2013年06月29日

童話から学習する@

日本童話宝玉選(小学館)によると、
五大童話(五大昔噺)というのは、
・桃太郎
・花咲じじい
・舌切り雀
・さるかに合戦
・かちかち山

で、
それが十大童話になると、
・金太郎
・浦島太郎
・文福茶釜
・一寸法師
・こぶとり

が加わるようです。

私は数年後に還暦老女になるのに
「いい歳して童話なんて」
と思われるでしょうけど、
永く読み継がれてきた童話には、
「人が生きていく上の生活の知恵」
や、
「こうすると危険な目に遭う」
といった教訓などが
子ども向けに単純明快なstoryに創られていて、
登場人物も動物などの姿を借りるとか、
最後の下りが
「めでたしめでたし」
とか
「二人で幸せに暮らしました」
あるいは勧善懲悪や因果応報など、
シンプルさゆえに、人間社会や物事の本質をとらえているので、
サン・テグジュペリの「星の王子さま」を、
良くも悪くも人生経験を積んだ大人になってから
改めて読んで、
「なるほど、こういうことだったのか」
と、人生哲学を納得するようなところが童話にもありそうです。

今日のテーマは、本当は「花咲じじい」なのですが、
前置きが長くなりそうなので、それは次回にして
今日は童話が、いかに奥が深いのかを考察してみましょう。

たとえば「桃太郎」を例題にしてみましょう。
日本人なら誰でも知っているこの物語は、
「鬼退治という大きな課題を適所適材で達成した」
「具体的な目標を持って準備をして精進すれば、必ずや達成できる」
というお話ですよね。

桃太郎は、家来をなぜ犬と猿と雉(キジ)を撰んだのでしょうか?
鬼退治に加勢を求めるのであれば、
trong> ・犬よりは狼あるいは猪(いのしし)
 ・猿よりは熊
 ・雉(キジ)よりは鷲(わし)

スズメバチや毒ヘビと入れ替えたり追加しても良かったでしょうし、
あるいは実在しなくとも龍でも選択したり、
西遊記の孫悟空のように、
主人公には超常的な神通力を持たせることも出来たはずなのに。

旧暦や陰陽道(風水)では、
鬼が出入りする方角を艮(こん、丑寅=北東)として、
「鬼門」
といい、
ここから死者(=鬼)が出入りするといわれ
「良くない方角」
とされてきました。
現代でも家を建てる時、
玄関や窓、風呂やトイレなどの水まわりを作ると
家の中に災いを招く原因になるといわれて
迷信だと思いながらも何となく気になるものですが、
今から1200年ほど前の平安初期、平安京を守護するため
都の艮(丑寅=北東)の方角に比叡山延暦寺を建て、
江戸幕府でも鬼門にあたる上野に寛永寺を建て、
さらに江戸城を囲むように五色不動
 ・目黒不動(目黒区 瀧泉寺)
  ・目青不動(世田谷区 最勝寺)
  ・目白不動(豊島区 金乗寺)
 ・目赤不動(文京区 南谷寺)
 ・目黄不動(台東区 永久寺)

を配置し、
さらに江戸の真北に当たる日光山(二荒山)に
東照宮を配置して北方の守りとしていました。
科学が発達していない不安の多い時代、
祟(たた)りや災いを打ち消す精神安定剤や鎮静剤的なことが
昔は全国津々浦々に伝播しました。
このあたりの
「鬼門を封じる」
ことが、
物語の原点であったようです。

桃太郎に出てくる鬼が島の鬼が、
なぜ頭に角を出し、虎の縞模様のパンツをはいているのかというと、
鬼門が丑寅の方角ということで
「丑(牛)の角と寅(虎)の縞模様の黄色と黒の柄」
が起因しているようです。

ゲゲゲの鬼太郎も、妖怪なので
黄色と黒地ストライプのちゃんちゃんこも、それが理由だろうし、
鬼太郎と同じ柄のスズメバチだって、こんな配色になったのは
風水的な何かの因縁があるのかもしれません。

ともかく桃太郎の方角説は、
江戸時代後期に「南総里見八犬伝」の著者・滝沢馬琴が書いた「燕石雑誌」の中で
「鬼が島は鬼門をあらわせり、これを逆するに西の方申酉戌をもてす」
と書かれたのが始まりのようですが、
 (馬琴は桃太郎=源為朝説も唱えています。
  また源為朝は1156年の保元の乱に敗れ、伊豆大島に流刑になるのですが、
  海の途中、嵐に遭い沖縄本島本部半島の
  今帰仁(なきじん)村運天(うんてん)に漂着した、という伝説もあります。
  沖縄から黒潮海流で伊豆大島に流されることはあっても、この逆はちょっと…。
  まあ源義経のチンギスハン説やイエスキリストの墓の青森説もあるくらいですから
  伝説はなんでもアリなのです)

これによると
丑寅(うしとら、北東)の鬼門を封じるために
 ・犬=戌(イヌ、西北西)
 ・猿=申(サル、西南西)
 ・雉=酉(トリ、西)

選ばれているのです。

「でも、未申(ヒツジサル、南西)が抜けているよ」
と言われるかもしれませんが、
羊はもともと日本には生息していない動物なので
作者も、さすがに撰びようがなかったのだと思われます。

また、
 ・「イヌ」は忠誠心
 ・「サル」は知恵、行動力、勤勉
 ・「キジ」は勇気

の象徴ともいわれています。

「イヌ」は、東京・渋谷駅前のハチ公に代表されるように
「犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる」
といわれますから、
桃太郎が忠義忠孝の人間に成長した、とも解釈できます。

「サル」は「猿知恵が働く」ともいわれますが、
西遊記に登場する孫悟空に代表されるように
知恵や行動力、勤勉などのイメージがあり、
桃太郎が積極的で行動力があり、
知恵を働かせることも出来る人間になった、とも解釈できます。

「キジ」は意外かもしれませんが、勇気のある鳥なのです。
「キジも鳴かずば撃たれまい」
というのは、
「雉は鳴かなければ居所を知られず、撃たれることもなかったのに」
という意味だけからすると、
「そんなの勇気ではない、キジはバカじゃないか」
と思われるでしょうけど、
本当は敵の目から家族を守るために、
離れた場所で父鳥がおとりになっているのです。
キジの母鳥は山火事になると、
卵を守るために巣の上で焼け死ぬともいわれるくらい
とても勇気のある鳥だといわれています。
キジを登場させたことで、
「桃太郎が勇気のある人間に成長した」
とも解釈できるのです。

また、陰陽五行説によると、
「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」
 (木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰(=土)が生じ、
  土が集まって山となった場所からは鉱物(金)が産出し、
  金は腐食して水に帰り、水は木を生長させる)

つまり、
「木→火→土→金→水→木」
の順に相手を強める影響をもたらす「五行相生」、
あるいは、
「水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」
 (水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り倒し、
  木は土を押しのけて生長し、土は水の流れをせき止める)

「水は火に、火は金に、金は木に、木は土に、土は水に影響を与え、弱める」
という「五行相剋」、
また陰陽五行説では、桃は邪気を払い清める果物です。
「桃の節句(旧暦3月3日ひなまつり)」は、
子供から邪気を払い清めるという行事ですから
桃太郎というタイトルにもうなづけますし、
陰陽五行説では黄色は力の象徴なので
桃から生まれた桃太郎が黄色い「きびだんご」を持って
鬼に立ち向かうというstoryや
物語に登場するキーワード、
「桃、黍(キビ)、申(サル)、酉(キジ)、戌(イヌ)」
は理にかなっているのです。

また、
金気は巳(ミ=ヘビ)で生まれ(生)、
酉(トリ)で最盛期を迎え(旺)、丑で果てる(暮)、
つまり、酉(トリ)はもっとも強い金の気を持っているようです。

十二支の巡りの順から行くと、
猿、キジ、イヌで、
「キジがもっとも強い家来」
ということになり、
「なぜキジが家来に?」
というより、
物語としては、キジは無くてはならない存在のようですね。

さらに、桃太郎ご一行様は海を渡って鬼が島へ行きますが、
陰陽五行説では、
万物万象の
 ・木(もく)
 ・火(か)
 ・土(ど)
 ・金(ごん)
 ・水(すい)

の中で、
海は水ですから、
水に配当された十二支では北の子(ね)にあたり、
鬼門(北東)を封じるために海を渡る、
鬼は海(水)の向こうの島にいるので、
「土」を象徴する「きびだんご」をお供に与えた、
というように、
物語は陰陽道から成り立っているようです。

