2011年06月11日

カカオのタネ植えポットから7本発芽しました…。

フィリピンと中米のベリーズからカカオのタネやフルーツを取り寄せて
4月中旬に自宅庭でタネ植えしたのですが、
どうもヤンバルクイナに黒ポットに植えたタネを
早朝に突かれて食べられているらしく
「コーヒーはとっくに発芽しているのにカカオはまだなの?」
という切実な期待を裏切るように
ここからはまだ1本も発芽してきません。

被害のポット110611.JPG
 画面右側の土が出ている部分が
 ヤンバルクイナに突かれたところで、
 カカオのタネはポット内にありませんでした。
 黄色く見えるのが国頭(くにがみ)マージ、
 黒いのが土に還ったヤンバル腐葉土です。
 左の黒ポリポットは今のところ無事です。
 カカオのタネの両端がかじられたようなのも
 ありましたが、それはヤンバルクイナなのか
 ネズミなどがやったのかは今のところ不明です。


自宅でタネ植えした総数は、実に約600個弱もあったはずです。
・フィリピン産カカオのタネ 391個
・ベリーズ産カカオのタネ 約200個

 (ベリーズ産の5個のカカオフルーツは、
  最初の1フルーツから41個のタネを取りだしましたが、
  その後のフルーツのタネは記録したものの、
  書き忘れてしまったようで正確なタネの数量が不明なのです。
  1フルーツ40個のタネとして5フルーツなので
  200個というアバウトな見積もりです


今日のテーマの「カカオの発芽」とは、
ヤンバルクイナによる災難現場の我が家の庭ではなく
コーヒー山でのもので、
実は7個が発芽しているのです。

cacao110611-1.JPG
 中央と右の黒ポリポットの発芽苗がカカオです。
 葉は細長く、双葉はようやく緑色になりましたが、
 最初の発芽は黄緑色と銀色を混ぜたような
 不思議な見たことのない色でしたね。


カカオの発芽1104.JPG
 最初はこんな感じで発芽してきました。
 奇妙な色で、葉も細く、最初はカカオなのか
 在来植物の発芽なのか見分けがつきませんでした。


盗難を恐れてブログには書かなかったのですが、
昨秋カカオの成木1本と、カカオの苗木56本を
県内の熱帯果樹園から購入していて
(カカオは果樹園の在庫全部を買い取りました)
それを我が家で越冬させれば良かったのに
「コーヒー山の環境に慣れさせる」ために、
標高300mのコーヒー山に置いてしまったのです。

cacao101103.JPG
 昨年11月にコーヒー山に置いたカカオの成木です。
 この後、厳冬で全部落葉してしまい、
 4月にようやく移植してあげました。


カカオにすれば著しく環境が違って、
しかも沖縄では最も寒い本島北部の、しかも山ですから
旧暦12月8日(1月中旬前後、今年は1月11日)の
ムーチービーサーという風が吹く一番寒い頃のコーヒー山は
気温5℃くらいには下がっているはずです。

カカオはコーヒーと栽培ベルトは同じですし、
ブルーマウンテンでは霜も降りる農園もありますから
「無事越冬してもらえるはずだ」
と楽観視していたら、
寒さで葉が全部落ちてしまったのです。

cacao110611-2.JPG
 発芽した葉や双葉は、交差するように出てきています。
 葉を何でも食い荒らすモリバッタの登場はご遠慮願いたいものです。


春になって、葉が落ちたカカオ成木を移植したのですが、
この45リットルポリペールの、ふつうゴミ箱にするペール内の土の、
表面に近いあたりからカカオのタネが8粒出てきました。
おそらく成木が実を付けていたのが知られずに
ペール内に実を落していたのではないかと思います。
カカオの実の外皮はパパイヤのように厚く堅いのですが、
これが朽ちてタネが出てきたのでしょうか。

このカカオのタネは、全部少し根が出始めている状態で、
これを黒ポリポットに植えたので、
タネ植え2週間後の4月下旬頃には発芽していたのです。

cacao110611-3.JPG
 左下のポットからは発芽しませんでした。
 移植時に根が取れたか、発芽して折れたのかもしれません。
 以上の7個はもう心配いらないと思いますので
 自宅庭のタネ植えポットからの発芽を期待したいところです。


