2006年05月13日

コーヒーの「シェード・ツリー」の意味

中南米や熱帯アジア地域では、
高木の間の日陰でコーヒーを栽培する農園があります。

これは文献にも書かれています。

熱帯の強い直射日光から
コーヒーの木を守るために行われている
“日陰”栽培の手法です。

コーヒー生産国への視察で実際にこの手法を見たり、
文献で見た方が、杓子定規的に
「コーヒーの木=シェード・ツリー」
と捉えてしまい、
沖縄や本土でコーヒー栽培をするときにも、
“日陰”栽培の手法で栽培している人が見受けられるのですが、
ここで岐路になるのは、
「沖縄や本土でもコーヒーは“シェード・ツリー”なのかexclamation&question
という問題です。

前にも書いたと思いますが、
コーヒーの文献は、
中南米の生産地のことを基に書かれているのであって、
沖縄や小笠原の立場で書かれたものではありません。

そのため、文献はあくまで参考資料であって、
その栽培地域の気候風土や土壌に
大きく影響してくるはずだと思うのです。

“日照”を考えたときに、
沖縄を基準とすると、
本土や赤道付近の熱帯地域との日照には違いがないのでしょうかexclamation&question

植物の生態だけではなく、
情熱や理念・信念にも関係しそうですが、
私はコーヒーやバナナの“北限”である沖縄では、
コーヒーは日陰栽培せずに、
“てぃーだ・かんかん(太陽・じりじり)”のもとで、
サンサンと降り注ぐ直射日光のもとで
栽培すべきだという信念を持っています。

沖縄の直射日光と、ミネラル成分の多い土壌と、
ミネラル成分の多い潮風が、
沖縄のコーヒー栽培に最適であり、
高品質のコーヒーを栽培するための必要条件だと考えています。

熱帯地域で行われている
「コーヒーの木=シェード・ツリー」
という“日陰”栽培手法は、
熱帯地域に適合しているのであって、
北限地域では北限地域なりの手法で栽培するべきだと思うのです。

日照下だからこそ健康な沖縄コーヒー.jpg

実は、私も当初は
コーヒーを“シェード・ツリー”として
栽培をしていたことがあるのです。

結果は、「過保護」に似た感じで、見事に病弱になりました。

日陰に長いこと置いた苗木は、
沖縄の直射日光のもとに出すと、葉が焼けてしまうのです。

苗木のうちから、
しっかりと環境に即しながら健康に生育させることで、
病害虫や根腐れなどを防いでゆく過程は、
人間と同じだと理解できたのです。


posted by COFFEE CHERRY at 09:14| 沖縄 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 沖縄のコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

沖縄でのコーヒー栽培の5つの問題点

ポットで成育中の若い苗木.jpg
沖縄でのコーヒー栽培は、
「国産」としてくん蒸処理をされる心配がなく、
除草剤や農薬を使用せずに、
“安全+品質”にこだわった栽培をすることで、
それを理解して戴ける方がいるはずですが、
沖縄でのコーヒー栽培には、
以下のような5つの問題があり、
それをクリアしなければなりません。

1.気候や標高、土壌の質が風味や品質に微妙に影響する。
・ 夜露が出る地域

・ 弱酸性土壌が望まれる

・ 海岸沿いは“塩害”の可能性がある

・ 斜地はOK
  中南米でも、斜地をそのまま利用したり、
階段状で栽培している農場があります。
  斜地での問題は「日照・排水・収穫」などで、
栽培上の可否には特別な問題はないと思われます。

・ 沖縄の気候風土や土壌に合った品種
ここでは明らかに出来ませんが、
試行錯誤の末に具体的な品種が分かっています。

・ 「土壌作りと追肥、剪定」が重要なのは、
なにもコーヒーだけに限りませんね。

2.風に弱く、防風対策が必要。
・ コーヒーの最大の弱点は“風”です。

・ 台風の通り道である沖縄で、
「防風対策」をしない“コーヒー栽培”は自殺行為です。

・ 「鉄骨ガラスハウス」、「ビニールハウス」、
「防風ネット」など人工的な防風対策ももちろん可能ですが、
“防風林”で対応することが可能です。

3.コーヒーの実が成るまで、
5年の長期スパンで考えなければならない。

・ 沖縄農業は、本土の裏作にあたる
10月〜5月までの“半年の戦い”を強いられています。

・ 「半年後に確実に日銭が入る農作物」で
生計を立てている沖縄農業では、
すぐにカネにならないコーヒー栽培に
着手することはなかなか困難なのです。

・ 時間のかかるコーヒー栽培と連動して、
短期換金作物の同時進行も必要となるでしょう。

4.収穫時期は手摘みによるので、人手が必要になる。
・ 収穫は、「赤く熟した実を摘み取る」という単純作業です。

・ ブラジルのような巨大なコーヒー農園では、
赤く熟した実だけを摘み取るのではなく、
赤も緑も混じっている状態で、
枝ごと実をもぎ取ってしまうのです。
  この方法だと、もちろん品質は安定しません。

・ コーヒー栽培で、最も人手が必要な作業は、
「植え付け+収穫」でしょう。

5.管理できる本数は300〜500本/人が基本となる。
 ・ コーヒーの先端部分の方に、
まれにカイガラムシが付いたりして、
私は気になるので取れる範囲で小枝で掻き落とすのですが、
成育状態や剪定作業、雑草刈りなどを加味すると、
1人で500本の管理は限界だと思われます。


以上の5項目を、まず最低限クリアしないと、
「世界最高のコーヒー」を
沖縄で栽培することなんて出来ないのです。

植え替えを待つコーヒーの苗木.jpg

ハワイではハワイ島で、
小規模の農園で高齢者がコナ・コーヒーを栽培し、
少量で希少価値があり、
世界的にも認められている生産地となっています。

“ホンモノ”は米国の富豪が独占的に飲み、
日本に入ってくる「コナ・コーヒー」は、
ほとんどが混ぜものかニセモノとも言われています。

私は、上記の問題点を解消・改良することで、
沖縄でのコーヒー栽培は
ハワイのコナコーヒーのように,
沖縄の代表的な特産品になり得る事業性が
見込めると信じているのです。

実際に、本島北部東村のヒロ・コーヒーでは、
「沖縄コーヒーの品質は、
  世界の3大マウンテンと呼ばれるコーヒーに匹敵する」
と言ってはばかりません。

 3〜4年目に入るコーヒーの木.jpg
posted by COFFEE CHERRY at 11:15| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄のコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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