また、色鮮やかな韓国料理は、
 ・五味(甘、辛、酸、苦、塩)
 ・五色(赤、緑、黄、白、黒)
 ・五法(焼く、煮る、蒸す、炒める、生)

といった陰陽五行思想に基づいているようで、
十二支や方角、色など、
食道もなかなか奥が深いですね。

桃太郎伝説は、wikipediaを見ても
「ゆかりの地」は岡山県だけでなく、
香川県や奈良県、愛知県などにあり、
たとえば岡山の桃太郎伝説では、
桃太郎が吉備津彦命(きびつひこのみこと)で、
鬼が温羅(うら)一族となっています。

大和朝廷が中国地方を制圧する際に派遣したのが吉備津彦命で、
当時中国地方に大きな勢力を持っていたのが温羅(うら)一族でした。
温羅(うら)は一説によると朝鮮半島の百済(くだら)からやってきた渡来人で、
当時まだ青銅文明だった日本において、
すでに高度な鉄の文明を築いていたことで、
大和朝廷にとっては邪魔な存在にあり、
攻め滅ぼしたことを原点にしているようです。

吉備津彦命の家来の中に、
 ・犬飼部犬飼健命(いぬかいべのいぬかいたけるのみこと)
 ・猿飼部楽々森彦命(さるかいべのささきもりひこ)
 ・鳥飼部留玉臣(とりかいべのとめたまおみ)
がいたとか、
もっともらしい補足もあるのですが、
肝心の鬼ヶ島がどこにも出てこないのでは
キビ団子を売りたいがためのこじつけとも思えますよね。

香川の桃太郎伝説によると、
吉備津彦命の弟・稚武彦命(わかたけひこのみこと)になっています。
鬼は瀬戸内海を中心に悪さをしていた海賊で、
この海賊を倒すために稚武彦命が鬼ヶ島に出向き、
悪党を退治したという話になっています。
鬼ヶ島は現在の女木島(めぎじま)で
香川県高松市に「鬼無(きなし)」という地名は、
桃太郎が鬼を退治して鬼がいなくなったことから
その地名になったというのですが…。

「ゆかりの地」はともかく、桃太郎側の戦力を分析してみましょう。
イヌには鋭い牙があり、俊敏で咬みつくことができますよね。

サルの得意技は何でしょうか?
パワー型のレスラーのようなゴリラなら突進して行けるでしょうけど、
ジャングルの密林をターザンのように木々を移動するサルでは、
さほど脅威でもないし、
だいいち島ではジャングルがあるとは考えにくい。
となると、さるかに合戦での青柿投げの妙技でしょうか。
さるかに合戦では、ずる賢いサルは悪役でしたが、
ダルビッシュのような素晴らしいコントロールを持ったピッチャーだと
いえそうです。
さるかに合戦でのサルは、堅い青柿をカニに投げつけて、
カニはそのショックで子供を産むと死んでしまい、
カニの子供達は栗、臼、蜂、牛糞と連合して
親の敵を討とうと計画を立て、
カニはみごと親の復讐を果たしています。

サルはおそらく地面の石ころ、あるいはキビ団子を
針も通すような精度のコントロールで
鬼に投げ当てたのでしょう。
私が子供の頃の繁華街では
鬼のお腹にボールを投げて鬼を退治するゲームがありましたが、
それも、サルが石を投げたことが原点なのではないかと。

では、キジの得意技は何でしょうか?
鷹(たか)や鷲(わし)のように
攻撃能力、殺傷能力のある爪を持っているわけでもなく、
孔雀(くじゃく)の羽ばたきは威嚇ではなくて求愛活動のようですし、
キジというと
「キジも鳴かずば撃たれまい」
というように、
有名な「ケーン」というより「ギ―ン」と、
錆びついたブランコのような、
鳥肌が立つような異様な鳴き方をするのですが、
キジは大声チャンピオンとして参戦したのかもしれません。
いきなり大声を出して鬼をひるませる役割だったのかも。

リーダーの桃太郎は、
仕事や地位に必要な特性を把握して、
ふさわしい人を割り出す「適所適材」でサル・キジ・イヌを選抜し、
人の能力や特性を評価して、ふさわしい地位や仕事につける「適材適所」で
部下のそれぞれの能力にあてはまる任務を与え、
軍団の能力やスキルを最大限に高めて敵地に乗り込み、
それぞれの武器を効果的に使って鬼と戦い、
部下の連携playで鬼を降参させたのです。


神話学者・高木敏雄氏の「桃太郎新論」では
「なぜ梨や林檎(りんご)ではなく桃なのか?」
にこだわり、
「桃は邪気を祓う霊物であり、長生不老の仙果であり、
 太郎が老夫婦に育てられるのと桃が不老長寿の果物であることは無関係でない」

としています。

また、福澤諭吉は、
自身の子供たちのために、
家庭での約束や決まりごとなどを毎日半紙に一枚ずつ書いた、
家訓のような小冊子
「ひゞのをしへ」
では、
「桃太郎は盗人だ」
と非難しています。

原文
「もゝたろふが、おにがしまにゆきしは、たからをとりにゆくといへり。
 けしからぬことならずや。
 たからは、おにのだいじにして、しまいおきしものにて、たからのぬしはおになり。
 ぬしあるたからを、わけもなく、とりにゆくとは、
 もゝたろふは、ぬすびとゝもいふべき、わるものなり。
 もしまたそのおにが、いつたいわろきものにて、
 よのなかのさまたげをなせしことあらば、
 もゝたろふのゆうきにて、これをこらしむるは、はなはだよきことなれども、
 たからをとりてうちにかへり、おぢいさんとおばゝさんにあげたとは、
 たゞよくのためのしごとにて、ひれつせんばんなり。」


現代文訳
「桃太郎が鬼ヶ島に行ったのは宝を獲りに行くためだ。
 けしからんことではないか。
 宝は鬼が大事にして、しまっておいた物で、宝の持ち主は鬼である。
 持ち主のある宝を理由もなく獲りに行くとは、桃太郎は盗人と言うべき悪者である。
 また、もしその鬼が悪者であって世の中に害を成すことがあれば、
 桃太郎の勇気においてこれを懲らしめることはとても良いことだけれども、
 宝を獲って家に帰り、お爺さんとお婆さんにあげたとなれば、
 これはただ欲のための行為であり、大変に卑劣である」


「逆説もまた真なり」
「逆転の発想」
…、
うーん、偉人とされている福沢諭吉だけに説得力がありますが、
幕末〜倒幕から開国の勝者の弁というか
「勝てば官軍」
式の言いたい放題にも聞こえますよね。

過激な倒幕派の長州は
「幕府をつぶして一から国を作りなおすことこそ、
 真に日本を改革する道だ」

という考えで、
これに朝廷絶対主義の岩倉具視を始めとする公家たちが同調し、
薩摩を巻き込み戊辰戦争に至るのですが、
NHK大河ドラマ「八重の桜」で
「朝敵(逆賊)の会津を討伐せよ」
というのでも、
禁門の変で京都御所に発砲したことで朝敵となったのは長州で、
御所を守ったのは会津なのですから、
結果、
「勝てば官軍」
で、
勝った方は何を言っても正論化されてしまうのが世の中の常なのです。


ともかく、童話も細部を見ればみるほど
なかなか奥が深そうですよね。

コーヒー栽培も、
「ただ早く大きくなぁれ」
式に、
小学校の花壇で、ジョーロで水やりをするとか、
「コーヒーは5年で初収穫」
と勝手に決めつけたうえで、さらに
「であれば、苗木を入手すれば2年短縮の3年で出来る」
と、
単純な算数式に考える人が現れたり、
「え〜ぃ、面倒な栽培は誰かに任せて、売り方を先に考えよう」
という本末転倒な人や、
「ほんの一部だけ栽培し、大規模でやっていることにして、
 海外産を沖縄産として偽装しちゃおう。
 生豆で出さなければバレやしないさ。」

という詐欺師までいて、
沖縄のコーヒーは、恥ずかしい話ですが
開国前の幕末の様相です。

尊王攘夷派、公武合体派、佐幕開国派、
倒幕攘夷派、倒幕開国派、大政奉還派、保守派
などで国中が大混乱になっていたような。

純粋な沖縄産であるうえで、
「各農園が品質に切磋琢磨する」
そういう当たり前の体制を切に望むところです。
でも、そんなのいつになるのかな?