そういうわけで、
我が家のタネ植えポットからの発芽ではないのですが、
現在コーヒー山には7個のカカオの発芽苗があるのです。
カカオ成木や苗木たちは、
越冬のために葉を落してしまいましたから
現在、
「まず根付くことが第一」
として、
3本の苗木が、今日現在新芽を出して来ました。
他も暖かい春と充分な降水量があった梅雨を越して
順次回復の見込みです。

cacao110611-4.JPG
 苗木の主幹から2本の新芽が伸びてきました。
 他の葉を落した苗木からも、
 早く新芽がどんどん出てきてほしいですね。


ノボタン110611.JPG
 コーヒー山に自生するノボタンが
 梅雨が終わったことを知らせるかのように次々に開花しています。
 画面で見るよりも紫色がやや濃く、
 花の外径も7cmはあって、目立って綺麗な花ですが、
 どうも亜熱帯系植物にしては沖縄に似合わないような
 違和感を感じてしまいます。
 花札では6月が「牡丹と蝶」、7月は「イノシシと萩」ですが、
 牡丹肉はイノシシの肉…、
 なんだかよく判らない組合せですね。
posted by COFFEE CHERRY at 20:27| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | カカオの栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月06日

カカオの天敵はヤンバルクイナだった…?

世界中で沖縄県本島北部のヤンバルだけに生息している
絶滅危惧種のヤンバルクイナは
5〜7月という梅雨時期が繁殖期らしく、
国頭村内の県道2号線や70号線などでは
“わ”ナンバーのレンタカーが道路脇に停まり
観光客が派手なリゾートウェアに身を包み、
デジカメを持って草むらにカメラを構えている姿も
よく目にするようになりました。

自宅のブロック塀を歩くヤンバルクイナ110605.JPG
 どうもヤンバルクイナの大生息群の真っただ中に
 私は引越して来てしまったようです。
 彼らは深夜の2〜3時頃の約1時間おとなしくなるだけで、
 朝から夜中までいろいろな鳴き声で、
 しかも大きな鳴き声を出して騒いだり、
 ケンカして追いかけ廻したり、あるいは求愛など
 いろいろな鳴き声があることがわかってきました。
 先日は私と1mくらいの至近距離で出くわし、
 私が威嚇されてしまいました。


要するに、ヤンバルクイナが車の前5〜20mを横断したことで、
「絶滅危惧種を撮影したい」
という思いで、
草むらに入りこんだヤンバルクイナが
再登場する瞬間を撮影しようと
ドキドキしているのだと思います。

でも、これは結論から言わせていただければ
残念ですが
「撮影は99%以上ムリ」
だと思いますよ。

ヤンバルクイナの通り道110605.JPG
 ヤンバルクイナは茂みにも“けもの道”のような通り道があり
 緊急時以外は「通り慣れたいつもの道」を通っているようです。
 画像では中央部の丸くなっている部分が通り道の入口です。
 その中は、あちこちに枝分かれしたり交差点になっていたりしています。
 彼らは一度茂みに入ると、立ち止まったり、
 Uターンするようなことはほとんどなく、
 茂みに入り込むと、そのまま茂みの奥に進んで
 どこかに行ってしまっているのです。
 なので観光客がカメラを構えてチャンスを狙っていても、
 まず出てこないと思いますよ。


ヤンバルクイナは、人間が襲わないことを知っているためか
我が家の周囲はもちろん、
庭のブロック塀の上を歩き廻ったり、
朝方は庭にも下りて来て、
ミミズや昆虫、シリケンイモリ(尻剣イモリ)、ヤスデ、
ヤモリなどを捕獲しているようです。


熱帯果樹のタネ植えは、
鮮度が高ければ高い方が発芽率が高いのですが、
「パラミツは実からタネを取りだしたらすぐにタネ植えした方がいい」
と、
本島南部で熱帯果樹を栽培されている大城さんからも
聞いていましたし、
また米本仁巳先生の著書でも同様のことが書いてあるので
フィリピンからカカオのタネを送って頂いただけでなく、
わざわざ2万円強もかけて5個のフルーツカカオを輸入して
タネ植えを行ったわけです。

