2006年06月21日

インドのコーヒー事情〜その2

インドのコーヒー生産量は
1890年度 16万8千トン
2001年度 30万1千トン
2003年度 31万7千トン

2004年度 27万5千トン
2005年度 27万8千トン

と、近2年の生産が落ち込んでいますが、
・ ロブスタ・コーヒーを生産する地域の大半で
  過度な降雨でコーヒーの実が大量に落ちたこと
・ アラビカ・コーヒーは、
  害虫のニカメイガの一種であるwhite stem borerの
  被害があったこと
などが、その理由のようです。

また、
アラビカ種を生産している農園の一部では、
害虫被害の拡大を防ぐために木を燃やす必要があるようで、
今後4年間は生産量も減少するようです。

インド国内でのコーヒー消費量は、
約6万トンと推定されていて、
コーヒー生産量の減少によって、
輸出数量が引き下げられることになりそうです。

インドコーヒーの輸出先は、
・ 欧州
・ 米国
が中心で、
日本には5千トン程度しか入って来ないのですが、
ロシアや中国からも引き合いが来ているようです。


インドコーヒーの特徴
大航海時代、インドで栽培されたコーヒー豆は
南西の貿易風(モンスーン)を利用して
約半年もかかって欧州に搬送されましたが、
モンスーン気候独特の高温多湿が
コーヒー生豆を茶褐色に変色させ、
味も香りも変質してしまい、
それがインドコーヒー独特の風味として
欧州で定着していたようです。

スエズ運河の開通で、
インドからヨーロッパまでの航海日数は
大幅に短縮されたことで、
鮮度の良いコーヒーが
「それまでの風味と違う」
と、逆に嫌われたことで、
インドではモンスーンの吹き込む海岸倉庫での
大航海時代のコーヒーを“再現”した熟成方法を取り入れ、
独特の香味を持つ「モンスーン化」したコーヒーを
“擬似復活”させたことで、
欧州では根強い人気があるようです。


インドにおけるゴムと茶を含む農園面積は、
全体で約151万ヘクタール、
雇用者は約340万人と言われていますが、
コーヒーだけの栽培面積や、
雇用者数などの統計は発表されていないようです。


インドのコーヒー栽培の状況
・ 開花時期 主に3〜4月ごろ
・ 収穫時期 主に11〜4月ごろ
・ 中南部のゴーツ山脈山麓近辺に農園は多い
・ 農園の標高 1,000〜2,000m
・ 木の種類
  ケント種
  ティピカ種&ケント種の交配種
  SLN9
  SLN795
  などが中心のようです。
  ロブスタ種やアラビカ種などの比率は分かりません。


インドコーヒーの歴史
コーヒーの原産地は諸説ありますが、
エチオピアのアビシニア高原というのが
主流を占めているようです。

ここからイエメンにコーヒーが持ち込まれたのは、
1470年頃と伝えられています。

・ 1467年(〜1477年) 応仁の乱で室町幕府が衰退
・ 1474〜1480年    越前一向一揆
・ 1498年  南アメリカ大陸発見
         ヴァスコ・ダ・ガマが前年に喜望峰を通過し、
         インド南西のカリカットに到着した年
というような大航海の始まりのあたりの年代ですね。

17世紀頃までは、
自生していたコーヒーを摘んでいたようなもので、
農園やプランテーションなど栽培管理されたような
農業手法とは程遠かったようです。

17世紀に入って、
ヨーロッパ各国にコーヒーが普及し始めると、
イギリス・フランス・オランダの東インド会社が、
こぞってイエメンからの輸入取引を始めます。

コーヒーの積み出しが行われたイエメンの小さな港の
「モカ」が最初のコーヒーブランドにもなったのは、
ご承知の通りですね。

一部の文献では、1600年に
「アラビア人がインド西岸にコーヒーの木を伝える」
というのもありますが、
当時のイエメンでは、
コーヒーの苗木や実、生豆の持ち出しを
厳重に監視していたようですから、
「17世紀にインド人のババ・ブーダンが、
 メッカ巡礼の際にコーヒーの実を盗み出し、
 南インドのマイソールに植えた」

という説の方が信憑性がありそうです。

これが、インドのコーヒーの原点ではないでしょうか。

1658年には、
「オランダがセイロンへコーヒーの苗木を持ち込み、
 少量の栽培に成功した」

というのもありますが、
当時の「セイロン」は
現在のインドとスリランカを併せた言い方を
していたはずですから、
マイソール以外の場所のはずで、
前述のババ・ブーダンによる苗木の持込が
早いように思われます。