コーヒー栽培も、
「たかがコーヒー、されどコーヒー」
というように、
「沖縄の気候環境や土壌に向く品種は何なのか?」
に始まり、
タネ植えにしても、時期や蒔き方、タネの上に載せる土の厚み、
タネ植えの土など多くの課題があります。
発芽した苗の移植時期、移植方法、ポット苗木の保管方法もあります。
もっともっと課題はありますよ、長くなるのでここでは書きませんが。

移植作業20130622.JPG
 プランターで発芽させ、発芽後約1年経過の中米山岳品種。
 試行錯誤の末、現在は1プランターで120個のタネを蒔いています。
 発芽率は平均約70%。
 「これでは密植えでは?」という意見もあると思いますが、
 高密度播種条件でもコーヒーは発芽率の低下が見られないので、
 互いに競わせて発芽させるタネの競争原理を考慮して
 最近はこの方法で行っています。
 プランターから発芽苗を半分ほど土ごと取り出して水に約30分漬け、
 根が切れないように細心の注意を払い、
 1本ずつポットに移植します。


誰でも最初は「たかがコーヒー栽培」から出発するのですが、
深く関われば関わるほど、
いろいろな課題や問題が噴出して
それを時間をかけて1つ1つ克服して、
「3歩進んで2歩戻る」
ならいいのですが、
「2歩進んで3歩戻る」
ような場面も多々あり、
「されどコーヒー」
コーヒー栽培は、なかなか侮れないのです。

次回のこのテーマでは、
「花咲じじい」
を掘り下げてみたいと思います。
posted by COFFEE CHERRY at 11:37| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

ブラーミニメクラヘビと共生する

苗木移植ポッでは、
やんばる産純度100%の落葉を
ポットからこぼれるくらい多めに入れるのが私の手法ですが、
ポット苗木を置く地面の上にも
落ち葉をフカフカになるくらい敷き詰めています。

コーヒー山から南方面20130626.JPG
 コーヒー山から南側はこんな感じです。
 やんばるの中央山脈で、南約5kmに
 本島最高峰の与那覇岳(標高503m)があります。


なにしろやんばるは森林地帯ですから
落葉や腐葉土はタダでいくらでも手に入るので
「これでもか」
というばかりに豪勢に使えるのが嬉しいですね。

落葉を惜しみなく使う20130626.JPG
 ポット苗木には落ち葉がこぼれるくらい
 「持ってけ泥棒」というくらい
 贅沢に入れるのが私の手法です。


落葉を多用するのは
「出来るだけ自然に近い環境にしたい」
という思いと、
微生物などの働きで、
「ポット内の土を軟らかい状態に保ちたい」
という考えがあるからです。

落葉や腐葉土を使う作業時には
ミミズやヤスデ、ムカデはもちろん、
ダンゴムシ、クモ、トビムシなどの土壌生物の他にメクラヘビとも
よく出会うことになります。

植え替え20130626.JPG
 昨年3月にプランターでタネ植えして4月に発芽した中米山岳品種です。
 ブラジル品種の倍の生育度で、これはやんばるに合いそうです。
 発芽後、約1年しか経っていないわりには根も充分伸びて
 徒長もせず元気いっぱいです。
 作業中には土壌動物がたくさん出てきます。


ブラーミニメクラヘビ20130626-1.JPG
 長さは約20cm、グレーのミミズっぽい。
 画像の左側が頭部です。
 20cm級のハブムカデも土から飛び出してくるので、
 メクラヘビやフトミミズが現れても驚かず
 平然と作業ができるようになりました。


メクラヘビの正式な名前は
「ブラーミニメクラヘビ」
というのですが、
メクラヘビはミミズがいる場所で、
やや湿った腐葉土からよく出てきます。

ブラーミニメクラヘビ20130626-2.JPG
 黄色いポリバケツに入れると、
 よけいミミズと判別しにくいですね。
 ヘビなので肉食性ですが口が小さいので、
 アリの卵や幼虫、サナギ、シロアリ、トビムシなどを
 地中で捕食しているようです。
 ということは植物の根が吸収しやすいように
 有機物を分解するどころか、
 そういう小動物を食べてしまう有害動物?
 それでもアリを食べるなら有益な土壌動物と判断しています。
 メクラヘビは観葉植物の鉢の中の土に紛れ込んで
 あちこちに移動分布して生息域を拡大しているようです。


彼女は目が退化して口も小さく、一見ミミズにしか見えないのですが、
白っぽいグレーで胴も何となく細かいウロコっぽく、
動きがミミズと違うのです。

なぜ彼女というのかというと、
メスだけでオスがいない、したがって交尾もなく
単為生殖で卵を産んで増える生態だからです。

ヤンバルオオフトミミズ20130626.JPG
 今日出会ったヤンバルオオフトミミズは30cm超級の特大、
 メクラヘビよりずっと大きくて、こっちの方がヘビのように見えます。


ミミズは姿を現すと大暴れしたり、
土中のミミズトンネルに逃げこもうとしたり、
地表ではクネクネ逃げようとするのですが、
メクラヘビは吸血鬼ドラキュラのように日光が大の苦手のようで
とにかく日陰を求めて逃げ惑い、
土の中に素早く潜ろうとします。
その動きも何となくヘビっぽい。

メクラヘビはミミズや微生物などのように
落葉や有機物を分解しませんが、
姿が似ているミミズと同類の土壌動物ととらえて、
ミミズもメクラヘビも、見つけ次第
ポット内の土に混ぜ込むようにしています。


6月23日(日曜)の、
月が地球に最も接近する時と満月が重なる「スーパームーン」現象、
沖縄地方は20:12ということで、とても期待していました。
満月は地平線から少し上がったところに位置し、
海面に映る月影、澄み切って雲も無い、
というとても良いロケーションでしたが、
「いつもの満月より大きい」
とは思えませんでしたね。
「いつもの満月より少し明るいかも」
とは感じましたが。
デジカメ撮影しましたが失敗。

電気がない時代、
たとえば江戸時代では街灯はありませんし、
夜間無灯火での出歩きを禁止されていたこともあり、
夜間は提灯(ちょうちん)を持たないと外出できなかったことや、
盆踊りの起源が仏教伝来よりもずっと前の縄文時代から
祖先崇拝の儀式を夏の満月の月明かりで行われ
現代に受け継がれていることなど、
満月や海面に映る月影、月明かりなどを見ながら
ぼんやりと考えてしまいました。
^^
posted by COFFEE CHERRY at 20:55| 沖縄 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月23日

慰霊の日

1年で昼の時間が最も長い夏至も過ぎ、
今年もあっという間に後半に入りました。

宮古島を直撃して東シナ海から九州手前で消滅した台風4号は、
やんばるには強めの風と雨だけで、被災はありませんでした。

しかも雨はひとしきり強く降ってはやみ,やんでは降りを繰り返し
梅雨明けして日照りを心配していましたから
むしろ感謝したいくらいです。


今晩8時12分は「スーパームーン」という
月が地球に一番近づき、さらに満月になるタイミングが揃い、
今年最大の満月が見られるようですが、
今日の沖縄は「慰霊の日」でもあります。

昭和20年の沖縄戦では、住民を巻き込んだ激しい地上戦の末
20万人余りの尊い命だけでなく、沖縄の文化財、自然がことごとく奪われました。
太平洋戦争で唯一、日本国内の一般住民が地上戦に巻き込まれた戦いでした。

沖縄戦における20万人を越す戦死者のうち、
約半数の9万4000人余りの戦死者は兵隊以外の一般県民や子供でした。

この沖縄戦で、沖縄防衛第三十二軍司令官牛島満中将と同参謀長の長勇中将が
糸満の摩文仁で自決した日が昭和20年6月23日の未明とされていて、
この日を日本軍の組織的戦闘が終結した節目としてとらえ、
沖縄慰霊の日が制定されているのです。

牛島司令官は、自決前の6月19日に
「全将兵ノ三ヶ月ニワタル勇敢戦闘ニヨリ
遺憾ナク軍ノ任務ヲ遂行シ得タルハ同慶ノ至リナリ。
然レドモ、今ヤ刀折レ矢尽キ、軍ノ命旦夕ニ迫ル。
既ニ部隊間ノ連絡杜絶セントシ、軍司令官ノ指揮困難トナレリ。
爾後(じご)各部隊ハ各局地ニオケル生存者ノ上級者コレヲ指揮シ
最後マデ敢闘シ悠久ノ大義ニ生クベシ。」

いう最終命令を出し、
自らは無責任に命を絶ちました。

一般人や学徒動員された青少年たちは米軍に包囲され、
艦砲射撃で無差別に砲撃され逃げまどい、
残存将兵による斬り込み攻撃や、
やんばるの山岳地帯でゲリラ戦が続き、
沖縄戦が正式に終結するのは、
日米両軍の代表が嘉手納基地内で降伏調印を行う9月7日、
日本がポツダム宣言を受諾し、無条件降伏した8月15日よりも
23日も後のことなのです。

私は毎年「慰霊の日」を迎えるたびに、
「牛島司令官が自決した6月23日は日本軍兵士の英霊に対する慰霊であり、
本当の慰霊の日は9月7日であるべきじゃないのかな?」

思うのです。

アメリカの言いなりの現総理は富国強兵の憲法に変えたいのでしょうけど、
戦後68年も経っても、沖縄は今でも遺骨や不発弾がザクザク出てくる現実や、
嘉手納基地からベトナムを空爆するB52戦略爆撃機が
枯葉剤を積み込んだ可能性が高いことなどを知っているのでしょうか?