フィリピンカカオのタネは、
現地でカカオフルーツからタネを取りだして
洗わずに天日乾燥させてから
沖縄に送って頂きましたし、
到着後、早春ということもあってすぐにタネ植えしなかったので
我が家でのタネ植えまで約1〜2カ月が経過してしまいましたが
ベリーズのフルーツカカオは
私が自宅で実から取り出したタネは
同日中に黒ポリポットでタネ植えしました。

しかも、コーヒー山だと微妙な変化が判らないと思い、
始終管理出来る自宅庭に黒ポットを置いたのですが、
いままでカカオのタネ植え経験が無いので、
どのくらいの時期で発芽するのかまったく判らない状況の中で
「まだ発芽しないのかな?」
と毎日タネ植えポットを見ては発芽を待っているのです。

ヤンバルクイナの足跡110605.JPG
 自宅周囲には、画像のように
 ヤンバルクイナの足跡が無数にあります。


毎日明け方になると、
庭のすぐ外側の巨大なモクマオウ並木に
ウグイスやリュウキュウアカショウビンなどの声に混じって
ヤンバルクイナたちも、
目覚まし時計のように合唱してうるさいくらいですが、
先日、早朝に何げなく私がお風呂場から
網戸を引いて庭に出てみると
ヤンバルクイナがカカオのタネ植えポットを
突いているのを目撃しました。

「黒ポット内のミミズなどを獲っているにしても
   カカオのタネも突くなど、影響がなければいいけど…」

と最初の頃は見守っていましたが、
その後何度もヤンバルクイナがカカオポットを突く現場を目撃するし、
とにかく待てど暮らせどなかなかカカオが発芽してくれないので
試しにフィリピン産カカオのタネの黒ポットを指で掘って、
「タネが今どうなっているのか?」
を恐る恐る確認すると、
タネがどこにも無いポットがあることが判明。

「タネが溶けた?」
そんなわけないので、
「誰かが食べた」
として、容疑者を想定すると、
最初の疑わしい被疑者は
やはりカカオのタネ植えポットで見たことがある
「ヤスデとかムカデ」
ですが、
どうも推定無罪っぽい。

となると、真犯人はどうやら
「ヤンバルクイナ」
の可能性が高いようです。
なぜって、
黒ポットを突いているのを見たのもそうですが、
ヤンバルクイナは雑食性で
昆虫や両生類、爬虫類だけでなく、
なんと、彼らは
「種子」
まで食べてしまうことが判明したので、
ますます怪しい。

現状の被害は、
 ・フィリピン産カカオ 相当数のはず
 ・ベリーズ産カカオ  一部?
で、
被害数はかなりアバウトですが、
黒ポットは全部調べていません。
これから発芽してくるかもしれないので、
調べられないのです。

自宅前のヤンバルクイナ110606.JPG
 昨年7月に引越したころはヤンバルクイナを見るたびに
 デジカメを構えていましたが、今から思うと、
 ちょっとミーハー的だったかも…。
 今はとにかくうるさい…。


コーヒー山に出没するリュウキュウイノシシは
コーヒーノキにはまったく無関心なのです。
おそらくアルカロイド(毒)のカフェインを嫌がるからだと思います。
カラスやヤンバルの野鳥たちもコーヒーには無関心ですよ。
カカオにもコーヒーと同じようにカフェインがありますから、
もしヤンバルクイナがカカオのタネを食べているとしたら
カフェインには鈍感なのかな?
コーヒーのタネ植えも自宅庭で行っていますが、
これにはヤンバルクイナは無関心だったような気がしますが…。
貴重なカカオにだけ興味があるなんて困りますね。

ベリーズ産カカオは、黒ポット内にタネがあり、
根が少し出ているのもありましたから、
それはこれから発芽してくるはずだと期待しています。

最近見た熱帯果樹栽培の本では
・オガクズの中でカカオのタネを発芽させ
・発芽した方を下に、タネの半分だけ地面に埋める

というのがありました。

これをタネ植え前に知っていれば、
「腐葉土の中でカカオのタネを発芽させてからタネ植えする」
という方法も試されたのに…。

今はとにかく、
「なんとかカカオのタネが発芽してほしい」
と、祈るような毎日なのです。

posted by COFFEE CHERRY at 22:38| 沖縄 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | カカオの栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月24日