どちらにしても、徳川幕府の初期の頃の時代です。

NHKテレビの「功名が辻」の
主人公・山内一豊が亡くなるのが1605年、
千代が亡くなるのが1617年、
三代将軍徳川家光の即位が1623年〜1651年ですから、
時代背景的にはその頃が、
インドやセイロンでコーヒーを栽培し始めていたことになります。

1700年には、ジャワで大量生産に成功しているようですし、
18世紀に
 「ヨーロッパ人のコーヒー・プランテーションは
  西インド、中南米に広まる」

と文献で出てきますから、
インドやセイロンでは、
コーヒー栽培が急速に拡大していったように思えます。

それまでエチオピアやアラビアでしか採れないことで
高価だったコーヒー豆が、
大航海時代を通じて
東南アジア、中南米、中央アフリカなどでも
産出されるようになったわけです。

オランダ東インド会社は、
セイロンやジャワで生産したコーヒーを、
イエメンに持ち込みました。

ここで当時の大ブランドのモカの価格を調査して、
それより安い値段でヨーロッパに持ち込む
低価格戦略をとりました。

この戦略が功を奏し、
オランダは欧州のコーヒーマーケットを独占するに至ります。

1861年アフリカのウガンダとエチオピアで
大発生した“サビ病”が、
1868年にはセイロン(現在のスリランカとインド)に伝染し、
「2週間でコーヒー農園が全滅した」
と文献には記述されています。

そのために、
インドやスリランカでは
コーヒーから茶や紅茶に切り替えてゆきました。

その後インドでは、
病害虫に強いロブスタ種を中心にコーヒー栽培が復活し、
病害虫対策として
地力をUPさせる有機農業を取り入れた農園が多く、
アラビカ種栽培も増加してきたようです。


posted by COFFEE CHERRY at 17:56| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | インドのコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

インドのコーヒー事情〜その1

インドというと、
コーヒーより紅茶のイメージが強いのですが、
世界第5位(東南アジアでは3番目)の
コーヒー生産国でもあります。

2005年度のコーヒー生産量
1. ブラジル  216万6千トン
2. ベトナム   74万トン
3. コロンビア  69万3千トン
4. インドネシア 40万5千トン
5. インド    27万8千トン
6. エチオピア  27万トン
7. メキシコ   25万2千トン
8. グアテマラ  22万1千トン
9. ホンジュラス 17万9千トン
10.タンザニア   4万5千トン
(フィリピンは、約14万トンくらいの生産量があるようですが、
 ICO統計には出ていません)

インドによるコーヒー生産高は5位とはいうものの、
世界生産高の5%弱程度しか占めていませんし、
またインドではその生産高のうち、
70%〜80%を輸出しています。

ただし、日本には5千トン程度しか入っていません。

日本のコーヒー生豆の国別輸入量(2005年)
1. ブラジル    11万2,653トン
2. コロンビア    9万4,244トン
3. インドネシア   5万6,851トン
4. グアテマラ    3万3,152トン
5. エチオピア    3万  462トン
6. ベトナム     2万8,210トン
7. タンザニア    1万4,000トン
8. コスタリカ     7,261トン
9. メキシコ      6,254トン
10.ホンジュラス    5,694トン
11.パプアニューギニア 5,572トン
12.エルサルバドル   5,489トン
13.インド       4,652トン
14.中華人民共和国   4,003トン
15.ペルー       2,159トン
16.ニカラグア     1,088トン

インド産の生豆は、日本の生豆輸入量の約1%と、
日本ではインド産コーヒーが評価されていないのが現状です。

そのため、
インド産のコーヒーを見かけないので、
インドコーヒーの認知度合いが低いのです。


インドと沖縄は、ほぼ同緯度にありますから、
インドで栽培できるものは、沖縄でも栽培できます。

沖縄産ウコンは少なくなりましたが、
ウコンはネパールが原産とも言われていますし、
インドの僧の袈裟のオレンジ色はウコン染めで、
カレーの原料にもターメリックとして使われていますし、
紅茶も沖縄で栽培されています。

続きは、明日書きます。

posted by COFFEE CHERRY at 21:03| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | インドのコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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