話は戻って、今日は満月ですが
私は植え替えは満月に向かって行うようにしています。
月の満ち欠け、つまり月のリズムで農業をしているのです。
古来の農業のやり方ですね。

月の満ち欠けの周期は30日弱ですから、
1ヶ月に1回の割合で満月と新月が現れます。
1年に12回満月になるので、
1年を12に分けた単位を「月」というのですが、
月がまったく見えない新月新月から始まり、
新月から数えて3日目が三日月、
それから半月(上弦)になり、
新月から15日目満月、
それから半月(下弦)、三日月を経て新月
を繰り返しているわけです。

「満月の日は殺人・交通事故が激増する」
説のアメリカの精神科医アーノルド・L・リーバー博士の著書
「月の魔力」(藤原正彦・訳、東京書籍)でも、
満月または新月の時期に出産数が増加すると書かれています。

水生生物は、種類によって満潮、
あるいは干潮のいずれかに産卵するという傾向があるそうですから、
人類水生起源説のあり、進化の起源を辿れば水生生物だった人間にも、
そういう傾向が残っていても不思議ではありません。
そもそも、女性の生理周期が28日なのも、月の影響といわれています。
コーヒーも開花時期は月の満ち欠けに関係しています。

私がコーヒーの植え替えを半月(上弦)から満月の時期に行うのは、
植え替える苗木が引力で引っ張られる、つまり
「生長するエネルギーが高まっている時期」
と考えているからです。

コーヒー苗木20130620-1.JPG
昨春3月にタネ植えした中米山岳品種の苗木です。
発芽後まだ約1年でここまで生長するのは
今までテストした中では最高に早く、
やんばるの気候風土や土壌に適した品種だといえます。


コーヒー苗木20130620-2.JPG
梅雨が明けても、やんばるの山岳地帯ではにわか雨も多く、
この先の生育が楽しみです。

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2013年06月19日

台風4号の接近

沖縄地方は、先週の14日(金曜)に
平年より9日も早く梅雨明けをしました。

先週の10日(月曜)には、
台風3号が沖縄からそれて本州に向かいましたが
途中で梅雨前線にはばまれて消滅。
やれやれほっとしたと思ったら、
フィリピンの東海上に発生した台風4号は
そのまま北上し、
Wethernewsによると
宮古島に明日20日(木曜)明け方に上陸、
東シナ海を北東方面に進み、
沖縄本島(北部)には明日夕方頃に最接近するようです。

台風の威力は昨年ほどではないにしても
宮古島の、特にマンゴー農家は戦々恐々としていることでしょう。
もうじき収穫予定の実が落下するのは
生産農家にとって一番悲しいことですから。

昨年の、相次ぐ大型台風の影響で
やんばるの樹勢はまだまだ回復途上です。

今回の、東シナ海を進む台風の風は
時計と反対周りなので南風から西風になります。

今から台風対策、
といってもコーヒー山は森林なので被災は心配しなくてもいいのですが、
育苗センターにしている我が家のミニバナナ園では
鉢やポット、バケツ、ネットなどの飛散物を整理しないといけません。

ヒメハブ20130618.JPG
コーヒー山の貯水バケツにヒメハブが入っていました。
カエルなどを待ち構えて隠れているつもりなのでしょうけど、
姿が丸見えですよね。
posted by COFFEE CHERRY at 12:49| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 台風の被害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

ヤンバルクイナの救助

2月21日(木曜日)朝の犬散歩の途中で、
ひん死のヤンバルクイナに出会い、
すぐに野生生物保護センターに届けました。

ひん死のヤンバルクイナ20130221-1.JPG
発見時は、カラスの死骸かと思ったのですが、
よく見るとヤンバルクイナでした。
時々、羽をバタつかせようとするだけで身動きが取れない状態でした。
目は生き生きとしていたので助かると思い救助することにしました。


ひん死のヤンバルクイナ20130221-2.JPG
 国の天然記念物ヤンバルクイナに触るのは私もさすがに初めてでしたが、
 軽いのとヒンヤリした感じが印象的でした。
  かなりなダメージを受けているのか、まったく無抵抗でした。


ひん死のヤンバルクイナ20130221-3.JPG
 ヤンバルクイナを保護した辺りは、
 野生化した捨て犬の群れの縄張りエリアなので、
 発見が遅れていたら、間違いなく彼らの朝食になっていたはずです。
 沖縄ではペットを飼う人は多いのですが、
 マナーやモラルに欠ける飼い主も多く、
 やんばるには犬やネコを捨てに来る人がけっこういます。
 南城市大里の沖縄県動物愛護センターで
 二酸化炭素ガスで安楽死処分させられているのは、
 犬ネコ併せて平日50頭前後もいるのですが、
 これが可哀そうだと、やんばるに捨てる方がもっと残酷です。
 今までペットフードなどを与えられていた犬ネコが、
 飼い主の身勝手な都合で突然捨てられると、
 もともと野生ではないので、どうやってエサを取るのかもわからず、
 ほとんどの捨て犬やネコは飢え死にしてしまうのです。
 捨てた飼い主は善人気取りなのでしょうけど、
 捨てられるエリアでは、ヤンバルクイナも食餌の対象ですから
 生態系にも影響が出てしまうのです。
 我が家のエリアはヤンバルクイナの大生息区ですが、
 野犬の群れが動くたびに、ヤンバルクイナも移動しています。
 「ヤンバルクイナを守るため」という大義のマングース隊と呼ばれるマングース捕獲隊は
 実態は「我が家の生活費を稼ぐため」であってヤンバルクイナの保護は二の次ですから、
 ヤンバルクイナを食べてしまう野犬にも何の対策もしません。


ウフギー自然館20130301.JPG
 保護したヤンバルクイナは、段ボール箱に入れて、
 環境省やんばる野生生物保護センターに届けました。
 ちょうど見学に来ていた中部商業高校の方が
 運よくヤンバルクイナと対面出来ました。


琉球新報の記事20130301.JPG
 今朝の琉球新報の朝刊31面(社会面)の中央に
 28日(木曜)16時の放鳥の様子が出ていました。
 ウフギー自然館の方から、何度も電話を戴き、
 28日放鳥の立ち会いを頼まれましたが、
 マスコミが来る、というので「用事がある」ということにしてお断りしました。
 記事には「全身に激しい打撲があり、交通事故かも」と出ていましたが、
 交通事故ではありません。
 なぜ断言出来るかというと、県道70号線に近いといっても
 車が入れない場所だったからです。
 ただ野犬やカラスなら、打撲では済みませんし、
 本当の打撲の原因は判りません。
 それでも元気を取り戻し、放鳥してもらえたのは良かったです。
posted by COFFEE CHERRY at 21:38| 沖縄 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | コーヒー山の動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月28日

新たな試み

旧暦1月16日に当たる3日前の月曜日は、
沖縄では
「ジュ―ルクニチ(十六日祭)」
という、
亡くなった人たちのグソー(あの世)のお正月の日でした。
沖縄は祭事・慶事がとても多く、
また娘の産後の肥立が良くないので、
うっかり見過ごしてしまいました。

沖縄におけるコーヒー栽培の問題点というと、
台風による被災や沖縄の気候や土壌環境に最適な品種選択ももちろんそうですが、
これらについてはまた後日記述するとして、
今日は
「コーヒーは桃栗三年柿八年の世界で、とにかく時間がかかる」
という問題について考え、
またある新しい試みを始めましたので
今日はそれについて記述します。