フィリピン産カカオのタネ植えが終わりました

前回の中米・ベリーズからのカカオフルーツが届く前(3月中旬)に
フィリピンの知人から、フィリピン産カカオのタネ391個が届き、
このタネ植えも昨日までに完了しました。

フィリピンのカカオ10個1103.jpg
 フィリピンの知人宅で撮影して頂いたカカオフルーツ10個です。
 ベリーズ産カカオと比較すると、フルーツはかなり似ていますね。
 カカオ同士だから当然なのかな?
 知人宅でタネを取りだして頂き、タネだけを送って頂いたのです。


フィリピンの知人には、
画像の通り10個のカカオフルーツのタネをお願いしたところ、
特に美味しかったというマンゴーのタネ5個と、
リベリカ種バラコの焙煎豆500gをご好意で同封して頂けました。 

フィリピン産カカオなど1103.JPG
 フィリピンから届いた荷物を開封すると、
 カカオのタネ391個と、マンゴーのタネ5個、
 リベリカ種バラコの焙煎豆500gが入っていました。


ベリーズ産のカカオフルーツには平均45個のタネが入っていましたが、
フィリピン産は、10個分が391個だとすると、
フィリピン産は1フルーツで平均40個弱になり、
また、タネの大きさもベリーズ産の方がひと回り大きいことから、
カカオフルーツ同士の比較は出来ていませんが、
どうやらフィリピン産の方がフルーツは小さいようです。

また、ベリーズ産のカカオフルーツから取り出したタネの香りは、
クチナシの花の香りとそっくりなのです。
「この香りは何だっかな、どこかでかいだ香りだけどな…」
と思っていたのですが、やっと思いだしました!

カカオのタネ1103.JPG
 フィリピン産カカオのタネは、
 乾燥してアーモンド状になっていますが、
 これはタネの表面の繊維層がそのまま付いているからです。


また、タネの表面の繊維層を、
1日水に漬けてフヤけさせてからむいてみると、
 ・ベリーズ産は真っ黒のツヤツヤ
 ・フィリピン産はツヤ消しの、ますますアーモンド状

でしたから、
ベリーズ産とフィリピン産は品種が違うのだと思います。

大航海時代にヴァスコ・ダ・ガマが
アフリカ南端の喜望峰ルート(東周り)でインド洋航路を発見し、
スペインのマゼランは
南米南端のマゼラン海峡ルート(西周り)でフィリピンに到達し
世界一周を果たしています。
カカオ原産地の中米から、カカオは南米からアフリカに渡り、
その後インドや東南アジアなどに移入されていますから、
ヴァスコ・ダ・ガマの東周りルートでフィリピンに到達した、
フォラステロ種(Foraster)の可能性が高いと思います。
いずれ現地に行って、フルーツを見てみたいです。

フィリピン産カカオのプランタータネ植え110423.JPG
 100円SHOPで買ったプランター7個などに
 フィリピン産カカオのタネ植えを行いました。
 カカオのタネ植えは初めてなので、
 自宅の庭に置いて、毎日様子を見ることにしていますが
 はたして無事に発芽するでしょうか?
posted by COFFEE CHERRY at 23:44| 沖縄 | Comment(1) | TrackBack(0) | カカオの栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月19日

カカオの品種について

日曜夜から今朝まで、約1週間ぶりの降雨があり、
乾燥しきった地面は久々に潤い、植物も活気を取り戻しました。
水たまりが貴重に見えるほどです。

ミミズ110418.JPG
 コーヒー山でも5cm程度の雨量はあったようで、
 カサカサで乾燥しきっていた森林内は
 しっとりとした湿潤環境に変ぼうして
 植物が生き生きしていました。
 表土にはミミズの団粒土があちこちにあり、
 地面の中にトンネルを迷路のように
 掘ってくれているようです。


タネ植えに最適な満月直前の先週15日(金曜)に
ベリーズ産カカオのタネ植えを行いましたが、
コーヒーにアラビカ種やロブスタ種、リベリカ種などの品種があるように
カカオにも以下の3〜4品種があるようです。

