれているので、
「成人の50%が死に至るマグカップコーヒー72.5杯は、
 数時間内に飲んだら危険」

という前提なのです。

例えば4時間でマグカップコーヒー72.5杯を飲むとすると、
4時間×60分÷72.5杯=3.31
つまり、3分19秒に1杯ずつ4時間も飲み続ける、しかもマグカップで…。
そんなこと出来る人いないでしょう。

玉露のカフェイン含有量がコーヒーの2倍といっても、
玉露をマグカップで6分48秒に1杯ずつ4時間も
(合計36杯と4分の1杯)飲めるわけがないので、
「お茶やコーヒーでのカフェイン摂取は心配要らない」
といえましょう。


我が家では9歳になったラブラドール・レドリバーが家族として一緒に暮らしています。
彼は昨秋から、また腰を悪くして後ろ足で立てず、
室内では土下座状態で移動するので、
要介護状態になっています。

もちろん家族なので、日夜手厚い介護は当然ですが、
彼に以前、ノミ・ダニの駆除のために、フロントラインという、
首筋に滴下するタイプの駆除液を使っていたことがありました。

それを使うと、彼は苦しみ悶えていたのですが、
たしかにノミ・ダニの駆除効果は完全ではありませんが、
認められたために継続して、時々使っていたのです。

でも、これも成分を調べてみると、
「フェニルピラゾール系殺虫剤」
という医薬用外劇物で、
人体の皮膚に塗ると、すぐに吸収されて危険なものだと判り、
以降の使用は中止しました。

フェニルピラゾール系殺虫剤のLD50は、
・急性経口毒性(マウス) 1,366mg/kg 
・急性経皮毒性(ラット) 2,000mg/kg

我が家の犬は肥満大型犬なので成人並みの体重ですが、
ふつうの犬の体重が10kgとすると、
皮膚に20g、ヤクルト1本が65ccなので
ヤクルトの3分の1程度を体重10kgの犬に塗るだけで、
半数が死ぬ可能性がある危険な劇薬なのです。

説明書には
「安全でやさしい」
ようなことが書かれているのですが。

世知辛い世の中ですから、
身の回りには危険がいっぱいです。
特に口に入るものには相当な用心が必要です。


ここまでを1回目にしておきましょう。

ヤンバルクイナ20140103.JPG
 我が家の庭のブロック塀に、ヤンバルクイナのつがいが姿を表したところです。
 ここは西側ですが、南側、北側にはまた別のヤンバルクイナがやって来ます。
 目的はマイマイやミミズなどの捕食と、水浴びです。
 我が家近郊はヤンバルクイナの大繁殖地なので、
 カラスの次に目にする野鳥、というより
 せっかくタネ植えしたタネ、特に希少なカカオなども
 プランターを突いて食べてしまうので、害鳥の部類に入ります。
 今日は玄関前に彼らの糞があり、
 人の気配が無いと何羽か判りませんが、
 平気で庭に入り込んでいるようです。
 このあたりは元々彼らの居住区であって、
 彼らからすると私は怪しい侵入者ですから
 仲良く共生していきたいものです。
 彼らはとても警戒心が強く、よく見かけるものの、
 なかなか撮影出来ないのです。
තୀ㗝
posted by COFFEE CHERRY at 21:12| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーから学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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