2012年5月上旬のコーヒー双葉20130228.JPG
 コーヒーをタネ植えすると、まず土中で根を出し、
 その根と幹がタネをモヤシのように持ち上げて、
 子葉を出す、つまり最初に出す2枚ペアの双葉を開きます。
 この段階では、コーヒーの生長としては
 「まだ根が出ただけ」
 という段階です。
 生まれたばかりの魚の稚魚は、おなかに大きな卵黄を抱えていますが、
 それと同様に、双葉にはタネが持っていた栄養分がそのまま入っています。
 双葉の役割は、その次に出す本葉を発芽させることで、
 本葉を出すと双葉の役割を終えて、双葉はほどなく黄色くなって葉を落とすのです。
 本葉が栄養を溜めて、主幹や枝葉、つぼみを作り花を咲かせ実をつけるという
 その後の生長を見届けることなく枯れてしまう姿には
 「ものの哀れ」の哀愁を感じてしまいます。
 この画像は昨年5月上旬に撮影したものです。


一般に、コーヒーノキは
「タネ植えから初めて開花させ、初めて収穫出来るまで約5年必要」
といわれ、
沖縄でもおおむねその通りなのですが(品種によって微妙に違う、ハワイ種はやや早い)、
「そんなに長く待てない」
という対策として、
「タネ植えから発芽などをカットして、てっとり早く苗木を調達し、そこから始めればいい」
といった安直な考えがふつう頭に浮かぶものです。
実際に私もそうした時期がありました。

最近、沖縄ではなぜかコーヒー栽培ブームになり、
セミナーや講演が行われるようになって、
コーヒー苗木は、奪い合いの様相を呈しています。

たしかに苗木が入手できれば、
苗木を定植して元気に生育させられれば
「収穫期が早まる」
のですが、
ここでも問題なのは、
「その苗木の品種はなに?」
「その苗木は、そもそも元気なの?」
「そのポットの土の種類は?」
「何年苗木なの?」
「タネは状態がよく元気だった?」
「苗木の根はどうなっていると考えられる?」
「その苗木は日なたに置かれていたの?日陰に置かれていたの?」

といった、
栽培環境や品種などを熟慮せず、
ただ苗木の入手だけが目当てであれば、
その結果は、都はるみの「好きになった人」の
歌詞のフレーズのようになってしまうのも必然といえるのです。

また、運よく元気な苗木を入手したとしても、
それを定植する適期や移植方法、植える場所の適否、防風対策の有無など
いろいろな課題があるのですが、
どうもコーヒー栽培を簡単に考えている方が多いように見受けられます。

「桃栗三年柿八年」
原田知世主演映画『時をかける少女』に出てくるセリフでは、
この後、
「ゆずは9年で成り下がり、ナシの馬鹿めは18年」
と言うのですが、
コーヒーも10年くらいのところに混ぜて欲しいくらいの辛抱さが不可欠なのに、
「早く、しかも楽に」
という楽観的で、価値観より損得を第一に考えた参入者の方々は、
過去、例外なく挫折して去っていきました。
こういう人たちの共通点は、
「石の上にも三年」
何事にもとにかく時間がかかる、という考えが欠如していることです。

数えきれないくらい失敗を繰り返しても、
私がバカだからだとあきらめず、
しぶとさだけが取り柄の私ですが、
ひと頃熱中していた、
「こぼれタネから自然に発芽した自生苗」
も、
その後の生育に難があることが判り、この方法も断念し、
「時間がかかっても、苗木はタネ植えからつくるのが確実」
という初心に立ち返るに至りました。

その後、
香川県のブルーベリーの有機栽培の西園寺さんや
岐阜県の中山さんの助言もあり
「苗木は3年目までに、いかに元気よく生育させられるか」
という考え方に、私もようやく目覚め、
豚糞堆肥を一部で使い、堆肥を使わないものと比較テストを始めました。
最初の投入はまだ先週のことです。

私の現在の環境では、
鶏糞の入手は困難というより、鶏糞は使わない主義なので、
牛糞か豚糞堆肥が対象になりますが、
豚糞の方は、地主の好意で、タダで無制限で入手可能なので、
豚糞堆肥を使うことにしました。

すでに約2年を経過させた、完熟豚糞堆肥で、
すでに雑草が生えだしているので、使用に問題はありません。

この完熟豚糞堆肥に国頭マージと腐葉土を混ぜ、
定植した苗木と、苗木ポットの一部に
ひと握りずつ主幹の周囲に撒きました。

コーヒー苗木20130227-2.JPG
 豚糞堆肥と土、腐葉土を混ぜて、
 1つかみをポリポットに投入しました。
 この上にさらに落ち葉をかけたら完成です。
 この苗木は、発芽後約1年2カ月目を経過しました。
 コーヒーの生育は時間がかかります。


コーヒー苗木20130227-1.JPG
 節間も短く、元気なコーヒー苗木です。
 まだ双葉が最下部に残っていますが、
 本葉を出して役割を終えているので、じきお別れですね。
 安倍政権がTPP参加に焦っています。
 日本を米国の51番目の州にしようとするなら
 そればもう売国奴のすることだから個人で亡命したらいいと思います。
 畜産業は、すでに穀物価格の高騰と円安で配合飼料も高騰しています。
 養豚では豚価格の半分以上がエサ代なので、
 我が家近郊のやんばるの養豚や牧場ではリストラはもちろん、
 頭数制限までしている状況です。
 これではTPPに参加する前でも廃業が続出するかもしれません。
 昔は「年寄りや弱者はいたわれ」と教えられたものですが、
 小泉政権以降は「弱者はヒトにあらず」というように変わりました。
 食糧は戦略物資ですから、余っている時は買えますが、
 天災や紛争などがあったら日本を最優先に輸出してくれる国なんかないはずです。
 富国強兵を目指したいなら自給率向上も目指すべきなのに…、
 大手新聞やマスコミは新政権を褒め称えるばかりで、
 またそれにだまされる一般庶民も大勢いて内閣支持率も上がり、
 前政権もよど号事件の犯人たちが政権をジャックしたようで最悪でしたが、
 新政権も最悪です。



後日、経過が良好であれば、
完熟豚糞堆肥はすべての苗木ポットに投入していこうと考えています。

堆肥を施す理由は、
 @ 保水力が高まり、水分を吸収しやすくなる
 A 土中に適度なすき間が出来て排水性が高まり、通気性もよくなる
 B 微生物が活性化してミミズも増えて、堆肥自体が分解され、
   窒素やリン酸、カリウムといった植物に不可欠な成分が生まれ、
   毛根から吸収しやすいように分解される
 C 細かく密集していた土の粒子が、微生物の働きで団粒という塊りにまとまる
 D 団粒も適度な保水力を持ち、排水性と通気性を良くし、根が伸びやすくなる

といったところです。

畜産堆肥には、
「牛糞堆肥、豚糞、鶏糞」
の3種類があります。

養鶏ではワクチンや抗生物質などの薬を投入していますが、
鶏はエサの6割を未消化で排泄してしまうので、
私はその堆肥は土壌汚染化を危惧して使いたくないのですが、
鶏糞堆肥の長所は、窒素リン酸カリともバランス良く含まれ、
肥料成分が豊富なため完全な肥料であり、
また施しすぎると窒素過多などの障害が出るので
土壌改良資材としては考えてはいけない、というのが特長で、
沖縄では長く効果がある肥料として使う農家は多いです。

牛の飼料はほとんどが植物由来のために
窒素が主な成分でリン酸やカリは少なく肥料成分もあまり多くないので
土をフカフカにした土壌改良として葉野菜栽培向き、
というのが牛糞堆肥の特長です。

雑食性の豚の豚糞堆肥には
牛糞堆肥に比べてNPK(窒素、リン酸、カリ)を多く含むし、
Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)なども含み、
C/N比(炭素と窒素の比率)も小さくて、
有機肥料としては効果が高く、野菜や果菜に向くので
豚糞完熟堆肥はコーヒー栽培の、特に苗木の生育には適していると思うので、
今回の比較テストでの使用には問題がないはずです。

それでも厳密に考えると、養豚の配合飼料には
遺伝子組み換え農産物が入っているでしょうし、
抗生物質だって投与されているかもしれないし…、
そう考えると、畜産堆肥は苗木生育過程での一時的なもの、と考えたいところです。
であるなら、苗木の3年目程度までの使用であれば、
硝酸性窒素などの問題もそれほどでは無いように思いたいところです。