@クリオロ種(Criollo)
 古代に栽培されていた原生種カカオは“クリオロ種”で、
 主にメソアメリカ文明の栄えた地域
( メキシコ、グァテマラ、ホンジュラス、ベリーズ、エル・サルバドルなど)
 で栽培され、
 「もともと土着していた植物」という意味から、
 スペイン語の「その土地産まれ」つまり「中南米産まれ」という意味で、
 本国産まれのスペイン人に対して、
 植民地産まれのスペイン人のことを意味しているらしく、
 以下のAフォラステロ(Foraster)については
 「よそ者」を意味する言葉なのだそうです。
 アステカ帝国のモクテソマ王が飲んでいたという
 本家門元のカカオだということもあって
 「The prince of cocoas」とも呼ばれているようです。
 他の品種よりやや苦いものの香りが良いことで、
 ブラック系チョコレートには無くてはならないブレンド豆として
 ヨーロッパの伝統的なチョコレートでは重宝されてきたものの、
 生産量が減少傾向で幻のカカオになりつつあるようです。
 群を抜いてマイルドで上品な味わいのために、
 「コーヒーでいえばアラビカ種」と例えられている最良品種です。

Aフォラステロ種(Foraster)
 上記@クリオロ種に比べて、病害虫に強く生産性が高いことで、
 現在のカカオ産業の最も重要な品種
 (世界のカカオ収穫高の約80%)のようです。
 苦みが強いのが特長で、クリオロ種よりも脂肪分、抗酸化物質とも
 多く含まれているようです。
 「コーヒーでいえばロブスタ種」と例えられている品種です。

Bトリニタリオ種(Trinitario) トリニダードで上記2種を交配させた品種です。
 生産地域によって味にバラつきがあるものの、
 香りが良いのが特長といった品種です。

以上が「カカオの3品種」といわれるものですが、
文献によっては以下も付け加えて
「4品種」とされているものもありました。

Cナシオナル種(Nacional)
 エクアドルだけで栽培されていて、
 「arriba」(フローラル&スパイシー)の香りが特長の品種のようです。

輸入業者は「大実 イエローカカオ」というだけで
「品種はわからない」というので、
今回届いたカカオの品種は自分で調べることになりました。
カカオの実を割ると、中のタネの色が
 ・白っぽくて薄い色がクリオロ種
 ・濃褐色がフォラステロ種
という特長や、
もともと中米が原産地としたクリオロ種ということからしても、
今回ベリーズから、はるばる沖縄の我が家まで送られてきたカカオは、
“クリオロ種(Criollo)”
で間違いないようです。
もし実が出来た時は、
ココアやチョコレートにする前に
アステカ帝国のモクテソマ王が飲んでいたという
カカオ飲料を作って飲んでみたいと思います。

コーヒー山の東側110418.JPG
 コーヒー山の東側は大きな谷になっていて
 東側からの風はこの谷を駆け上がってくるように吹くので
 コーヒー山での風は、特に東側からの風が要注意なのです。


チョコレートが現在のような“食べ物”になったのは
まだ200年も経っていない、
チョコレートは意外と新しい食べ物で、
それまでは永く飲料の歴史だったようです。

紀元前2000年くらい、といいますから
今から4千年も前に、
「カカオはメキシコを中心とするメソアメリカで栽培されていた」
とされています。
地球が誕生したのは約46億年前、
生物が現われたのは40億年前といわれていますが、
5億年前に生物が海から陸に上がり、
この最近の5億年の間に地球環境が大きく変わりました。
地表を緑でおおい、森林をつくり、餌となって他の生物を養う
生態系を構築したのが、この5億年なのです。
そして、植物の花や種子の誕生は、
花粉や種子を運ぶ動物との共進化現象を通して、
地球生命の多様化に大きな役割を果たして現在に至っているのですが、
人類誕生が600万年前だとか800万年前だとかいうのは、
人間の歴史は地球や植物から見ると、
まだまだ産まれたての乳児のようなものなのです。
カカオやコーヒーがいつごろ現在のような木になったのか、
ということは、「近5億年内」というだけで、詳細は判りませんが、
人類誕生よりはるかに前のことだけは確かで
4千年前のメソアメリカでカカオ栽培がされていた、とすると
最初は鳥や猿しか食べなかったカカオの実が
いつしか人類がカカオの実を割ってタネを食べたり、
中のタネをすりつぶして飲むドリンクになっていったのです。

