2006年06月17日

タイのコーヒー事情

アユタヤ王朝(1351〜1767年)の大交易時代に
伝来したといわれるタイのコーヒーは、
タイ語では“カーフェー”と発音するようです。

徳川家康が関が原で勝利し、
全国統一を果たしたのが1600年ですが、
その頃には日本人町がすでに出来ていて、
頭領(町長)もいたようです。

当時のアユタヤでは、
コーヒーやスパイスを栽培をして、
東インド会社を経由して欧州へ輸出していたはずですが、
今のところ文献では、そのあたりの記述が見つかりません。

最近のタイでは、
首都バンコックなど都市部を中心に、
スターバックスや、ドトール等のコーヒー専門店や
スタンドショップ、ベーカリーカフェも増え、
「カフェ・ソット」
(ソット=生、新鮮の意味で“本物のコーヒー”のこと)
が広まりつつあるようです。

約10年前は、
一流ホテルや高級レストラン、お洒落なカフェテラスでなければ、
「カフェ・ソット」は飲めなかったようですから、
ここ10年の間にずいぶんと洋風化してきたようです。

レギュラーコーヒー1杯も、
現在は20バーツ(約60円)で飲めるようになり、
以前の3分の一以下までになったようです。

それでも、大衆的なレストランでは、
今でもコーヒーと言えば
“ネスカフェ”(インスタントコーヒー)のことを指すようです。

また、路地角や市場などの屋台では、
1杯10バーツ(約30円)の
「カフェ・ボラン」(ボラン=古い、昔のという意味)という、
甲子園のカチワリのような
ビニール袋に入れる低グレードコーヒーもあるようです。


アジア産のコーヒー豆は、
インドネシアのジャワやマンデリン、
ベトナムのロブスタなどが有名ですが、
タイの北部でもコーヒー(アラビカ種)が栽培されています。

代表的なブランドは、
最北のチェンラーイ県にある山の名をとった
「Doi Tung Coffee(ドイトゥン・コーヒー)」です。

タイ北部の山岳地域は、
黄金の三角地帯の一角を占め、
かつてはアヘンの生産や流通で悪名を馳せていました。

ケシ畑のための無謀な伐採や焼畑によって山々は荒廃し、
人身売買、売春、エイズ、児童労働など、
貧困に根ざした問題が山積みする危険地帯でした。

環境保護、持続的発展、就業、公衆衛生、
麻薬患者のリハビリ、教育など、
問題解決に向けた各種活動の中、
山岳民族が収入を得るための作物の一つとして、
要するにケシ栽培に代わるものとして
選ばれたのがコーヒーで、
1970年代にアラビカ種の苗木の栽培導入を始めたようです。

その後、皇太后が、
「ドイトゥンに森を」
と、
1988年にプロジェクトを立ち上げられて、
現在では、国連によって、
世界で最も成功した代替作物プロジェクトの一つと
賞されているようですから、
タイ産コーヒーが今後認知されてくる可能性はあるはずです。

北部では、
5生産グループ(49の農家)が
年間約15トンという、少量を生産しているそうです。



少し古いデータですが、
主要作物の収穫面積で見ると、
コーヒーが重要視されていないことが分かります。

主要作物の収穫面積(1997〜98年)
・米        1,023万2千ヘクタール
・天然ゴム       183万3千ヘクタール
・メイズ(トウモロコシ)138万6千ヘクタール
・キャッサバ      111万9千ヘクタール
・サトウキビ       98万8千ヘクタール
・マングビーン(緑豆)  31万1千ヘクタール
・大豆          27万5千ヘクタール
・油やし         17万6千ヘクタール
・パイナップル       8万5千ヘクタール
・コーヒー         6万7千ヘクタール

北部での年間15トンというのは、
栽培面積6万7千ヘクタールからすると、
桁違いなくらい異常に少ない数字です。

15トンを生産するには、
成木1本から5sの生豆が取れると仮定しますと、
15トン ÷ 5s = 3,000本
          =坪当たり1本定植+道路など
          =約4,500坪の耕作面積
          =1.5ヘクタール
と、考えられますから、
15トンではなくて、
15万トンの間違いか、
栽培面積が6万7千ヘクタールもないのか、
栽培環境的な問題が考えられます。

また、農民のコーヒー売却代金の受け取りは、
1kg当たり約276円とすると、
1kg当たり約276円 × 15トン = 414万円

これを49農家で、平均に分配したとすると、
414万円 ÷ 49農家 = 約7万5千円
となります。

タイ人の現地給与の相場は、
工場勤務で5千バーツ(約1万5千円)ですから、
この国の物価水準を考えても、少ないような気がします。

コーヒー同様に、
国際商品相場の天然ゴムや大豆の方が、
コーヒーより断然多いのも疑問ですし、
何よりサトウキビの1割にも満たないことを考えると、
タイのコーヒー栽培は、
・ 管理栽培がされずに、放任栽培化されている
・ 品質が低下し、低価格になっている
・ 高木の樹間を利用したり、傾斜地などでの栽培になり、
  生産効率が劣悪
などが予想されます。

日本にも、一部の輸入業者を除いて、
タイ産コーヒー生豆やインスタントコーヒーとしての
輸入データには出てきません。


タイ産コーヒー豆の買取価格についても、1kg当たり
・ 33B〜35B(約100円)
・ 70〜85B(約210〜255円)1999年実績
・ 120B(約360円、A級品、B級品、1999年実績)
   のうち、農民の受け取りは90B(約270円)
など、
いろいろな説があり、はっきりしていません。

コーヒー豆は、
東南アジアや中南米、アフリカの生産者の多くは、
1kg当たり1US$以下ですから、
高品質とは思えないタイ国産コーヒーが、
1US$以上で、しかも300円前後とは
とても考えにくいです。

タイ国内のコーヒー会社が、
ラオスからコーヒー豆を調達し、
タイ資本のパッケージ工場で最終加工
(調整済みインスタント・コーヒー)していますが、
これは「ラオス産コーヒー」と
正しく表示してタイ国内で販売されているようです。

タイのコーヒー栽培に関しては、
以上のようにイマイチよく分からないところがあります。

posted by COFFEE CHERRY at 23:25| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(2) | タイのコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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