沈黙の春20130228.JPG
 1962年、アメリカの海洋生物学者レイチェル・カーソンが、
 DDTなどの毒性と残留性の強い農薬による危険性を訴えた本です。
 AMAZONの中古本で1円で買えました(本代は1円でも送料は250円かかりましたけど)。
 有吉佐和子の「複合汚染」も毒性の強い農薬の危険を警鐘しましたね。
 硝酸性窒素(発がん性物質)はWHOやEUでは基準値が設けられているのに、
 日本では基準値が無く野放し状態なのです。
 硝酸性窒素の増加の理由は肥料にあります。
 「緑色の濃い葉野菜」を要望する消費者が悪いのか、
 窒素成分が多い肥料を使う農家が悪いのか、売り先が悪いのか、
 よく判りませんが、葉野菜は緑色が濃いから安全ではなく、
 有機栽培だから安全では無いのです。


コーヒー山の中高木20130227.JPG
 冬期ということもありますが、
 やんばるの照葉樹林の、覆うような樹勢にはほど遠い
 空も見えて寒々とした光景です。
 昨年、一昨年と大型台風が直撃したことで、特に照葉樹林が弱り、
 シイ系のダメージはドングリ不足を招き、
 イノシシがエサ不足で農地に出没したり、
 野鳥も果樹の実が不足して困っている、
 ということにも影響しているのです。


どうも娘の産後の肥立ちが良くないので、
当分はお手伝いなどが必要かもしれません。
posted by COFFEE CHERRY at 16:52| 沖縄 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月17日

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

更新が滞ってしまっているうちに年が明けてしまい、
早17日も過ぎてしまいました。もうやだ〜(悲しい顔)

私の長女が今月11日に二人目を無事に出産したのですが、
先月は切迫早産の入院騒動や、出産前後のお手伝いなど
ローテーションに組み込まれていたのです。

元旦のヘビ20130101.JPG
 亜熱帯の沖縄といっても、冬は寒いのですが今年の冬は暖かく、
 例年では見かけないヘビを多数見かけています。
 なにしろ石垣島では超早場米の田植えも始まっています。
 元旦の日も、巳年にちなんで納屋の棚の上で
 カエルを捕食したガラスヒバァに出会いました。
 ガラスヒバァは体長1m前後の無毒のヘビで、
 我が家では庭に数匹がいます。
 捕まったのはシロアゴカエルという
 ベトナム戦争で米軍が軍事物資にまぎれて
 沖縄に持ち込んでしまった特定外来生物です。
 我が家にも多く生息していてヘビには都合が良いのですが、
 やんばるの生態系バランスには影響が出ているのかもしれません。
 沖縄では米軍基地から広まった外来動植物は多く、
 我が家近辺で大増殖中のヤンバルクイナの敵マングースも、
 米軍基地内では保護されているのと同等なのですから
 根絶しようがないのです。


1月3日夕方のヘビ20130117.JPG
 1月3日の夕方には、我が家の玄関前でヒメハブと出会いました。
 “ヒメ”は「姫」なのかわかりませんが、可愛い名前には似つかない
 いかにも毒蛇らしさをかもし出していますが、動きが鈍く、
 咬まれても死ぬほどの毒性はなさそうです。
 本土でツチノコがブームになり、懸賞金まで出た頃に
 「発見された」というニュースが出たのですが、
 それはこのツチノコだったようですね。
 昨年の8月下旬以降の3度の大型台風で
 コーヒーだけでなく果樹も結実がかなり落とされていて、
 「国頭のタンカンの収穫は例年の2割しかない」
 らしく、ヘビはカエルが豊富だからいいのですが、
 野鳥はエサが激減してかなり困っている様子です。


昨年、一昨年と沖縄本島は大型台風が何度も襲来し、
沖縄でのコーヒー栽培は、
「台風の被災が無い北部の森林でなければ、とても無理」
というのが、改めて思い知らされました。

県内でコーヒーの契約栽培者を募る動きもあるようですが、
台風銀座では路地栽培は…。
せめて契約農家に少しでも利があるように願っています。


韓国との竹島問題で、
韓流ドラマとK-POPは視聴者離れ現象になっていますが、
日本で韓流時代劇ブームのきっかけとなったのが、
「宮廷女官チャングムの誓い」
という54話もある長いドラマでした。

創作ドラマなので時代考証はある意味ムチャクチャなのですが、
1544年の李朝末期の「朝鮮実録」という李氏朝鮮の公式の記事の中に、
朝鮮王の中宗が「予の体の事は女医が知っている」という一行が書かれていて
そこには主人公のチャングムの名前も出ていたのかもしれませんけど、
その数行の記録から54話も創り出すのですから、
それはそれは見ごたえのある作品でした。

その6話か7話あたりで、
主人公のチャングムが宮廷女官見習いから一時
薬草や香辛料を栽培する場所に左遷させられてしまう場面があり、
そこで私としてはとても参考になる印象深いシーンがあったのです。

明から高値で買い入れている貴重な薬草キバナオウギ(黄花黄耆)の
国産化がそれまで出来なかったのを、主人公が栽培化に成功し、
宮廷に復帰出来て、ハラハラドキドキの場面ですが、
主人公は、
「国産化が困難で明から高値で買わざるを得ない現状から、
 最も難しい案件から着手した」

ことも素晴らしいのですが、
何度も何度も失敗を繰り返すうちに、
「明での自生地の栽培環境」
つまり、明では山で自生しているというのを聞き、
遮光や水の量、タネを蒔く時期などを試行錯誤して
その結果、薬草を発芽させたのです。

沖縄でのコーヒー栽培も同様な考え方が必要なはずです。
沖縄が台風銀座であることがネックですから、
「栽培品種や土壌なども含めて沖縄独自の栽培法をしなければいけない」
というのが私の信条で、今年も我が道を進みますので、
どうか温かく見守っていただければ嬉しいです。

オキナワカブトムシ雌20130114.JPG
 本土の爆弾低気圧騒動があった成人式の14日には、
 我が家の庭ではオキナワカブトムシの雌と出会いました。
 沖縄本島でもミニ台風並みの強風が吹き荒れていましたが、
 厚着をせずに過ごせました。
 沖縄では毎年旧暦12月8日(今年は明後日1月19日)は
 ムーチーという家族の無病息災を祈願する日ですが、
 「ムーチービーサ」といって
 「ムーチーの頃が最も寒くなり、強風が吹いて以降暖かくなる」
 という強風が成人式の日の風だったのかもしれません。
 ムーチーの日は、餅粉をよくこねて食紅で色付けをして、
 カーサ(月桃の葉)に包んで蒸した、鬼餅(ムーチー)を食べます。
 本土の桜餅みたいなものです。
 今年も近所から頂けるかな。
posted by COFFEE CHERRY at 15:40| 沖縄 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 台風の被害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月04日

コーヒーにおける適地適木を考えるin Okinawa

私は三重県の過疎の出身で、父も林業をしていた関係で、
「尾根マツ、谷スギ、中ヒノキ」
という山間地の格言を何度も聞いたことがあります。

その意味は、
「やせた土地にはマツを植え、肥沃で水分の多い土地にはスギを、
 その中間の、やや水分が少ない土地にはヒノキを植えて、
 それぞれ早い成長を期待しよう」

という、
江戸期以降の里山の経験による考え方です。

江戸期の藩政時代の植樹は、
建材用のマツ、スギ、ヒノキ、
家具材、下駄材用のキリ、保存食としてのウメ、クリ、
薪炭のための、コナラやクヌギ、
果樹としてキシュウミカンやナシ、
漆や蝋(ろう)、塗料を取るためのウルシなど
特別な用途に供される有用樹の造林が
盛んに行われていましたから、
古くから適地適木の概念が浸透していたようです。

沖縄にはスギの人工林が無いのでスギ花粉症が発生しないのですが、
スギの適地といわれる「肥沃で水分の多い土地」に、
例えばヒノキを植えてしまうとどうなるかというと、
「徳利(とっくり)病」
という、
トックリヤシのように根元に近い部分が太くなる、
病気というより整理障害のようになってしまうことがあるのです。
もちろん良質な板材には成り得ません。
また、ヒノキを樹下に植えても、光量不足で枯れることがあります。

乾燥した痩せ地にスギを定植しても、
根に必要な水分が不足して枯れることがあります。
そう考えると“適地適木”というのは、
植樹に際して、根本的で且つ絶対的な要因といえるはずです。