大航海時代のコロンブスがアメリカを発見する前には、
カカオはマヤ、アステカの王侯の飲料であり
カカオの実は貨幣として使われていたようです。
当時の飲料は甘みがなく、
むしろトウガラシやトウモロコシを混ぜたスパイシードリンクとして
貴重な飲み物だったようです。

コーヒー山の東斜面110418.JPG
 コーヒー山の東側斜面です。
 コーヒーは幹が細く強風が苦手なので
 初期に東側へ移植した苗木は葉を落したりして、
 一部掘り起こして自宅に持って行きリハビリ再生中です。
 東側の風が吹き抜けるエリアは、
 成長の早い在来植物やイスノキなどの堅くて防風林になる木々を
 植え始めています。


カカオは
「お金の成る木」
であり、
そのためにカカオの神様までいたようです。
なにしろカカオの正式名テオブロマ(Theobroma)は
アステカの神話に由来して
「神々の食べ物」という意味の神聖な名前ですから。
マヤ文明が栄えた7、8世紀頃には
各地に多くのカカオの石彫も作られています。

コロンブスが4回目の最後の航海に出た1502年は
ボロ船4隻、船員140人しか支援されなかったので
ほとんど成果を挙げられなかったのですが、
現在のホンジュラスからスペインにカカオのタネを持ち帰り
その後メキシコに植民したスペイン人などの工夫によって
チョコレートは甘い飲料になり、
やがてヨーロッパ人の嗜好に合うようになります。

当初は、疲労回復剤としてなど薬効が注目され
僧侶、貴族などを中心に広まり始め、
その後大衆に広まるのは17世紀後半くらいからになります。
ほぼ同時期にお茶やコーヒーがヨーロッパに登場し
食文化などに合わせて定着していき、
ドロっとした濃くて甘い飲料のチョコレートは
飲料としてはお茶やコーヒーとの競争に完敗し
マイナーになっていきます。

19世紀に入り、産業革命の技術革新の波は
チョコレートにも波及し、
飲料として飲みやすくするために搾油技術が発明されます。
搾油されたココアバターを利用して
食べるチョコレートが19世紀後半にイギリスで発明されました。
1847年にイギリス人のジョセフ・フライが
ココアに砂糖とココアバターを加えて板チョコの成型法を発明したのです。
その後、イギリス国内にチョコレート製造業が盛んになり、
1867年にはアンリ・ネストレがスイスに
チョコレート工場を創業(現在のネッスル社)しています。

林床地北西側110418.JPG
 コーヒー山の北西部(林床地)です。
 画像の左側が西、右側が東で
 東側が尾根で高い地形になっていて西に下がっていますから、
 西側ほど、風が当たらないのです。
 画像の黒いのは生地をハサミで切ったもので、
 これを支柱代わりに主幹を張っています。
 以前は鉄筋の支柱を主幹近くに打って
 鉄筋支柱と主幹をヒモで結んで風対策にしていましたが、
 出来る限り自然に近い栽培方法を取り入れたいので
 “過保護”は止めて、自立を促しています。
 実際に支柱無しでも、コーヒーはしなるだけでなかなか折れません。


食べるカカオ・板チョコは、まだ164年しか経っていない
意外と新しい食べ物なのです。

カカオの生産地も
起源地の中南米からアフリカへ広がり
世界の需要に応じられるようになっています。


世界のカカオ豆生産量(単位1000トン)2007/2008推定
世界  3,740(=374万トン)
@ アフリカ     2,608
A アメリカ      455
B アジア・オセアニア 677


@ アフリカ 2,608
 ・カメルーン      195
 ・コートジボアール  1,385
 ・ガーナ        690
 ・ナイジェリア     200
 ・その他のアフリカ地域 138

A アメリカ 455
 ・ブラジル       160
 ・エクアドル      115
 ・その他のアメリカ地域 180


B アジア・オセアニア 677
 ・インドネシア   570
 ・マレーシア     34
 ・その他のアジア地域 73


沖縄では「ロイズ」ブランドのチョコレートを販売する
ロイズコンフェクトが石垣島でカカオ栽培に取り組んでいて
1,300本の成木から1,500個の実を付けるところまで
こぎ着けたそうです。