やんばるの森は、ブナ科のイタジイやウラジロガシ、マテバシイ、
クスノキ科のタブノキ、ツバキ科のイジュ、ホルトノキ、ヤマモモ、フカノキなど
50種以上に及ぶ樹種で構成されている常緑の照葉樹林帯で、
昨年8月の、45時間にも及ぶ本島全体が暴風域にさらされた台風や
今年の8月下旬以降の大型台風が3度襲来して、
やんばるの森は、本来はうっそうとした森林なのに、
すきバサミで刈り過ぎた頭のようになってしまっていますが、
放任していても、2〜3年もすれば、枝葉が伸び、
在来種の生存競争が始まって、
やんばるの森は適地適木の森林になっていくことでしょう。

コーヒー山から西側の風景20121103.JPG
 コーヒー山から西側には、
 遠くに伊是名島、伊平屋島、伊江島などが高台から見えるのですが、
 森林内はうっそうとしていて、数十メートル先もよく見えなかったのに、
 今では近くの山も見えるほどスカスカになっています。
 ということは太陽光が入るということになります。
 沖縄も最近は寒いし、光合成も活発になり、いいかもしれません。



沖縄本島でのコーヒー栽培は、
アルカリ土壌のジャーカルでも実ができるものの、
品質的には良い実は出来ませんから、
「国頭(くにがみ)マージの金武(きん)町以北」
が“適地”ということになりますが、
「金武町以北なら、どこでもいいの?」
というと、
「塩害があるから沿岸部は適さない」
ということがいえて、
少し適地のエリアが狭まりましたよね。

沿岸から2km前後あたりまでは塩害が及ぶ可能性もありますし、
また地形的なこと、栽培地の方位なども良し悪しがあるでしょう。
さらに、沖縄は何といっても
「台風台風とどう向き合うのか?」
を考えて、その対策が絶対条件になります。

今帰仁村の古宇利島や
標高172mの城山(タッチュー)を除くとわりと平坦な伊江島、
宮古島、竹富島、粟国島、
国頭村東北部から見える鹿児島県の与論島など平坦な島では、
台風対策はフクギなどで、長い時間をかけながら
頑強な防風林を造り上げないと
コーヒー栽培は難しいと思います。

また、コーヒー農園というと、多くの人が
「見渡す限りにコーヒーが広がっている」
というブラジルのプランテーションをイメージしがちですが、
空が見える青空栽培で、台風対策が充分といえるのかどうか、
その選択も成否のturning pointといえるでしょう。

リハビリ中のコーヒー苗木20121103.JPG
 リハビリ中の苗木が復調気配です。
 一度ストレスを受けた苗木が成木になった時に、
 良い実を付けるのかどうか判らないので、
 リハビリ苗木は、いずれどこかのエリアにまとめて定植し、
 家族の自家用とかで考えています。


コーヒーを“適木”として考える場合、
真っ先に考えなければいけないのは品種選定です。

恩納村の山城先生が、
「沖縄バージョンで判りやすいように」
と、命名してしまったニューワールドでいいのか、
沖縄の土壌や気候環境に適合した品種を探し出すべきなのか、
という選択がありますし、
タネを撰び、タネ植えから始めるのか、こぼれタネによる自生苗を使うのか、
という選択肢もあります。
タネ植えからは時間がかかりますし、自生苗は徒長という、
それぞれのリスクもあります。
それぞれの選択により“適木”に成り得るかどうかの結果も違ってくるはずです。

また、コーヒーを路地で栽培し、樹高を2mでピンチすると、
成木では直径約3mの円すい形のような樹形になります。
面積でいえば成木1本で約3坪にもなりますから、
密植えはしない方が良いのは当然です。

コーヒーは放任すると、樹高7〜8mのヒョロヒョロした樹形になりますから、
それを2m以下に、低くピンチするのも、木に相当なストレスがかかることになり、
私は問題があると考えています。

また、コーヒーは陰樹という、陰ひなたでも生長できる木です。
植物は、太陽光と水と二酸化炭素で有機物をつくり出すという
他の動物はもちろん、現代科学でもマネ出来ないような光合成という
ハイテク機能を供えていますが、
コーヒーは陰樹だからといって、陽の当たらない日陰で栽培すると
生育が遅れたり、病害虫に侵されやすくなります。
特にタネ植え後の発芽苗は、生長する過程では積極的に光合成をしたいのですが、
苗木定植後は、どちらかというと木漏れ日の当たる場所でも生長できるという、
少し手がかかる偏屈でデリケートな果樹でもあるのです。

コーヒーに光量がどのくらいあれば充分なのかは、
なかなか言葉で表現するのが難しく単純ではないのですが、
山城先生の農園が残念ながら枯れてしまったことで、
「光量が生長と寿命に密接に関連し、それらが相反関係にあるのではないか」
と、私は仮説を立て検証しています。

コーヒーを適木にするためには、
「コーヒーは栽培植物」
だということを認識して、
人の介在が必要だということも、知っておかなければなりませんし、
「たかがコーヒー栽培」
と思うのか
「されど」
と思うのかでも、
またゴールが違ってくるように思うのです。

発芽苗20121103.JPG
 これだけあると何本か見当がつきませんが、
 このあと全部ポット移植して58本あることが判りました。
 この発芽苗は今年の2月にタネ植えしたものですから、
 約9か月にしてはニューワールドより格段に生育が良い品種です。


移植した発芽苗20121103.JPG
 葉の元気さや幹の太さ、樹高も、
 ニューワールドとは別の果樹じゃないかと思うほど
 生育が良く、今後の生長が楽しみです。
 沖縄の土壌や気候環境にどういう品種が向くのか今後も積極的にテストをして、
 沖縄におけるコーヒー栽培の土台を築いていきたいと思っています。
posted by COFFEE CHERRY at 22:30| 沖縄 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | コーヒーの品質を高めるための考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月30日

沖縄でのコーヒー栽培者をタイプ別に考える

沖縄諸島は大小160の島々があり、
そのうち人が住んでいる離島は48あるといわれています。

本島から石垣島までは約411km、
東京を那覇として考えれば、石垣島は神戸の先くらいに相当し
広範囲にあちこちに島が点在しています。
もちろん尖閣諸島も沖縄諸島に属する離島です。

沖縄諸島はハワイと同じ海洋性亜熱帯という、
気候的にはコーヒー栽培が充分出来るのですが、
気象的には“台風”が最大のネックになり、
「沖縄諸島であれば、どこでも自由にコーヒー栽培が出来る」
わけではありません。

また、本島だけを考えても、
一部で島尻(しまじり)マージという中性土壌がありますが、
金武町以北と南部では、大まかに分けると
北部が国頭(くにがみ)マージという酸性土壌、
南部がジャーカルというアルカリ土壌で、
土壌の性質も大きく異なります。
(「マージ」とは“真土”、つまり赤土のことです)

コーヒーは果樹の部類に入りますから、
当然酸性や弱酸性土壌に適しますが、
酸性土壌の国頭マージにしても、
大きく分類しても13種類もあるのです。

また海岸沿いでは台風での塩害がありますから、
こうなってくると、気候的にはコーヒー栽培は可能であっても、
土壌や地形、方位なども含めた
「適地適木」
という考え方が必要になるのですが、
これについては、後日書きたいと思います。

今日は、沖縄でコーヒー栽培をしている生産者を
タイプ別に考えてみることにしましょう。

アサギマダラ20121029-1.JPG
 日本本土と南西諸島、台湾といった長距離を往復するアサギマダラです。
 リュウキュウアサギマダラとはまた違うのですが、
 翅の模様が綺麗で、思わず見とれてしまいます。


アサギマダラ20121029-2.JPG
 渡りの調査研究者が翅に日付や研究者の略名、採集場所などを
 英数字で書いたアサギマダラも見かけますが、
 昨日コーヒー山で撮影した蝶には
 何も書かれていないようでした。


JAは一種のフランチャイズのようで、
本部が儲かる仕組みになっていますから、
農家がどんなに頑張っても
「豪邸を建てた」という組合員は
私は聞いたことがありません。

生産者主体の組織には思えないので、
「10年も20年かかっても沖縄ブランドのコーヒーやカカオを作ろう」
という考え方は出てこないようです。

沖縄産バナナは、施肥しなくても、危険な農薬なんか散布しなくても
県内ではどこでも栽培可能ですが、
ちょうどバナナが美味しい時期に台風が来るので、収量が不安定になり、
JAでは県産バナナも敬遠がちです。