「5棟でのハウス栽培」
とか
「ドミニカから苗木を取り寄せた」とか
資金力がうらやましいところですが、
私は
「タネ植えでのアグロフォレストリー(森林自然栽培)」
にこだわっています。

偉そうな言い方ですが、
カカオフルーツの現物を見たのは3日前が初めてですし、
タネ植えも3日前が初めてのことで、
「うまく発芽するかな」
という、
お金も経験も何も無い段階からのスタートなのです。

cacaoタネ植え110415.JPG
 カカオのタネ植えは生まれて初めてなので、
 タネ40個を、1個ずつ黒ポリポットにあてがう
 特別扱いで様子をみてみます。
 「発芽は1週間」と聞いているのですがどうでしょうか?
 黒ポリポットには、国頭マージに、やんばる特性腐葉土を敷いて
 その上にカカオのタネを置いた画像です。
 ポットの中央あたりの白っぽいのがカカオのタネです。
 この後この上に薄く腐葉土をかけました。



ココア豆の成分
 ・ココアバター 54%
 ・ポリフェノール 8〜13%
 ・たんぱく質 11.5%
 ・食物繊維 9%
 ・デンプン 7.5%
 ・水分 5%
 ・ミネラル 2.6%
 ・有機酸 2%
 ・テオブロミン 1.6〜2.7%
 ・糖類 1%

 ・カフェイン 0.2%

コーヒー同様にカカオには“カフェイン”が含まれています。
植物でいう
「外敵から身を守る」
ためのアルカロイド(毒)としてですが、
これがコーヒー山の3大脅威
・台風
・ドロボー
・イノシシ

の中で、
「イノシシがカフェイン(アルカロイド)を嫌がり、
 コーヒーに傷を付けたことがない

のです。
そういう意味ではカカオもコーヒー山では安心なわけです。
posted by COFFEE CHERRY at 00:11| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | カカオの栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月15日

カカオフルーツが到着しました

カカオフルーツが到着しました

中米のユカタン半島のカリブ海に面した東南部、
北はメキシコ、西と南はグァテマラに接した
“ベリーズ(Belize)”という国から
昨年末に発注した待望のカカオフルーツが到着しました。

ベリーズ輸出前のカカオ1.JPG
 ベリーズから発送前のカカオフルーツの画像です。
 今回はこの中から5個送って頂きました。
 もちろん密輸ではなく、植物検疫証明書付きの
 正規の輸入手続きをしています。


ベリーズは、
もともと「イギリス領ホンジュラス(British Honduras)」だったのが、
1973年に国名を「ベリーズ」と改称し、
1981年に独立国家となりイギリス連邦の一員になったようです。

cacao110415-1.JPG
 3月上旬に現地を発送して頂き、
 メキシコ・米国を経由して届きましたが
 発送後1カ月半を経過しているために
 到着時のカカオフルーツの外見は
 すっかり黒ずんでしまいました。


ベリーズの面積は22,966平方km、
といってもピンときませんが、
2府5県の近畿地方から和歌山県と三重県を除いた
 ・大阪府
 ・京都府
 ・兵庫県
 ・滋賀県
 ・奈良県
の合計面積(22,614)と同等というか、
四国(18,300)の2割増し(22,875)くらいの面積の小さな国です。

cacao110415-2.JPG
 カカオフルーツの大きさは、20cm前後で
 ラグビーボール状をしています。
 こんな実が枝に垂れさがるのではなく、
 ジャボチカバやパパイヤのように
 幹に直接付いた状態で成るのです。
 ジャボチカバというのは、ぶどうの巨蜂の紫の実にそっくりの
 甘くて美味しい実が、幹に直接付く果樹です。
 我が家にも1本ありますが生育が悪いです。


ベリーズの人口は約30万7千人、
というと、
 ・東京都新宿区   30万5,716人(2011.1.1)
 ・福岡県久留米市  30万6,434人(2010.9.1)
 ・東京都中野区   31万627人 (2011.1.1)
 ・青森県青森市   31万1,508人(2010.12.1)
 ・沖縄県那覇市   31万2,393人(2011.1.1)