バナナは風速20mで倒壊してしまうので、
今年は8月下旬以降の大型台風3連発で、
私のバナナ園もそうですが、県内の大多数のバナナが倒壊してしまいました。

ところが、台風後の市場には、
バナナを持ち込む生産者がいるのです。
落下バナナではなく傷みがない房を出されている方が数人いたのです。

そこでは防風対策がなされているから
大型台風でもバナナが収穫できているのです。
もちろん路地栽培の方もいるはずで、
私はこういう方の防風対策を直接見聞して、
コーヒー栽培にあてはめて考えたいのです。

沖縄では、こういう素晴らしいノウハウを伝えたり
継続したりするのがヘタです。
県産バナナはフィリピンバナナなど海外産に比べて
確実に安全で美味しいのですから、
やり方によっては、本当はもっと拡販されるべきなのに、
その良さが伝わらないのは、とても残念なことです。

沖縄でのコーヒー栽培は、
JAでも無関心、JAに従順な県も当然のごとく無関心です。

県の農水部におけるコーヒー栽培の管轄部署は、
野菜や果樹を管理する園芸振興課ではなく、
「さとうきびとその他」を管理する糖業農産課であることからも
コーヒーに無関心なのは明らかです。

もう10年以上前のことですが、
私が県の、その時は糖業課だったかな、そこで
「沖縄でのコーヒー栽培に関する資料がほしい」
というと
「県内では小規模すぎて統計にまとめていない」
という返答なので、
「コーヒー栽培について知っている方は?」
というと、
「詳しい人はいないし、ここはさとうきびが主体の課なので、
 種々雑多の農産物の調査まではとてもやっている時間は無い」

という、お決まりの言い訳の返答、
民間語に和訳すると
「コーヒーなんか関心ない」
という意味なのです。

そういうわけで、
県も農業試験場もJAも無関心のコーヒー栽培を、
発芽するまででも1〜2カ月、初収穫まででも5年以上かかり、
それを脅威の台風が襲来する土地で作るということは
良い意味でも悪い意味でも、
一風変わった人しかやらないのは至極当然かもしれません。

三途の川の賽の河原では、小石を積み上げて塔を作ろうとすると
絶えず鬼に崩されるのですが、
やがてそこへ地蔵菩薩が現れて子供は救われます。
失敗を積み重ねながら、3歩進んで2歩以上下がるような
微々力前進をしているコーヒー栽培者は、私以外にもいます。
いつか地蔵菩薩が現れなくても、
次の世代に託せるような土台を創り上げられる日が必ず来ると
私は確信しています。

横倒しのコーヒー20121029.JPG
 コーヒー山では、まれにこういった倒木が
 コーヒーを横倒しにしまっていることがありますが、
 こういう場合は、倒木を持ち上げれば、
 コーヒーは元に戻ろうとしますので、直すのは簡単なのです。
 幹が折れてはいません、というより、
 細いから簡単に折れるようで、なかなか折れません。
 直し方は、根元を踏み固めるのではなく、
 幹を垂直に戻して、あちこちに落ちている枝などで
 幹を支えてあげるのです。
 場合によっては根元に土を補充しますが、
 靴裏でパンパンと踏み固めると根切れを起こす可能性があり、
 また根の呼吸を阻害させる要因になりますから、
 根元を踏み固めることはしないのです。


県内のコーヒー栽培者は
それぞれで理念や方針、栽培方法が違いますが、
大まかに分類すると、下記のようになります。

1あくまで純粋な沖縄産にこだわる
「海外産と混ぜると意味が無い」という、徹底して沖縄産にこだわるタイプ。
ここでは下記のようにさらに2つに分かれます。
 @ 良いモノ作りを目指す
  同じ作るなら最高の、究極の豆を作り上げようという考え方で、
  私以外にもいますが、かなりの少数派です。
 A 実が出来さえすればいい
  沖縄産にこだわるほとんどの生産者はここに該当します。
  「とにかく実さえ出来ればいいんだ」という考え方です。
  自分では作らず、人任せにするブローカー的なのもここに入りますが、
  生産者が複数いて、その実を混ぜこぜにしてしまうなら、
  品質的には安定しないはずですが、
  こういう人に限って「こだわり」や「限定」などを誇張して
  うまく使い分けするようです。

2海外産とブレンドOK
 焙煎機を持っていたりカフェなどの店舗を経営していて、
 コーヒーは栽培するけど、海外産とブレンドすることを
 前提にしているというタイプです。
 ここでも下記のように二分します。
 B ブレンドであることを正直に公表する
   沖縄産は少量生産のためということもあるでしょうが、
  「味を良くするため」にブレンドする、という考え方で、間違ってはいません。
 C 海外産とのブレンドは伏せ、自称「沖縄産100%」と偽装する
   農園があちこちに分散しているような見せ方をしたり、
   その場しのぎの適当な数字で説明しながら、
   本当は大量の海外産で水増しした豆を「沖縄産100%」と言って売る人が
   ほんのひと握りですが実際にいるのです。
   これはもう詐欺で、いつか自業自得の結果に陥ることになると思いますが、
   沖縄産コーヒーの信頼を損ねる行為なので、とても迷惑な存在なのです。
   いつか塀の中に入るか、閻魔様に舌を抜かれることでしょう。
   また、こういう人に限ってイニシアチブを取りたがるんですよね。
   山城先生や和宇慶先生、足立浩志さんは探究心旺盛で謙虚でしたけど、
   真反対な人です。

また、栽培者ではないのですが、
3沖縄ではコーヒー栽培はムリ派
という方々もいます。
 D「コーヒーは熱帯地域で生産」というコーヒーベルト論を盲信し、
  「コーヒー豆は既存の熱帯産が一番」と思い込んでいる

   仏教徒にキリスト教やイスラム教の信仰を勧めてもムダなように、
   沖縄産がいかに安全に作れるとか鮮度の違いを説いても、
   議論、討論で解かり合うことはなく永久に平行線なので
   お互いに距離を置いて、お互いに相手にせず、
   お互いに「Going my way」が一番なのです。
 E 過去コーヒー栽培にチャレンジしたものの失敗した人たち
   一度や二度の失敗で退散し「沖縄ではコーヒー栽培はムリ」というのは、
   私から言えば「負け犬の遠吠え」にしか聞こえません。
   ムリだと思ったらそれまでなのです。
   即席ラーメンをつくるようにはいきません。
   簡単に早期に出来るなら誰でも栽培しているはずです。
   難関だからこそ挑戦する価値があるのです。

県内でのコーヒー栽培者のタイプ別分類は上記の通りです。
@〜Bまでの栽培者には、どうか温かく見守っていただければ嬉しいです。

オスプレイ20121029-1.JPG
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイです。
 米軍普天間飛行場に配備され、
 県内25市町村の上空を日常的に飛行していて、
 昨夕は国頭村上空も、何度も円を描くように大きく旋回していました。
 とにかく速いので、なかなか撮影出来ません。
 ものすごい飛行音です。


オスプレイ20121029-2.JPG
 オスプレイの下側です。説明しないと何だかわかりませんよね。
 画像下は十字架ではなく、コンクリの柱から出た錆びた鉄骨です。
 もし墜落するなら海上で落ちてほしい。
 政府専用機にお奨めです。
 政府や官僚の家族もいつでも自由に乗れるパスを発行したらいいです。

posted by COFFEE CHERRY at 15:14| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内のコーヒー栽培 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

優雅に舞うサシバ

10月に入り、サシバを時々見かけるようになりました。

サシバは渡りの鷹ですから、珍しくはないのですが、
別名大扇(おおおうぎ)と呼ばれるように、
翼を広げると1mにもなる雄大な鷹を間近に見ると、
檻(おり)の無い自然動物園に居るようです。

サシバ20121024-1.JPG
 我が家から20m離れたモクマオウの先端で休息中の
 タカ目タカ科サシバ属に分類されるサシバ(差羽)です。
 体長は50cmは有りそうで、大きく目立ちます。
 6年前から環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されているようです。
 画像が不鮮明なので性別は判りません。


サシバ20121024-2.JPG
 優雅に円舞するサシバ。
 下から見ると白っぽいのですが、どうも焦ってシャッターを切るので
 ピンボケ画像ばかりになり、何とか見れるのが2枚だけでした。
 ヘビやネズミ、トカゲ、カエル、バッタなどを捕えているのだと思います。
 まさに生態系の食物連鎖ですね。


都会の喧騒を離れて、自然と共生する時を過ごせるのは
心が癒されて、幸せを感じます。
posted by COFFEE CHERRY at 11:10| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒー山の動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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