といった市区と同等の人口ですから、
人口密度的に考えると
 30万7千人÷22,966平方km=13.4
つまり1平方km当たり13.4人が住んでいるというので、
これはもう過疎は間違いないですが、
どのくらいの過疎なのかというと、
私の住んでいる国頭(くにがみ)村も
相当の過疎地なはずですが、
それでも人口密度は26.89とベリーズよりかはるかに多く、
隣の東村の方が国頭村より21.75で過疎のようです。

沖縄県で最も人口密度が低いのは
石垣島の南西の島々、
イリオモテヤマネコの西表島や
NHKの朝番組でお馴染みのちゅらさんの小浜島などの
大小16の島々で構成される広域の竹富町で、
この武富町の人口密度が12.26ですから、
ベリーズは広域の竹富町の人口密度と同等のようです。

cacao110415-3.JPG
 カカオフルーツの外見が黒ずんだとしても
 入手目的は食べるためではなくてタネ植えのためですから
 外見はどうでも鮮度の高いタネが取り出せればいいわけです。
 最初にカッターナイフで中心部分を
 真横で切断しようと刃を1周入れたのですがビクともしないので、
 鉛筆をナイフで削る要領で削ぐことにしました。
 エイヤっと切ったりハンマーで力いっぱい叩いても実は割れるでしょうが
 何より中身のタネを傷付けたくないし、
 表皮の厚みも判らないので、原始的ですが削り式を選択したのです。


「全国市町村人口密度ランキング」
で調べると、
 ・北海道 雨竜郡  沼田町  13.10
 ・北海道 虻田郡  喜茂別町 13.27
 ・長野県 北安曇郡 小谷村  13.36
 ・北海道 河西郡  中札内村 13.54
 ・北海道 上川郡  愛別町  13.65
 ・北海道 雨竜郡  北竜町  13.74

このあたりの地域の人口密度がベリーズと同等のようです。

cacao110415-4.JPG
 カカオの表皮が想像以上に厚いことが判ってきたので
 削り式は中のタネを傷付けない方策としては安全なものの
 面倒で時間がかかるだけですから途中で止めて、
 最初の外周に刃を入れた部分を、さらに深く再度刃を入れ
 無理やり穴を開けて表皮の厚みを確認し
 それから横で切断する、という方法で何とか成功しました。
 硬い表皮の厚みはなんと2cm近くありました。
 タネはぶどうの房のように付いていました。


なお、日本での人口密度の低い地域は、
 ・福島県 南会津郡 檜枝岐村 1.73
 ・北海道 雨竜郡  幌加内町 2.32
 ・奈良県 吉野郡  上北山村 2.59
 ・北海道 勇払郡  占冠村  2.67
 ・長野県 木曽郡  玉滝村  3.13

だそうですから、
私は国頭村は過疎中の過疎だと思いこんでいましたから、
上には上がいるものです。

cacao110415-5.JPG
 煮豆というかアーモンドのようなカカオのタネが
 ぶどうの房のように付いています。
 このタネを焙煎して挽くとココアになるのでしょうが、
 コーヒーのように脱穀したりするのかな?
 そういうことはずっと後のことだし、
 ブラジルから沖縄に移住したアキ・ファームの曽木さんに
 教えて頂くことにして、今は発芽させることが大目標です。


ベリーズはカリブ海に面して、
沿岸部は湿地帯でマングローブの森があり
国土の大半は未開発の熱帯雨林の原生林で、
標高の最も高い地点がビクトリア・ピーク(1120m)、
平均気温は26℃(沖縄県那覇市は22℃)だそうです。
カカオフルーツは西部から南部にかけての
山岳地帯で栽培されているようです。

cacao110415-6.JPG
 カカオは他の文献でもアグロフォレストリー(森林栽培)で
 栽培されているようですから、
 コーヒー山では栽培環境としては大丈夫と思います。
 タネの大きさは2cm程度で、43個ありましたが
 右隅の上の2個は不具合な感じなので
 今日のタネ植えは41個で行ってみます。
 今回入手したカカオフルーツは5個なので、
 タネは180〜200個くらいでしょうか。

posted by COFFEE CHERRY at 16:35| 沖縄 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | カカオの栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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